創業50年!ドイツ発のアウトドアブランド「VAUDE」

皆さん、このブランドを知っていますか?
読み方は「ファウデ(VAUDE)」。 今年、創業50年にもなるドイツの老舗アウトドアブランドです。
登山関連のみならず、サイクリングやキャンピング、カーテントなど、幅広いアウトドアアクティビティ向けウェアやギアなどの開発・販売を行なっており、かなり幅広いラインナップを有しているブランドなんです。

提供:VAUDE GREEN SHAPEコレクション
また、環境配慮に非常に重きを置いている企業でもあるVAUDE。
Reuse (再利用)、Reduce (削減) をもとにCO2削減を積極的に取り組むシリーズもあり、なんとプラスティックや古タイヤの再利用による製品開発とモノづくりを行なっています。
余談ですが……。
20数年前、ドイツの友人宅に数週間滞在した際、自由奔放でワイルドな友人が、当時の日本とは比較にならないほどの細かなゴミ分別を丁寧に行ないゴミステーションに出していたのを見て心底驚きました。
ドイツは環境保全に対する意識も取り組みもすごいんだな、と実感したことを思い出しました。
気になるザックを発見!

そんなドイツでは国民的認知度を誇るVAUDEですが、気になるザックを発見。
そのザックがこれ、 「Trail Spacer 18(トレイル スペーサー18)」。
フレームレスでそれなりに軽量、且つ日帰りハイクにもトレイルランにも使用できる良いサイズ感です。
でも、一見シンプルなデザインで「どこが気になるの?」と思いますよね。
フィット感が何か違う!

実は試着した時の吸い付くようなフィット感が、今までにない凄さだったのです。
昨今、着るベストタイプのザックは数多くあり、そのフィット感自体は今どき珍しいものではないのですが、表現するのが難しい初めての背負い心地とフィッティングを感じました。
なんだかこれは面白いぞ。

撮影:三宅 雅也
ハイキングにトレイルランニングなど、合計で7回ほど使ってみましたが、やはりフィッティングが心地良い。 あえて重い荷物を背負って試してみたところ、いつもならショルダーに掛かる荷重で肩へのストレスを感じたりするのですが、後から思い返すとそういえばそういう感覚無かったなぁと……。
そこで改めてしっかりショルダーを見てみたらようやく気付いたんです、そこにメーカーの技術が詰め込まれていることに!
果たしてその技術とは……!
世界初の「3Dニットデザイン」とやらが想像以上にスゴかった!

撮影:三宅 雅也
ショルダーストラップをよく見てみると、中がタワシみたいになっています。
このショルダー、ボリューミーなパッドが詰め込まれているわけではなく、VAUDE独自の新技術「3Dニット」という立体構造での編み込みがなされていたのでした。
コシのある樹脂系繊維が交差しながら編み込まれ、立体構造による空間を作り出しています。
あの快適さはこのお陰だったのか! ようやく謎が解けました。

撮影:三宅 雅也
この3Dニット技術、ショルダーだけではなく、背面パッドにも施されており、なんと背面は背負い心地優先のため少し柔らかめに、ショルダーは荷重負荷分散のために少し硬めに設計されていることもわかりました。
そんな強弱までつけられているなんて、なんだか凄すぎやしませんか?
こんなに立体構造を維持するんです
撮影:三宅 雅也(ボリューム最大にすると指で押さえる際のニッティングの反発音がかすかに聞こえます)
動画でもわかるとおり、ものすごい立体構造を維持してます。 これが肩への局所的な荷重を分散するようなのです。
見た目からではわからないこの構造と機能、たいしたものです!
他にも使いやすさに気を配った細かい仕様が
3Dニットデザインの他にも、特長的な機能がたくさん!
①収納性高く、整理整頓もばっちり

撮影:角田 果奈美
ウエストベルトにはかなり大型のメッシュポケットがついており、大量の行動食や使用頻度の高い携行品の収納が可能。 コンパクトなウィンドブレーカーやUL系レインジャケットも収納できるほどです。

撮影:三宅 雅也
また、1気室ではありますが、計10ポケット(内部に2ポケット、外側にトップポケット、背面ポケット、サイドポケットx2、ショルダーポケットx2 (右側はさらに2層構造)、ウエストポケットx2)もの収納があり、整理整頓しやすい!
収納性能が高いのは嬉しいですよね。
②メインコンパートメントがガバッと開く!

撮影:三宅 雅也
これは荷物が出し入れしやすくて本当にありがたいんです。
一般的な筒状に開くタイプだと、下の方に入っている荷物を取り出すのは結構大変。
見えない中、手探りでお目当ての荷物を探したり、いったん全部出したりして……。
また、蓋の開く角度が下部で傾斜しているため、内容物が落ちにくく (こぼれにくい) 安定感があるのがニクイ配慮です。
その他、ハイドレーションホースが左右どちらからも出せるとか、トレッキングポールが装着できるとか、一般的な機能もありますよ。
ちょっと気になるポイントと、その対策
良い点もたくさんありますが、個人的に少し気になる点もありましたので、対策案もあわせて紹介します。
①ショルダーポケットにスマホを入れていると、肋骨に痛みが……

撮影:三宅 雅也
個人的に最も気になったのは、ショルダーベルトがオールメッシュでクッション性がない点です。 通気性は良いですが、ここにスマートフォンを入れる場合、時間経過と共に肋骨が痛くなってくる点が気になりました。
でも100円で解決できた!
撮影:三宅 雅也、角田 果奈美(※インソールの見た目が気になる場合はハサミでカット出来ます)
そう、これは100均で売っているインソールです。 これがシンデレラフィットでピッタリ入り、充分なクッション性があるため、長時間スマホを入れていても肋骨が痛くなりません! 本当に簡単に対策出来ました。
また、深くしっかり収納できるため、トレイルランなどの激しいアクティビティでも、スマホが飛び出し落下する心配がないのは大きな安心感があります。
②ドリンクボトルが入れられないショルダーポケット

トレランにも配慮したザックのため、ドリンク携行は、ソフトフラスクやハイドレーションが想定されています。 そのためナルゲンやタンブラーなどのハードボトルは入れられません。
構造上、ショルダー左側にはスマートフォン、2層構造の右側にはエナジージェルなどを整理して入れるのがおすすめです。
ハードボトルを使いたいときはサイドポケットで!

撮影:角田 果奈美
個人的にはソフトフラスクやハイドレーションではなく、マイボトルやタンブラーなどでのドリンク携行が好みなので、やはり収納場所はサイドポケットになってきます。
ただ、サイドポケットが少し高い位置に配置されているため、出し入れに少し慣れが必要です。
また、ドローコードでしっかり固定すると背負ったままドリンクの出し入れは困難となり、ザックをおろす必要があります。 逆に緩め固定だと、トレランの下りのような激しい揺れではドリンクが落下する恐れもありますので要注意です。
が、総じて大きな課題ではないのかなと……。
世界初の技術は伊達じゃない! 背負い心地抜群のVAUDE「Trail Spacer」

撮影:三宅 雅也
ここがこうだったならなぁ!と感じる点もある「Trail Spacer 18」ですが、個人的にはとにかくこのフィット感と背負い心地が、日帰りのポクポクハイクやスピードハイク向けに気に入っています。
また、ウルトラライト系ハイカーであれば、盛夏の小屋泊なら1泊出来る収納力もあり、活躍の幅は広そうです。

なお、Trail Spacer 8 というトレランに特化したザックもありますので、背負い心地や肩への荷重ストレスを感じているランナーの方は、試してみるのも良いかもしれませんね!
それでは皆さま、どうぞ良いハイク&ランを!
今回紹介した製品はこちら
VAUDE Trail Spacer 18
容量 | 18L |
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重量 | 560g |
サイズ | 48.0 × 26.0 × 20.0 cm |
背面長 | 42cm |
素材 | メイン素材:70Dポリアミド100% / 表面シリコンコーティング / 裏面PUコーティング、 ライニング素材:150Dリサイクルドウーブンポリエステル100% / ポリウレタンコーティング |
VAUDE Trail Spacer 8
容量 | 8L |
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重量 | 400g |
サイズ | 41.0 × 25.0 × 17.0 cm |
背面長 | 40cm |
素材 | メイン素材 : 70Dポリアミド100% / 表面シリコンコーティング / 裏面PUコーティング、 ライニング素材 : 150Dリサイクルドウーブンポリエステル100% / ポリウレタンコーティング |