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うみ先生教えて!山で遭う危険生物って事前にわからないの?

そもそもフィールドサインって何?

動物ごとのサインを覚えておけば、予め危険を回避することにも繋がる

危険生物フィールドサインQ&A
①山だけでなく、住宅街の桜の木などについてるコレ。一体なんの生き物?
②山でも街でも見る足跡。何の動物?

正解:ハクビシンの足跡です。ハクビシンは漢字で書くと「白鼻芯(心)」。その名の通り、鼻筋に通った白い線が特徴です。外来種とされており、農業害獣ともされますが、いろいろな病気をもっているということで、危険生物ともいわれる一面をもっています。
③これは町中にはないですね。山にある足跡ですが何の動物?

正解:これはイノシシの足跡です。大型ほ乳類であるイノシシも、出会うと怖い存在ですね。ほとんどの場合、向こうから逃げていくことの方が多いですが、こんな足跡のほか、登山道脇の法面が掘り返されていたりすると、それはエサを探した跡。イノシシの活動エリアの中にいることになります。
④私たちの足跡に似ている?見たことがある方も多いあの動物。一体何?

正解:これはニホンザルの足跡です。東京の多摩地域などでも、日中に活動していて時折みかけることがあります。イノシシなどよりも遭遇しやすい生き物ではないでしょうか。見つけると嬉しくなることもありますが、喧嘩になるとかなわないので、目を合わせないようにするなど刺激しないように心掛けてください。
⑤最近、相模原や丹沢でも発見された大型哺乳類。何の動物?

正解:これがツキノワグマの足跡です。やはり野生生物からヒトに近づいてくることは少ないですが、森の中の餌が不足していたり、餌付けにつながるような行為、人里と森の間の緩衝地帯となる部分がなくなるなどすると、トラブルを起こすことがあります。登山においてのクマ対策としては、ヒトがたくさんいるように見せるため、ラジオが効果的とも言われています。
⑥直接的ではないですが、この生き物がいるとクマが近くにいる可能性があります。何の生き物?

正解:これはキバネクロバエというハエの仲間です。このハエの幼虫は、なんとクマ類のフンを食べて育つという性質があります。つまり、もしこのハエを見つけたら、近くにクマ類の新しいフンがある可能性があるということです。もちろん100%危険であるとは限りませんが、一つの指標として役に立てることができるハエの仲間です。覚えておいて損はないでしょう。
番外編:”見つけたら嬉しい” 3つのフィールドサイン
①主にリスなどが残す、この噛みあと。なんて呼ばれてる?
正解:通称「エビフライ」と言われています。リスなどのげっ歯類の生き物たちが松ぼっくりを食べると、このようなエビフライ型の食べ跡ができます。山に行くと結構落ちていることが多いので、ぜひ探してみてください。
②たまに地面に落ちていることもあるこの巣。何の巣?

正解:メジロの巣です。冬場に落葉した木の枝先を見上げていると、たまに見つけることができますが、それ以外の時期でも、使用後の巣が地面に落ちていることがあります。シュロの繊維や、コケ、時にはスズランテープのようなものもうまく利用して作られているお碗型の巣です。
③両側に穴が開いたクルミ。いったい誰が食べた跡?

正解:足元をみていると、オニグルミなどのクルミの実の両側に穴が開いたものが落ちていることがあります。これは、アカネズミというネズミが食べた跡です。割るわけではなく、両側に穴をあけ、そこから中身を食べているのですね。ちなみにリスが食べると、真っ二つに割れた食べ跡になります。
うみ先生の独り言~フィールドサインは、まるで探偵!とっても面白い!~

自然の中で推理して動物の行動エリアを探索すると、その動物の生活がみえてきて、山の自然をより体感できます。皆さんもぜひ、動物たちのフィールドサインから、その暮らしをいろいろ想像してみてくださいね。
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