エスケープルートと判断ポイントを設定


・天候の急変
・メンバーの体調
などの変化があった場合、そのままのルートで続行するか、エスケープするかを判断するポイントをルート上に定めていきます。

アプリだと、エスケープルートまできっちり想定する人は多くないのではないでしょうか?
地図を見ることでコース全体が見渡しやすく、どこからどこへエスケープできるか、考えやすくなります。
判断ポイントも決めて、どんな状況になったら下山するかを決める

エスケープルートを設定すると、判断するポイントも自ずと決まります。そこで「どんな場合に下山の判断をするのか」も考えておきましょう。
・天候が荒れていたら
・計画した時間○分以上過ぎていたら
など、下山時間から逆算して考えていきます。
主な分岐からエスケープルートを決める
<ルート>
1日目:4:30 中房温泉登山口→9:00 燕山荘→13:30 大天荘
2日目: 4:30 大天荘→6:00 東大井岳→7:30 常念乗越→8:40 2857ポイント→12:15 2625ポイント →13:45 蝶ヶ岳ヒュッテ
3日目:5:00 蝶ヶ岳ヒュッテ→5:30 2625ポイント→8:30 徳沢→11:15 上高地
<エスケープルート>
大天荘→東天井岳→常念乗越→一ノ沢登山口
常念小屋→2857ポイント→前常念岳→三股
蝶ヶ岳ヒュッテ→2677ポイント→1916ポイント→三股
※「2857ポイント」などと書いているのは、特に地図上に名前がないポイント(地図上では「2857」などと表記)です


装備もきちんと記入。装備表を作って頭の中を整頓

登山計画には装備についても書く欄があります。雪山や登攀に必要な登山道具(ピッケルやアイゼンなど)を持っていかない場合でも、装備チェックも兼ねて記入しましょう。
できれば、装備表を作って必要なものをリストアップするのがおすすめ。その際、グループで分担するものの数も記入しておくとスムーズです。
外側に着用するアイテムのカラーは、遭難捜索のための情報に

遭難時、捜索の情報として緊急連絡先などの個人情報は登山計画に書きますが、さらにプラスしておくといいのが、以下の情報。
・レインウェアとヘルメットのカラー
・車で登山口に行く場合は、車のナンバー

概念図を書いてみよう!ルートが頭に入って計画がクリアに

登山計画で作成したルートを元に、コースの概念図を自分で書いてみます。本ルートとエスケープルートを手書きで起こします。
手書きすると、山の地形とルートの位置関係がわかりやすくなります。また、大まかにルートを把握するのに有効です。


<横山さんが書いてくれた概念図>

出発時間や通過予定時間を書いておくと全体のスケジュールを把握しやすい
山行では「記録」を残していくと計画を見直ししやすい

登山では計画したタイムスケジュールを書いておき、実際に通過した時間をメモしていきます。さらに、日ごとに気づいたことなどもメモ。
どんなシーンでどんなペースだったか、メンバー疲れ具合なども書いておけば、振り返るための「材料」ができます。
グループで行くときは、記録係を決めるといいでしょう。今回は、計画を作った横山さんが記録係も担うことになりました。
グループで登山のとき、どう計画していく?

複数人で登山する場合、登山口へのアクセスがバラバラの場合もあるので、 代表して一人が計画のたたきを作ってしまうのがいいでしょう。
メンバーの登山レベルを知る →→ 登りたい山を決める →→ ルートを決める →→ 登山口を決める →→ 各メンバーの登山口までのアクセスを確認 →→ 待ち合わせ場所と時間を決める
といった手順で行います。計画したものは、必ず全員で事前に見ること。計画を作った人以外も内容を把握しておくことが大切です。
装備の分担も決めよう

グループでテント泊登山する場合、テントやバーナー・調理道具など、分担できる装備がありますので、装備表で確認しながら誰がどのアイテムを持っていくか相談します。
記録係のほか、会計係、食事係なども決める

グループで行くならさまざまな役割を分担すると、「誰かがやってくれるかな?」など他人任せにならず、それぞれが責任をもって登山に参加できます。
今回の分担はこちら!
<係の分担>
リーダー:編集部水杉
副リーダー・記録・タイムキーパー:横山さん
食事・会計係:編集部大迫
食事係:鰐渕さん
医療・気象:ガイド渡辺さん
自ら作成した登山計画でテント泊山行へ!

アプリだけで計画を立てると、ルートをコースタイムという「数字」だけで把握してしまいがち。
しかし、実際に地図を広げてみると地形などを見ながらコース上にいる自分を想像でき、さまざまな想定を加味した計画が立てられます。
渡辺ガイドによれば、「登山は知力と体力を組み合わせて楽しむアクティビティ」で、計画を立てたり準備をしたり、登山中に判断するのは「知力」を発揮することだそう。




次回は計画をもとにテント泊登山した山行リポートをお届けします!お楽しみに!
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