笹原が広がる峠を経由する「上日川峠~石丸峠」周回コース
大菩薩嶺の石丸峠は、笹原が一面に広がる美しいスポットです。大菩薩峠から石丸峠は人通りも少なく、静かな山歩きを堪能できるでしょう。
周回ルートは途中に渡渉ポイントがあるため、防水の登山靴は必須。山小屋に増水情報を事前に確認するなど、安全を確保してから登ってください。
コース概要
最高点の標高: 2034 m
最低点の標高: 1553 m
累積標高(上り): 652 m
累積標高(下り): -652 m
- 【体力レベル】★★☆☆☆
- 日帰り
- コースタイム:4時間10分
- 【技術的難易度】★★☆☆☆
- ・登山装備が必要
・登山経験、地図読み能力があることが望ましい
上日川峠までのアクセス情報
登山口まではバスが運行しています。駐車場も完備されており、アクセスは抜群。ただし、週末は込み合うので早めに到着すようにしてください。
クルマの場合
中央自動車道「勝沼」ICー国道20号ー県道38号ー県道201号ー国道411号ー県道201号ー上日川峠駐車場
公共交通機関の場合
JR中央本線「甲斐大和」駅下車、栄和交通「大菩薩上日川峠線」乗車ー上日川峠下車
栄和交通|大菩薩上日川峠線 時刻表
登山口情報
甲斐大和駅のバス停は、駅を出て右手側に進むとあります。バス停にはトイレが隣接。混雑時は、臨時便がでる場合もあります。
登山口の上日川峠には、ロッジ長兵衛という山小屋が。出発する前にコースの状態を聞いておくといいでしょう。
上日川峠には公衆トイレがあります。事前の準備に利用しましょう。
コース詳細ガイド
今回は5つのセクションにわけて紹介します。
それでは大菩薩嶺の頂上と石丸峠に向けて出発しましょう。
セクション①上日川峠~雷岩(約95分)
セクション①の上日川峠~雷岩は唐松尾根をたどって行きます。唐松尾根の終盤は、やや急登となるので体力配分に注意してください。
上日川峠の登山口はロッジ長兵衛の脇に。最初は舗装路を登って行きます。
舗装路を歩いていると、登山道(左)と車道(右)の分岐が出現。どちらを歩いても、山小屋の福ちゃん荘に着きます。今回は、登山道を歩いてきましょう。
序盤はゆるやかな登山道を登っていきます。
登山道のアップダウンがある場所も。福ちゃん荘までは全体的になだらかなので、自分のペースで登っていきましょう。
両脇が笹で覆われた、ゆるやかな登りがある道を歩いていきます。
しだいに平坦な道に。登山道には木の根や丸太がころがっている場所があるので、足元に注意してください。
また次第に登りがある登山道が始まります。
基本的に歩きやすいですが、木の根がぽつりと露出しているので気をつけましょう。
登山道には大きく木の根が露出した場所が。迂回する場所もあるので、笹を踏まないように歩いてください。
「裂石」と書かれた看板がある場所は、車道から登山道に上がれるポイント。福ちゃん荘はもうすぐです。
石段のような道を登ります。福ちゃん荘の屋根も見えてくるでしょう。
福ちゃん荘の脇から、小屋の間を抜けていきます。
福ちゃん荘では、食事や買い物が可能。宿泊もできますよ。
福ちゃん荘の前には、唐松尾根へ行く道(左)と、大菩薩峠へ行く道(右)の分岐が。石丸峠を周回するのなら、唐松尾根からの方が距離が短くなります。今回は、唐松尾根から大菩薩嶺を目指しましょう。唐松尾根へは、登山道入り口に立っているポールが目印です。
序盤はやや舗装されたゆるやかな道を歩きます。
次第に土の地面となり、傾斜が上がっていきます。
唐松尾根の登山道には大きな石があるポイントが多いです。転倒しないように注意してください。
登りが終わると、平坦な登山道に。休憩にぴったりな広場のようになっている場所もあります。
平坦な道がいったん終わり、再び登り道へ。
登山道が二股に割れていますが、どちらを歩いてもすぐに合流します。
傾斜がやや上がりますが、登りきると平坦な道へと変化します。
またしばらく平坦な道が続くので、景色を楽しみながら進みましょう。
平坦な道が終わり、唐松尾根の本格的な登りとなります。石もたくさんころがっているので、つまずかないようにしましょう。
登山道が二手に分かれていますが、どちらを行っても雷岩に行けます。唐松尾根はこのような分岐が多く出てきますが、基本的に雷岩へ行く道しかないので、コースアウトにのみ注意してください。
石や岩が登山道に現れはじめ、足元が悪くなります。
道脇にロープがありますが、これは植生保護のためのものなので、体を支える用には使わないでください。
雷岩が近くなると、登山道が岩に覆われます。足をぶつけないように一歩ずつ確実に歩いていきましょう。
岩から大小さまざまな石がころがる道に。足を滑らせやすいので気をつけながら進んでください。
雷岩に到着しました。雷岩からは富士山を含めた絶景が待っていますよ。
セクション②:雷岩~大菩薩嶺~雷岩(約20分)
雷岩から山頂までは樹林帯。展望がないので、山頂よりも雷岩での休憩が人気です。
雷岩から樹林帯方面の登山道を進みます。
樹林帯の序盤は平坦な登山道となります。ピンクテープを目印に進んでいきましょう。
木道の上を通りますが古くなっているので、つまずかないようにしてください。
木道の先には木の根が露出した場所を通ります。歩きやすい場所を探して歩いて行きましょう。
再び木道が現れます。ここから先は山頂までの最後の登り。
登りが始まると石がころがる登山道に。気をつけて歩けば大丈夫です。
山頂が近づいてくると、傾斜がなだらかになります。
大菩薩嶺の山頂に到着しました。展望はありませんが、平坦な広場となっています。ここからは、来た道を引き返し雷岩へ戻ります。
セクション③雷岩~大菩薩峠(約40分)
雷岩から大菩薩峠までは展望の良い稜線歩き。序盤は富士山を横目にしながら、景色の良い道を楽しめますよ。
雷岩の脇に稜線へと続く登山道があります。雷岩の上を登るように歩いてきましょう。
雷岩の先にも開けた場所があります。雷岩手前が混んでいたら、ここで休憩するのもいいでしょう。
雷岩からなだらかな傾斜を下っていきます。小さな石がころがっているため、足を滑らせないようにしてください。
しだいに登山道が平坦となってきます。
岩の横を通ります。展望が良いので、この岩のうえで休んでいる人も。
稜線上で少し大変な岩場にさしかかります。まずは、岩の上を登っていきましょう。
今度は岩場を下っていきます。足の置き場はあるので、焦らずに下りましょう。
賽(さい)の河原までは、ゆるやかな下り。景色を楽しみながら、進んでいきましょう。
石が積み重なった賽の河原に到着。ここも広場となっているので、休憩ポイントです。
賽の河原には避難小屋があります。何かあったときは、避難小屋の中に逃げましょう。
賽の河原から親不知ノ頭までは登りとなります。
富士山を真正面に見られる親不知ノ頭に到着。分岐を右に行くと行き止まりの展望台、左に行くと大菩薩峠へと下りられます。
親不知ノ頭から小高い丘の横を通っていくと、大菩薩峠が見えてきます。
大菩薩峠までの登山道は大小さまざまな石が。足元に注意してください。
大菩薩峠の介山荘が近づくと、道が平坦に。大菩薩峠はすぐそこです。
大菩薩峠に到着しました。ここまでは人気が多く、にぎやかな稜線歩きが楽しめるでしょう。
セクション④大菩薩峠~石丸峠(約30分)
大菩薩峠から石丸峠へ。石丸峠付近までは樹林帯の中を歩いていくことになります。
石丸峠へは介山荘の小屋の間を通り抜けていきます。介山荘では食事やお土産、登山バッジの購入などが可能。
介山荘横にあるトイレ前の道をまっすぐ歩いていきましょう。
大菩薩峠~石丸峠への序盤は、両側にロープが張られた道を歩いていきます。
歩いていくと岩の間を通る細い道が。岩に体をぶつけないように歩いてください。
しばらくなだらかな道を進んでいきます。
苔むした岩のそばを通り、岩がゴロゴロところがる道を登って行きましょう。
登山道上に倒木があります。頭上に注意してくぐってください。
なだらかな登りが熊沢山まで続きます。
熊沢山への登山道は踏み跡がしっかりとありますが、コースアウトにはくれぐれも気をつけてください。
熊沢山を通過します。このあたりは木々が開けている場所もあり、富士山が見られることも。
熊沢山からは、なだらかな下り道を歩いていきます。
樹林帯が一気に開け、石丸峠への気持ちのいい笹原が広がります。石丸峠への下り道は急なところがあるので、登山靴のグリップを効かせて歩いてください。
石丸峠が近づくと、傾斜は平坦に近づいていきます。
石丸峠付近まで下ってきました。美しい笹原が広がっています。
石丸峠に到着。まっすぐ行くと小金沢山方面、右手に行くと上日川峠へとたどり着きます。上日川峠への道は看板(地面上にあり)が目印。笹原にはいくつか踏み跡がありますが、笹原の植生を保護するため、新たに踏み跡を作らないようにしましょう。
セクション⑤石丸峠~上日川峠(約75分)
石丸峠から上日川峠に下山します。途中の渡渉ポイントは増水していなければ、初級者でも大丈夫。危険性があると判断した場合は、渡渉ポイントの手前にあるバス停「小屋平」から下山可能です。
上日川峠方面に向かいましょう。最初は笹原の中を歩いていきます。
樹林帯まではなだらかな道が続きます。
樹林帯の中に入りました。林道を目指して進んでいきましょう。
樹林帯を歩いていると木々が開けるポイントが。最後の富士山ポイントです。
再び樹林帯の中を進んでいきましょう。
基本的に下り道となりますが、アップダウンがある場所も。
歩きやすく、傾斜がなだらかな道を進んでいきます。
林道が見えてくると、足元に大きな石が出ているポイントが。転倒しないように油断せず歩いてください。
中継ポイントの林道に到着。上日川峠は分岐を右側へと進んでいきます。
林道に下りたときの視点です。目印の「上日川峠」と書かれた標識の方面へと向かいましょう。
林道の途中にある登山道へ戻るポイント。標識を見落とさないようにしてください。
林道から小屋平までは下りですが、少し傾斜があります。木の根による段差もあるので足元に注意しましょう。
車道が見えてくると、傾斜がなだらかに。石の段差に気をつけながら歩いていきましょう。
車道へと出るポイントになります。車通りに注意して渡りましょう。
登山道の入り口は真正面に。登山道のすぐ隣にはバス停「小屋平」があります。
登山道はしっかりと整備されており、ゆるやかな傾斜のなか歩けます。
道のくぼみのなかを歩くように進んでいきましょう。しだいに道幅が広くなり、平坦に近い道となります。
渡渉ポイントの手前に分岐があります。この分岐は、渡渉ポイントのどこに出るか分かれる道。左、右どちらから行っても大丈夫です。今回は左側から渡渉ポイントに向かいましょう。
渡渉ポイントです(水量が落ち着いている状態)。飛び石の上を渡っていけば、濡れずに渡れますよ。石が濡れていると滑るので、注意しながら渡ってください。
対岸から見た渡渉ポイントの違い。不安な方は防水のロングゲイターを装備して渡ると、沢に落ちても濡れる被害を最小限に抑えられます。
沢から登っていくと、再びなだらかな登山道を歩くことになります。
登山道にかかっている橋の上を渡っていきましょう。
笹原を見ながら穏やかな道を進んでいきます。
登山道の途中には2つめの渡渉ポイントが。とても小さな沢なのでほとんど気にしなくても大丈夫です。
上日川峠へ向けて、ゆるやかに登っていきます。
3つ目の渡渉ポイント。こちらも浅いので、防水の登山靴であれば難なく渡れるでしょう。
途中に上日川ダム北岸へ行く分岐があります。上日川峠へはまっすぐ進んでください。
沢の上にかかる橋の上を歩いてきましょう。上日川峠はもうすぐです。
上日川峠への最後の登り。ロッジ長兵衛の建物が見えたらゴールはすぐそこです。
上日川峠に到着です。帰宅の準備をして下山してください。帰る前にロッジ長兵衛に立ち寄るのもおすすめ。
美しい笹原を眺めに石丸峠へ行こう!
石丸峠は幻想的な笹原が広がる場所。大菩薩峠からは歩く人が減るので、自然の音を聞きながら山歩きを楽しめますよ。上日川峠発着だから、アクセスの良さも抜群。渡渉ポイントあるので、登山装備はしっかりと整えてくださいね。