Section3:大平山〜大塔宮バス停(2.6km・約53分)

このセクションでは自然のハイキングコースを天台山を越えて進み、瑞泉寺近くでハイキングコース入口に下山します。ここからは瑞泉寺や鎌倉宮を経て、舗装路を歩いてゴールをめざします。

草原状の広場を離れ鎌倉カントリークラブの金網に沿って進むと、舗装路と合流します。

この先にハイキングコース上では唯一の公衆トイレが設置されています。

舗装路と分かれて、右側の林道を登っていきます。

広い林道をゆるやかに登っていきます。

天園に到着です。周囲は広場になっており、ベンチなどはありませんが休憩にも好適です。

天園からは、やや急な下りになります。

下りきると分岐に到着です。右に下った「獅子舞」は、絶景の紅葉名所として知られているスポットです。

さらに進むと、2019年の台風でダメージを受けた木々が伐採された場所を通過します。

再び森の中に入り、苔むした岩肌の上を進んでいきます。

このあたりは樹齢を重ねた巨木が多い区間です。台風にも負けなかった生命力を感じます。

ふたたび、木々が伐採された場所を通過します。台風では樹齢の若い木が多くダメージを受けたようです。

標識はありませんが、この場所が天台山(厳密には天台山の山頂直下)です。

天台山から少し下ったところにあるのが「貝吹地蔵」です。鎌倉幕府の執権をつとめた北条高時は、新田義貞ら討幕軍に追い詰められ自害しますが、義貞は高時の首を執拗に探します。
この時に高時の首を持って逃亡していた家臣が地蔵に出会い、法螺(ほら)貝を吹いて首を埋葬する場所に案内したという伝承が残っています。

貝吹地蔵から先は、階段状の急な下りとなります。

やがてコースはなだらかな下りとなり、沿道にはやぐらの跡もあります。

コース後半まで、こうした史跡と自然の調和を楽しむことができるのも天園ハイキングコースの魅力です。

この道標にしたがって分岐を右手へ進み、瑞泉寺方面へ下っていきます。

分岐から先は、しばらくは自然のハイキングコースが続きます。

やがてコース左側には柵が設置されるように。柵の下には住宅街も見えてきます。

階段を下ると瑞泉寺側のハイキングコース入口に下山します。

せっかくなので近くの瑞泉寺(拝観料大人200円)に立ち寄ってみます。後醍醐天皇や足利尊氏も帰依した禅僧・夢窓国師が開山した「花の寺」として人気があります。

瑞泉寺を後に、鎌倉市街地へ向かって舗装路を進みます。途中にある永福寺跡は、現在は広々とした公園になっています。

鎌倉幕府倒幕に活躍しながら、足利尊氏との対立で暗殺された護良親王を御祭神とする鎌倉宮。明治維新を果たした明治天皇が、護良親王への追慕の思いから創建したという神社です。
ここからゴールの大塔宮バス停は、徒歩約2分です。
実業之日本社 てくてく歩き5 鎌倉(ブルーガイド・てくてく歩き)
山麓の寺社とあわせて楽しみたいハイキングコース

天園ハイキングコースのスタート地点・建長寺は鎌倉五山(建長寺・円覚寺・寿福寺・浄智寺・浄妙寺)第一位の格式を誇る大寺院で、春の桜や秋の紅葉が見事。北鎌倉駅から建長寺に向かう途中の明月院もアジサイの名所として知られています。

また下山後に立ち寄った瑞泉寺の庭園は、作庭にも才能を発揮した夢窓国師の手によるもの。鎌倉ならではのやぐらを活かしたもので、国の名勝に指定されています。
四季折々の美しさを見せる寺社と組み合わせたハイキングで、鎌倉ならではの休日を堪能してはいかがでしょうか。
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①葛原岡・大仏ハイキングコース
【コースタイム】01:53 【コース距離】4.5km
歴史ある寺社と自然あふれるハイキングをバランスよく体感できるコース。歩みを進めるにしたがって近づく海の眺望も魅力。
②天園ハイキングコース(鎌倉アルプス)
【コースタイム】02:19 【コース距離】5.8km
鎌倉市最高所・大平山も踏破する歩き応え抜群のハイキング王道コース。四季折々の魅力がある山麓の古刹も必見。
③衣張山ハイキングコース
【コースタイム】02:03 【コース距離】4.7km
山頂からは鎌倉市街から海までの絶景を一望。山麓にも魅力あふれる寺社が点在するハイキングコース。
④祇園山ハイキングコース
【コースタイム】01:17 【コース距離】3.4km
コース中に点在する史跡も、見晴台からの展望も魅力的。緑が美しい道で程よく自然を感じられるハイキングコース。
⑤朝比奈切通しハイキングコース
【コースタイム】00:45 【コース距離】1.8km
武家の古都・鎌倉守護の名残を色濃く留めた道。コンパクトながら歴史の面影を存分に感じ取れるハイキングコース。
⑥名越切通しハイキングコース
【コースタイム】01:56 【コース距離】6.1km
自然と調和した防衛拠点・大切岸は必見。石廟や切通しも点在する、先人の労苦を偲び自然との調和を実感するハイキングコース。