【NEWS】YAMAPの消費カロリー計算式の精度がアップ!疲労の蓄積を防いで遭難ゼロへ

登山アプリ「YAMAP」の消費カロリー計算がより精度が高いものに刷新されました。

鹿屋体育大学と連携した「安全登山・ウェルネスプロジェクト」の一環で、目指すものは「遭難ゼロ」。どのように変更されたのか、そして、その背景や目的とは?

目次

アイキャッチ画像作成:筆者(ロゴ提供:YAMAP、画像出典:PIXTA)

消費カロリーの計算式が、より精度の高いものへ改正

登山アプリ・コミュニティサイト「YAMAP」は、登山の運動生理学の第一人者である山本正嘉教授(鹿屋体育大学)と連携し、アプリ内で表示される消費カロリーの計算方法を一新。このアップデートにより、より精確な消費カロリーが算出されるようになりました。

どう変わるのか?

従来の計算式は、活動時間に、METs(運動・身体活動の強度を示す値)、体重などの定数を掛け合わせる単純な式でした。

新旧計算式
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これからは、登山ルートにより異なる「距離」や「上り/下りの累積標高差」などが、パラメーターとして計算式に加わります。これにより、それぞれの登山行動状況に応じた消費カロリーが計算されるようになり、より高い精度の値を確認することが可能に。

具体的にどこが変わる?いつからこの計算方式に?

消費カロリー変更箇所

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消費カロリーが表示されるのは以下の3か所。2022年12月5日以降、順次適用されています。

■活動記録画面で活動中、リアルタイムに表示

■自分の活動日記の中(他のユーザーには非表示)
■ダッシュボード(過去の数値も新しい式で再計算)

変更の背景や目的は?

今回の変更の背景は、多くの山岳遭難事故が「疲労の蓄積による体力や判断力の低下」に起因していることにあります。

統計

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そもそも、YAMAPアプリは登山での遭難減少を目的とし、道迷いを極力減らすため地図とGPSを利用したルートナビゲーションを提供してきました。しかし実際は、道迷いだけでなく滑落・転倒・病気・疲労といった事故も多い状況。それらの根本原因は、主に疲労の蓄積による体力や判断力の低下です。

疲労の蓄積を避けるためには消費カロリーの精確な数値が必要

「疲労の蓄積による体力や判断力の低下」を防ぐには、

・あらかじめ自分の体力を把握しておくこと
・目的の山を登るために必要なカロリーを把握し、十分な補給をすること

が大切。

一人ひとりがより精確な消費カロリーを把握することで、これらの対策に役立てられるように、今回の改正が行われました。

遭難ゼロを目指す「安全登山2.0構想」へ

消費カロリー計算式の刷新は、ヤマップが鹿屋体育大学と始動した「安全登山・ウェルネスプロジェクト」の一環です。

運動生理学の目指す世界

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ただ漫然と登山経験を積み重ねても、体力の把握、トレーニング、ペース配分などへの身体意識が低ければ、「身体意識が低い経験者」となり、遭難への潜在的リスクが高くなります。登山経験とともに身体意識も高めることで、「身体意識が高い経験者」となり、遭難リスクが低下。
今回の消費カロリー計算の精度アップは、身体意識への関心を高めるための第一歩です。

運動生理学のコンセプト

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今後のYAMAPは、遭難ゼロを実現する「安全登山2.0」へと進化。
従来の「道迷い」に対する機能に加え、
・山岳や登山コースごとに必要な体力レベルの数値化および評価を行うことで、容易に「体力に合った山選び」ができるようになる機能
・行動中、身体に高い負荷がかかった場合のアラート機能
など、新たな機能の開発も予定しています。

YAMAP