背面がないシュラフ コーラス

”背面がないシュラフ”が登場!「サーマレスト コーラス」は今までにない新しいカタチを提供

2022/11/22 更新

シュラフ(寝袋)といえば、誰もが思い浮かべるのが背中まで包まれた袋状の形ですね。今回紹介するサーマレストの「コーラス」は、背中がありません

「えっ、それって布団?」

いえいえ布団のようで布団じゃない新発想のシュラフ。ちょっと変わったこのシュラフを実際に試してみたら、今までにない、ちょっとおもしろいシュラフでした。

目次

アイキャッチ画像撮影:筆者

布団のようで布団じゃない、サーマレストの新モデル「コーラス」

コーラス

撮影:筆者

サーマレスト(THERM-A-REST)は主にアウトドア用マットレスで馴染みが深いブランド。マットのイメージが強いかもしれませんが、実はシュラフもいくつかラインナップされています。
今回発売されたコーラスは、背中側が無いちょっと珍しい形状のシュラフ

コーラス裏

撮影:筆者

マットと組み合わせて使うことが前提で、シュラフとマットを“合唱(コーラス)”のように一体化することができるシュラフです。

まるで“組布団”!でもテント泊寝具としては珍しい形態

まるで“布団”!でもキャンプ用としては珍しいカタチ

撮影:筆者

例えるなら敷布団がマットレスで、掛け布団がコーラスの組布団状態。私たちが普段寝ている形態と同じですが、袋状のシュラフが一般的なテント泊用寝具としては珍しい形態です。

マットと一体化したコーラス

撮影:筆者(マットレスと一体化したコーラス)

布団型のメリットは、なんといっても普段から慣れているという事。一般的な袋状シュラフのように窮屈感がありません。
さらに背面がない分、軽量・コンパクト。

その反面、布団型のデメリットは、

①.頭部の防寒なし。隙間ができやすく寒気が入りやすい

②.背中のクッション性なし。マットレスは必須

ということが挙げられます。
①はニット帽を併用するなど、スリーシーズン用として割り切れば問題無し。②は通常、テント泊ではマットレスは携帯することが多いのでこれも問題無いでしょう。

つまり、シーズンや場所、”使い方を誤らなければ”、快適なシュラフになりそうなアイテムです。

どんなシーンに最適?

コーラス2種類

提供:モチヅキ
0℃-6℃
カラースプリングスプリング
使用限界温度0℃-6℃
使用快適温度5℃0℃
重量561g734g
ダウン量339g525g
収納サイズ17×25cm19×29cm
税込価格41,80046,200

コーラスは「0℃」と「-6℃」の2種類。0℃は夏のアルプスや春秋の低山のテント泊、-6℃は高山含むスリーシーズンの高山のテント泊や小屋泊まり向きです。

コンパクト収納

撮影:筆者

今回使用した「0℃」を収納するとこれぐらい。かなりコンパクトです。
できるだけ荷物を減らしたいファストトレッキングや、長期間の山岳縦走など、パッキング重量を減らしたい山行に最適です。寝具が無い無人小屋泊にも便利。

単なる“布団”じゃない|コーラスはどんなシュラフ?

コーラス

撮影:筆者

「従来から存在する羽毛のブランケットと同じでは…?」という疑問も湧いてくるカタチですが、実は単なる布団ではないコーラス。
その特徴を紹介していきましょう。

足を保温する「袋状の足元」や体温調節しやすい形状

コーラスの足元

寝ているときに寒さを感じやすいのが足先。そして、足先が冷たいと眠りにつくこともままなりません。
背面のないコーラスですが、足先はしっかりと保温する袋状になっているので快適です。

暑い時のコーラス

撮影:筆者

この袋状の足元は寒い時に便利なだけじゃなく、暑い時はすぐに足を出す事ができます。筆者が一番気に入ったのは実はこの点。
暗いテント内ではファスナーの開閉がしにくく、何よりも面倒くさいことも……。その点、コーラスは足を抜いてめくりあげれば終わり。肩もすぐに出せる形状なので体温調節が楽にできます。

布団のようで布団より使いやすくなる「シナジーリンク」

シナジーリンク

撮影:筆者

コーラスとマットレスを一体化する「シナジーリンク」というストラップが2本付いています。伸縮性があるので厚みがあるマットレスでも使えそうです。

シナジーリンク2

撮影:筆者

隙間ができにくく、寝ている間にマットレスとコーラスがズレることなく安心です。これが“布団のようで布団ではない”ポイント。動きやすいのにシュラフにような保温力を維持します。

寝返り

撮影:筆者

実際にいろいろと寝返りを打ってみましたが、背中が開くようなことありません。夜中に背中が寒くて起きるようなことは少なそうで、袋状シュラフのような保温力を維持します。

横から手を出せる

撮影:筆者

コーラスとマットレスの隙間から手だけ出すこともできるので、ちょっと暑い時の体温調整や、スマホを見たり、本を読んだりすることも可能。これは袋状のシュラフでは簡単にはできず、まさに“布団のような”ポイントです。

シナジーリンク3

撮影:筆者

このシナジーリンクは両側のホックで取り外し可能なので、使わない時は邪魔になりません。

高い保温力を維持|羽毛の撥水加工とボックス形状の縫い目

保温力が高いダウン

撮影:筆者

羽毛は濡れが大敵です。濡れるとロフト(※)が低下し保温力が一気に低下、また、羽毛は乾きにくいという性質もあります。
コーラスは撥水加工されたダウンを採用(Nikwax Hydrophobic Down™)、ロフトの維持が60倍、3倍速く乾燥できるので濡れに対する心配が少なくなっています。

※ロフト…羽毛の「かさ」のこと。ロフトが低下すると断熱性が低下し保温力が無くなっていく

ダウン機能

寝ている間の汗をはじめ、テントの結露など、シュラフの周りは意外と水分が多いので安心な機能です。

また、一般的な羽毛製品は縫い目部分に羽毛が無いのでそこから寒気が入り込み、いわゆるコールドスポットになりやすいですが、コーラスの縫い目はボックス形状でロフトを維持しているので、コールドスポットになりにくくなっています。

その他の機能

その他の機能

撮影:筆者

そのほかの便利な機能としては、肩からの冷気の侵入を防ぐ首回りを閉じるホック(画像左)、小物を収納することができるポケット(画像右)があります。

 

長期保管用の専用ストリージバッグ

撮影:筆者

専用ストリージバッグが付属しているので、長期保管用時はこれに収納しましょう。

ファスナーがないので、出入りは慣れが必要?

サーマレスト 出入り

撮影:筆者
袋状シュラフのように、横のファスナー開閉で大きく開かないので、入る時は足から、出る時は上半身を起こしながら足を抜く必要があります。
シナジーリンクのホックを外す方法もありますが、寝ている状態では簡単ではありません。
最初はちょっと戸惑いましたが、慣れればファスナー開閉の手間が無いので、意外と楽かもしれないと思いました。

アイデア次第でこんな使い方も

型にはまった製品では無い分、アイデア次第で様々な使い方ができそうです。

シュラフにレイヤリングして保温力アップ

コーラスをシュラフにレイヤリング

撮影:筆者

手持ちのシュラフだけでは寒い場合、その上にかぶせてレイヤリングすることでさらに保温性をアップすることができます。12℃~14℃の断熱性を追加できるという事なので、夏用シュラフを秋冬に、スリーシーズンシュラフを冬用に使う事も可能になります。

コットやハンモックの寝具に

コット

出典:PIXTA

コットやハンモックで、ブランケット替わりに使う場合、シナジーリンクのおかげで使用中に落としてしまう事もありません。

車中泊に

車のシートにコーラス

撮影:筆者

シナジーリンクをシート裏に回しておけば、シートがマットレス替わりになります。袋状シュラフのように窮屈感が無く快適です。

見た目以上に完成度の高いコーラス

コーラス

撮影:筆者

最初見た時に「実験的な製品だなぁ」と思ったのですが、使ってみるうちに意外と完成度が高い製品だと感じました。携帯性や快適性は維持しながらも、足元や肩先の形状や高品質ダウンを使うなど保温性能を確保し、シュラフとしての機能はしっかりと押さえています。

アイデア次第で様々な使い方ができるコーラスは、アウトドア寝具の今後の方向性のひとつかもしれませんね。