目次
どのアイテムがぶっちゃけお気に入り? 愛用の山道具を教えてください!

気になる愛用品をインタビューして、オススメポイントを聞き出す当企画。さっそく、お気に入りの山道具を教えてもらうべく、専門店を訪れました!
第四弾は<アルペンアウトドアーズフラッグシップストア> 柏店の尾形祐介さんにインタビュー!

アルペンアウトドアーズフラッグシップストア柏店 尾形祐介さん
1993年生まれ、埼玉県出身。日本山岳ガイド協会認定登山ガイドステージⅡ。進学した信州大学で教養学部の野外教育コースを専攻。授業を通じてアウトドアの楽しさを学び、2016年に株式会社アルペンに入社。2019年からアルペンアウトドアーズフラッグシップストア柏店で店長代理として勤務する。いちばんの趣味は3歳のときに始めたスキー。冬はバックカントリーを満喫している。
ズバリ、プライベートで愛用している山道具は?

愛用品は、アメリカのアウトドアギアブランド<ビッグアグネス>の「フライクリークHV UL2 EX」です。

尾形さん

ライター 吉澤
いわゆる超軽量テントのパイオニアモデルですね。
国内ブランドのドーム型テントを選ぶ人が多い中で、このテントを使いこなす人に会うのは初めてです! ぜひ愛用しているポイントを教えてください。
国内ブランドのドーム型テントを選ぶ人が多い中で、このテントを使いこなす人に会うのは初めてです! ぜひ愛用しているポイントを教えてください。
【愛用ポイント①】軽いは正義!ダブルウォールの2人用で約1.1kg
このテントを買った当時、すでに登山用テントは持っていたんですが、さらに荷物を軽くしたいなと思って見つけたのが、このフライクリークHV UL2 EXでした。
ペグ、張り綱、収納袋まで含めた総重量で、約1.1kgしかありません。
ペグ、張り綱、収納袋まで含めた総重量で、約1.1kgしかありません。

尾形さん

ライター 吉澤
さすが、圧巻の軽さですね!
この軽量性と小さくなる収納サイズのおかげで、南アルプスを2泊3日で縦走したとき、40Lのバックパックで歩くことができました。
バックパック自体も軽くなり、結果、背負う総重量を抑えることができた点が良かったですね。
バックパック自体も軽くなり、結果、背負う総重量を抑えることができた点が良かったですね。

尾形さん


ライター 吉澤
重量のほかにも気に入っているポイントはありますか?
当時、シングルウォールテントにはさらに軽いモデルもありましたが、結露のことを考えるとダブルウォールは譲れませんでした。それと、1人用だと窮屈に感じてしまうので、2人用を選んだ点もこだわったポイントです。
ダブルウォールでそれなりに広くて、重量が約1.1kgという絶妙なバランスこそ、フライクリークHV UL2 EXの最大の魅力だと感じています。
ダブルウォールでそれなりに広くて、重量が約1.1kgという絶妙なバランスこそ、フライクリークHV UL2 EXの最大の魅力だと感じています。

尾形さん


ライター 吉澤
軽さと快適性とのバランスを考えたうえで、最適解がフライクリーク HV UL2 EXだったという訳ですね。
【愛用ポイント②】高い入口で窮屈な姿勢を回避!
快適性でいうと、入口の高さにもこだわりました。

尾形さん

ライター 吉澤
入口の高さ? 注目されることが少ないディテールですね。
前室で調理をするときや景色を眺めながらご飯を食べるとき、入口付近で窮屈な姿勢になるのは嫌じゃないですか。
フライクリーク HV UL2 EXは少し変わったY型のフレーム構造を採用しているので、入口部分に高さがあるんです。そのため、あぐらをかいた状態でも背筋を伸ばせる点が気に入っています。
フライクリーク HV UL2 EXは少し変わったY型のフレーム構造を採用しているので、入口部分に高さがあるんです。そのため、あぐらをかいた状態でも背筋を伸ばせる点が気に入っています。

尾形さん


ライター 吉澤
たしかに、低い入口で背中を丸めて辛い思いをするのは嫌ですね。ちなみに、尾形さんの身長は何センチですか?
180cmです。そんな自分が座っても、フライクリーク HV UL2 EXの入口は頭が天井につくかつかないかぐらい高い。窮屈に感じたことがないですね。

尾形さん


ライター 吉澤
ついフロア面積や最大天井高に着目しがちですが、このスペックは盲点でした。テント泊を快適に楽しみたい方は、入口の高さも要チェックですね!
よく前室の広さも注目されますが、自分にとっては入口の高さのほうが大事です。

尾形さん
【愛用ポイント③】稜線上でも問題なく使用できる!

ライター 吉澤
話を聞きながら、フライクリーク HV UL2 EXが魅力的に見えてきました。
ただ、軽いがゆえに耐久性が気になります。実際の現場で使っても問題はないのでしょうか?
ただ、軽いがゆえに耐久性が気になります。実際の現場で使っても問題はないのでしょうか?
冒頭でも少し話したように、2泊3日の日程で南アルプスを縦走したときに実際に使いました。椹島からスタートして、荒川岳、赤石岳、聖岳を登り、再び椹島に戻ってくる周回コースです。

尾形さん

ライター 吉澤
時期はいつでしょう?
6月のちょうど梅雨の時期でした。そのため、1日目の午後から2日目の夜まで雨に降られてしまい、テントを張るときは両日とも雨だったんです。

尾形さん

ライター 吉澤
なかなかバッドコンディションですね。それでもテント泊に支障はなかった?

まったく問題なかったです。適当なビニールシートをグランドシートの代わりに地面に敷いたおかげか、床からの浸水もなく、しっかりペグを打って設営できたので、広々と快適に過ごすことができました。

尾形さん

ライター 吉澤
耐風性も問題なし?
南アルプスでは、そこまで風が強くなかったのが救いでした。
それとは別に、9月に北アルプスにある槍ヶ岳山荘のテント場で使ったときはそこそこの風に吹かれましたが、それでも耐風性に不安は感じなかったですね。張り綱までしっかり固定すれば問題ないと思います。
それとは別に、9月に北アルプスにある槍ヶ岳山荘のテント場で使ったときはそこそこの風に吹かれましたが、それでも耐風性に不安は感じなかったですね。張り綱までしっかり固定すれば問題ないと思います。

尾形さん


ライター 吉澤
実用性は十分に備わっているようですね。ちなみに、9月の北アルプスだと寒くなかったですか?
夜はダウンジャケットを着込むような気温でした。
ただ、フライクリーク HV UL2 EXは日本の山岳環境での使用を考えて作られた特別仕様で、インナーテントのメッシュ部分が少ないんです。それもあって、寒さが気になることもありませんでした。
ただ、フライクリーク HV UL2 EXは日本の山岳環境での使用を考えて作られた特別仕様で、インナーテントのメッシュ部分が少ないんです。それもあって、寒さが気になることもありませんでした。

尾形さん

ライター 吉澤
商品名にある“EX”が日本仕様の目印ですね。

メッシュ部分が多いオリジナルのほうが数グラム軽いんですが、多少重くなってもメッシュ部分を減らした日本仕様を選んだ点も快適性を優先させたポイントです。
おかげで、春から秋までオールマイティに使うことができ、フライクリーク HV UL2 EXは今も第一線で活躍しています。
おかげで、春から秋までオールマイティに使うことができ、フライクリーク HV UL2 EXは今も第一線で活躍しています。

尾形さん
お店のイチオシも聞いてみた! これが今季の注目アイテム


ライター 吉澤
せっかくなので、ぜひお店のイチオシも教えてください!
国内のスリーピングバッグブランド<イスカ>の「エア ドライト 480」がおすすめです。
イスカが展開するダウン製のスリーピングバッグのなかで、春から秋まで対応する保温性があり、750FPの撥水ダウンを使うことで濡れにも強くなっています。
イスカが展開するダウン製のスリーピングバッグのなかで、春から秋まで対応する保温性があり、750FPの撥水ダウンを使うことで濡れにも強くなっています。

尾形さん


ライター 吉澤
スリーピングバッグってほかにも種類がありますよね。あえてイスカの商品をおすすめするポイントを知りたいです。
自分はイスカのスリーピングバッグを“寒くない寝袋”と表現していて、首元のネックチューブやサイドファスナーのデザインなど、内側の暖気を逃さないための工夫が随所に見られるんです。

尾形さん

たとえばネックチューブが非常に分厚くて、さらにドローコードがゴム紐なので、寝返りを打っても体に追従して隙間ができることはありません。

尾形さん

内側の暖気が逃げやすいサイドファスナーには、閉めたとき蓋をするような生地が裏表に備わっています。これも寒くないと感じるポイントです。

尾形さん

ライター 吉澤
細かい箇所まで丁寧に考えて作られているのですね。
私も実際にイスカのスリーピングバッグを使っていて、全体的に商品の完成度は高いと感じています。

尾形さん
イスカ|エア ドライト 480
<イスカ>エア ドライト 480
イスカ|エア ドライト 480 ショート
やっぱりプロの目線はためになる! 次の取材に乞うご期待
第四弾目に紹介した愛用品は、超軽量テントのパイオニアモデル。入口の高さや耐久性、耐風性など、実際に使っているからこそ語れる使用感は、とても参考になりますよね。イスカのスリーピングバッグも説明を聞きながら試してみたくなりました。次はどんな愛用品と出会えるのか、次回にもぜひご期待ください!