お気に入りの「ホームマウンテン」があれば、もっと山に近づける。山ストールデザイナー上久保さんの「山の愉しみ」by ROGER EGGER
季節ごとに何度も通う「ホームマウンテン」があると、新たな山登りの魅力を発見できます。今回は地元の伝統技術を使った山ストールを製造・販売する上久保匡人さんと、群馬県の真ん中にある赤城山へ。スイスの伝説的ブランド「ROGER EGGER」のウエアで歩きながら、地元の山を想うことで生まれたアイテムや人々との交流について聞きました!

制作者
YAMAHACK 編集部
YAMA HACK運営&記事編集担当。登山をきっかけに自然の力に魅了される。山で飲むコーヒーが大好き。何かあれば必ず山に行き、心身共に整える。山について新しい視点を与えられるような記事作りを心がけて日々執筆活動を行う。
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季節ごとに、何度も登ると新しい発見がある

出典:PIXTA
山は、季節や天候、一緒に登るメンバーなどによって、いつも違う表情を見せてくれます。また、眺める角度や距離によっても、山容が違って見えますよね。
家から近くて頻繁に通ったり、自宅や職場から、あるいは通勤中などに日々眺めたりする、自分のホームと感じられる「ホームマウンテン」ができると、山登りの新たな楽しみが見つかります。
山ストールをデザインする上久保さんが赤城山を紹介

上久保 匡人さん(プライレット)
群馬県桐生市出身。大学時代に山登りを始め、卒業後はワーキングホリデーでカナダのバンフへ。帰国後、地元桐生市にて「PRIRET(プライレット)」を立ち上げ、山ストールやTシャツなどオリジナル商品を製造・販売。2018年には吾妻山の麓にアウトドアのセレクトショップ&コーヒーショップ「AZM BASE(アズマベース)」もオープン。
今回のゲスト、上久保さんがおすすめするのは、上久保さんのホームマウンテンとも言える「赤城山」。
群馬県の中央部にあり、地元の桐生市からもよく見えるため、赤城山を見ると「帰ってきたな〜!」と感じるのだそう。年に2回ぐらいは登りに来るとのこと。
地元の人に親しまれる赤城山

「赤城山」は麓から眺めたこの山域全体を指し、赤城山という山はありません。
標高1,828mの黒檜山を主峰に、全部で12の山と、その中央のカルデラやカルデラ湖である大沼も含めて、赤城山と言います。日本百名山の一つであり、榛名山(はるなさん)、妙義山と並んで上毛(じょうもう)三山とも呼ばれます。
春にはアカヤシオやレンゲツツジの群生、秋には紅葉、冬には初級の雪山登山が楽しめます。
僕は夏が好きですね!大沼湖畔でのキャンプも楽しいです。

今回は、大沼湖畔から主峰の黒檜山に登って、駒ヶ岳へと縦走して下山する、最もオーソドックスな周遊コースを上久保さんと歩きます。
黒檜山登山口からスタート
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おのこ駐車場をスタートし、左手に大沼と赤城神社を見ながら舗装路を20分ほど歩いて、黒檜山登山口へと向かいます。
赤城神社に渡る、大沼にかかる啄木鳥橋(きつつきばし)は(写真1枚目)改修工事中で、今は橋脚のみ。その美しい姿は改修後のお楽しみに。
濃い緑の中で黒檜山へ向かう
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最初は美しい新緑の樹林帯の中、ゴツゴツした大きな岩の多い急坂を一気に登っていきます。
標高が上がるにつれて、木々の間から大沼を見下ろす見事な眺望が開けてきます。2時間ほどで黒檜山の山頂に到着!主峰なので、ここに「赤城山」の山頂標識があります。
この周遊コースは逆回りもできますが、この黒檜山の尾根が岩場の急坂で下りにくいです。ただ、雪がたっぷりある時は尻セードで一気に下ることもありますよ!
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山頂は開けていますが、眺望はそこまでありません。山頂から歩いて10分ほどの展望地まで行くと、そこは大パノラマ!
沼田の街の向こうに、谷川岳や奥日光連山が見えます。休憩するならこの展望地がおすすめ。
ひょいと顔を出す小沼。駒ヶ岳を経由して帰途へ
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黒檜山の山頂まで登ったら、ピストンで先ほどの急坂を下るよりも、駒ヶ岳まで縦走して下山したほうが、早くおのこ駐車場に戻れます。
黒檜山山頂から駒ヶ岳方面に少し進むと、黒檜大神の石碑と鳥居が。途中に小沼を見下ろしながら、緩やかに下った先にある鞍部の大ダルミは笹原になっていて、もう一つのおすすめ休憩スポット。
登り返すと、黒檜山山頂からは50分ほどで、駒ヶ岳の山頂に到着!下山は急ですが、階段が整備されているので歩きやすい道です。
百名山が11座もある群馬の山

群馬県には赤城山以外にもたくさんの山があります。日本百名山だけでも11座あるほか、2003年には「ぐんま百名山」も選定されています。
山に囲まれて暮らしたカナダのバンフから帰国後、やはり山豊かな地元に帰ることにした上久保さん。
帰国した時、大学時代に住んでいた東京に住むことも考えてみたんですが、山に囲まれた生活を手放せなくて「赤城山を離れられないな」と(笑)。
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桐生市の相生町出身の上久保さんにとって、登る山としてさらに身近なのは、標高481mの「吾妻山」。
保育園や小学校の遠足で登ったり、中学生のころ友達と遊びに行ったりと、子どものころから慣れ親しんできた遊び場です。今でもサクッと山に登りたい時は、吾妻山に向かいます。
吾妻山は標高は低いけど山頂からの眺望はよくて、天気がよければスカイツリーや富士山も見えるんですよ!