メンバーの正確な経験値は、質問で把握する
グループ登山のメンバーが決まったら、そのレベルに合わせて行き先やルートを選びます。それには、まずメンバー全員のレベル感を把握する必要があります。

自己申告の「経験値」は当てにならないことも…
難しいのは、メンバーの登山レベルをどう判断するか。例えば、同じ「登山歴5年」と言っても、年間何回山に行くか、どんな山に行っているのか、経験豊富な人に連れて行ってもらっているのか自分で判断しているのかなどによって、その経験値はまったく違ってきます。中には、経験値を誇張して話す人も……。
客観的に経験値を把握するためには「事実を聞く」ことが大切です。
逆にグループ登山ばかりの人は、人に任せきりで登山の知識がまったくない可能性もありますよね。

さて、次はいよいよ行き先を決めます!
コース選びがグループ登山成功の8割
グループ登山をする場合、「体力のない人に合わせる」のが大前提。計画を立てる前に、その前提を全員で共有し、合意をとっておきましょう。
体力のない人はつい気後れして「後から行くから、先に行ってて!」と言ってしまいがちですが、みんなで一緒に登るのがグループ登山なので申し訳なく思う必要はないのです。
逆にみんなとペースを合わせて登れない人は、一緒に安全に登山することは難しいかもしれません。
最終決定はリーダー?登山の最終目的「無事に下山」が大前提
メンバーで意見が割れてしまった場合は、リーダーが各自の要望をちゃんと聞き出して、最終的にまとめることになります。そのうえでもう一つ確認しておきたいグループ登山の大前提が、「全員が安全に下山することが最重要の目標」ということ。
言い方を変えれば、

これらのポイントを考慮しつつ決めた、4人がこの夏挑戦するルートは……。
仲間の意見を総合して、決まったのは飯豊山!
日本百名山の一つ、「飯豊山」に決定! 山形県・新潟県・福島県の境に位置する飯豊山は、東北地方に多い「山頂が遠い山」。登山口までのアクセスも比較的長く、またどの登山口から登るにも他の山頂を経由して縦走する必要があります。
1日目は大日杉小屋からスタートしてすぐに「ザンゲ坂」という長い鎖場があり、ひたすら急坂を登って標高差1,000m以上を稼ぎます。2日目はコースタイム8時間と行動時間こそ長いものの、アップダウンはそこまで多くなく、東北の山の雄大な景色と高山植物を堪能しながら、快適な稜線歩きを楽しめます。3日目、今度はひたすら急な下り。下り切った先には、「飯豊山荘」の温泉が待っています。





次回は「準備編&グループ登山の心得」として、実際に持っていく装備とその割り振り、食糧計画、リーダーの役割などについて、引き続き登山ガイドの渡辺さんと一緒に考えます!
荷物の分担はどうしたらいい?準備編
いよいよグループで縦走に挑戦!
今までの「テント泊縦走」や「雪山登山」のステップアップ企画はこちら!
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