夏山と違う秋山
9月下旬ごろから長袖が必要な涼しい日が増えてきますが、山では一気に秋、そして冬へと突入していきます。標高の高い山は、早くも紅葉が始まり、山が燃えるように美しくなる季節です。紅葉を見に山にでかける人も多いですが、秋山では注意すべきことがあります。
今回は、秋山での注意点をご説明します。
秋山で注意その①日の短さ
秋から冬に移行していくにつれ、次第に日照時間が短くなっていきます。夏山だと、日の出も早く、日の入りも遅いので、長く行動できますが、秋はそうはいきません。日の出は遅くなり、日の入りは早くなり日照時間は短くなります。特に、山では、太陽の光が木々や稜線に隠れてしまったりするので、さらに暗くなるのが早いです。谷筋に入ってしまうと特に暗く感じます。という訳で、普段の登山以上にヘッドランプも大切になってきます。

参考:国立天文台
秋山で注意その②天候の急変
9月になると夏に張り出していた太平洋高気圧は、次第に南下し、北にある高気圧が強くなっていきます。そうすると秋雨前線が発生し、雨が多くなります。台風の発生も多く、秋の好天が長続きしないと言われています。標高2,000m以上の山では、天候が崩れると9月下旬から10月初旬でも降雪となることがあり、一気に「冬山」となる場合もあります。しかし、晴れると夏のように暑いこともあり、晴天と悪天の差が大きいのも秋山の特徴です。

【北海道・大雪山系】9月中旬頃
【東北の山々】9月下旬頃
【八ヶ岳】10月中旬頃
【北アルプス】9月下旬頃
【南アルプス】10月初旬
【尾瀬】10月下旬頃
【奥多摩】12月中旬頃
【丹沢】12月中旬頃
秋は特に天候をチェックして入山したいもの。ヤマテンは、山岳気象予報の専門サイトで、月額¥324で全国18山域の山頂天気予報を毎日配信しているので、そちらで事前にチェックするのもおすすめです。
ヤマテンのHP
秋山で注意その③防寒具

フリースやウールのセーター、薄手のダウンといった防寒具のほか、手袋、帽子も必要になってきます。ツェルトや魔法瓶の温かい飲み物もあれば尚安心です。
秋山で注意その④クマが最も活発な時期
秋は、クマが冬眠に備えて食料を求め活発に動き回ります。キノコ採りで人があまり立ち入らないエリアや、登山での朝、夕の行動では、クマと遭遇する場合もあります。入山前には、クマの出没情報をチェックし熊鈴やラジオを持参するようにしましょう。秋山の特徴を知って快適な登山を!
秋は山が色とりどりになり、とても美しい季節です。その美しい紅葉を見られるのも短い期間なので、その瞬間を逃さないように登山を楽しみたいですね。秋山の特徴を知って安全に紅葉登山を楽しんでください。Know the mountain risk in fall !
秋山のリスクを知ろう!