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MT コットン Tシャツを山で着てみた

山で着られるコットン?!新進気鋭ブランド<subtle voice>のベースレイヤーが新しい!

眩しい太陽の光を浴びて、気持ちいい汗をかきながら楽しむ山歩き。でも「気持ちいい汗」は、放っておくと「危険な汗」に早変わりします。汗冷えを起こし、低体温症に繋がる危険があるからです。そこで重要なのが肌に一番近いベースレイヤーをどの素材で着るか、ということ

化学繊維、ウール、コットン、もしくはそれらを混合したもの。様々な素材があるなか、日常でよく着られているコットンは「山でご法度」とされていますが……なんと、山で着られるコットンがあるんです!

目次

アイキャッチ画像撮影:筆者友人

わくわくする登山シーズン!どの素材のベースレイヤーを着る?

ハイシーズンの北アルプス

撮影:筆者

季節ごとにさまざまな景色を楽しめる日本の山。登山シーズンは気持ちよく登れるけれど、必ずと言っていいほど汗をかきます。汗は運動によって上がった体温を一定に保つ、“打ち水”のような役割をしてくれますが、乾きが遅いと体温を奪われすぎてしまい、低体温症になってしまう危険も。

そこで重要なのが肌に一番近い「ベースレイヤー」選び。あなたはどんな素材のものを選びますか?

ベースレイヤー 様々な素材

撮影:筆者

ベースレイヤーの素材は速乾性がある化繊(ポリエステル)や、調湿性のあるメリノウールが主流。私は汗っかきなので、速乾性のあるポリエステルを長く愛用していましたが、肌が荒れることと、汗の臭いが気になっていました。

素材をウールに変えても、チクチク感が気になり、夏だと暑すぎると感じる場面も。肌触りの良いコットンが良いと思うも、汗の乾きが遅い……やはりコットンは山では「ご法度」……?

すっかり「ベースレイヤー難民」となってしまいました。

山でコットンを着る?!新しい素材「ネオクールコットン」製のTシャツが登場

subtle voice(サトルボイス)MT Cotton T-shirt

撮影:筆者

そこに朗報が。なんと、山で着られるコットンが登場したのです!

それが、2021年に誕生したアウトドアブランド・subtle voice(サトルボイス)の「MT Cotton T-shirt」。

山ではNGのコットンですが、これは違います。「NEO COOL COTTON(ネオクールコットン)」で作られた、まったく新しいTシャツです。

コットンの常識を覆す、新素材「NEO COOL COTTON」

登山を含むスポーツウェアには不向きなコットンですが、肌着などの日常着として着られていますよね。それは抜群の着心地の良さと、天然素材の安心感があるから。

NEO COOL COTTONは、天然素材がもつ吸水性、消臭性、耐久性、快適さに加え、一般的なコットンにはない高い速乾性を備えた生地なのです。

subtle voice(サトルボイス)MT Cotton T-shirt

撮影:筆者

  • 異質が少ない原綿を精選し、特別な技術の精製をすることで繊維の吸湿性を向上
  • 特殊な工程で紡績をして、糸に優れた接触冷感機能を持たせている
  • 綿100%でありながら、化学繊維に劣らない速乾性を備えている

引用:subtle voice MT Cotton T-shirt カタログ

と、着てみたくなる要素が詰め込まれています。

一目瞭然!「NEO COOL COTTON」と他素材の比較がこちら

ポリエステル、ウール、従来のコットン、NEO COOL COTTONの比較です。

提供:subtle voice(大きく見る場合は画像をクリックしてください。)

ポリエステルなどの化学繊維

メリット
・速乾性、耐久性に優れる
・比較的安価で購入できる
デメリット
・水分(汗)吸い取る吸水性は劣るため、乾くまでの間はびっしょり感を感じやすい
・繊維表面に皮脂などのタンパク質が付着しやすく、臭いが残りやすい
(※天然素材のものには及ばないものの、汗を逃がす構造にしたり、薬剤を使って吸水性を高めたり、消臭機能を付加している製品も増えている)

ウール

メリット
・動物由来の天然素材で保温性が高い(冬のベースレイヤーのメイン素材)
・吸湿、吸水性、疎水性に優れる(夏も着やすい)
・天然の防臭性やUV機能を備えている
デメリット
・他の素材より強度が劣り、破れやすい
・虫食いもされやすいので保管に注意が必要
・肌へのチクチク感が気になる人もいる

従来のコットン

メリット
・吸湿、吸水性、消臭性が高い
・肌触りが良い
デメリット
・速乾性はなく、濡れるとなかなか乾かない
(※日常では見落としがちだが、これが汗を大量にかく「山でご法度」といわれる所以)

NEO COOL COTTON

メリット
・植物由来の天然素材でありながら、特殊な技術によって従来のコットンよりも吸水性が高く、速乾性を兼ね備える
・コットンのもつ着心地の良さと消臭性はそのまま
デメリット
・耐久性は化学繊維には及ばないが、ウールよりは高い

このように比較してみると、NEO COOL COTTONがバランスのとれた素材であることが分かります。

実際はどう?山で着てみました!

MT コットン Tシャツを山で着てみた

撮影:筆者友人(着用:Plum Grey Sサイズ)

NEO COOL COTTONが良い素材なのは分かったけれど、まだ半信半疑。ということで、実際に着て登ってみました!

山は高尾山。低山ですが標高差400mで急登の箇所もあり、この日は26℃と初夏の陽気だったことから「夏の縦走の登り」と想定できます。

MT コットン Tシャツの汗の乾き

撮影:筆者友人

思ったより汗をたくさんかきました!Tシャツもしみしみに。濡れてはいますが速乾性があるためか、びっしょり感はあまりありません。通常、これほど濡れた状態で止まるとすぐ汗冷えが始まることが多いのですが、これはさほど冷えを感じませんでした。

MT コットン Tシャツの強度

撮影:筆者友人

続いて気になる臭いをチェック。近づいて確かめると……汗の嫌な臭いがこもった感じがない!これにはびっくりしました。ひたすら歩き続ける縦走でも使い勝手がよさそうです。

ザックのショルダーベルトの負荷がかかる肩部分のスレもなく、さらっとした肌触りでコットンのもつ耐久性や着心地の良さはばっちりでした。

速乾性はあるけれど……

なんだか良いところだらけの「MT Cotton T-shirt」。

しかし、気になる点もありました。大量の汗を生地がぐんぐん吸い取ってくれますが、乾く力が間に合わず、人によっては汗冷えしてしまう可能性があります。

MT コットン Tシャツ 運動強度が低い運動に

出典:PIXTA

なので、トレイルランニングを代表とする、運動強度の高いアクティビティには不向きです。登山をはじめ、ウォーキングや軽いサイクリング、筋力トレーニング等、息があまり上がらない運動に適しています。

街でも着られるベーシックなデザイン!さりげない工夫がそこかしこに

MT コットン Tシャツを街で着る

撮影:筆者友人(着用:Plum Grey Sサイズ)

「MT Cotton T-shirt」はベーシックなボックスシルエットのゆったりとしたデザイン。下山後の温泉や街歩きにもぴったりです!肌触りの良いコットンだから普段着としても良いですよ。

男女兼用のXS~Lの豊富なサイズ展開。ジャストサイズはもちろん、1サイズ上げて大きめを着るのもありです。私はジャストサイズはXSですが、ゆったり着たいためSを選びました。

MT コットン Tシャツ 海外ブランド デザイン比較

撮影:筆者

ベースレイヤー(特に海外ブランドの女性用)はウエストを絞り体に添った、いかにもスポーツウェア!というものが多いですが、これは普段着ているTシャツとほぼ同じ。スポーティなデザインが苦手な方におすすめです。

山や街に溶け込むオリジナルカラー

subtle voice(サトルボイス)MT Cotton T-shirt カラーバリエ

撮影:筆者

染色、ブリーチをしていないオフホワイトカラー「Natural White(ナチュラルホワイト)」をはじめ、やさしい色合いのオリジナルカラーが魅力。山でも街でもスッと風景に溶け込みます。

サングラス(メガネ)が落ちない胸ポケット

山で出番の多いサングラス。胸ポケットに入れていたら落としてしまった!という経験、ありませんか?

そのストレスを解消すべく、「MT Cotton T-shirt」の胸ポケットの内側には、サングラスのテンプル(レンズからこめかみを経由して耳にかける部分)を通すことができるループがあります。

MT コットン Tシャツ サングラスが落ちない胸ポケット

撮影:筆者友人

これによって落下を防止。普段使いならペンを通したり、キーループを付けて鍵を収納したりできますよ。

また、大きめのポケットがサングラスを覆うので、傷がつくのを防ぎます。最近は山でも必須のマスクを収納するのにも便利!

快適に登るための細やかなデザイン

MT コットン Tシャツ サイドスリット

撮影:筆者友人

サイドスリット

ザックによってずり上がってきてしまう背面側を長くした、サイドスリット入りデザイン。全体の着丈は長めで、パンツインしやすくなっています。

ドライな生地

ハリがあり、ドライタッチに仕上げられた生地。おかげで肌離れがよく、汗のベタつきも軽減。汗冷えを気にすることなく行動できます。

ワイドシルエット

風通しを良くし、速乾性を高めるためのワイドシルエットなデザイン。大きい生地面積で汗をよく吸わせ、拡散することで乾きが早くなるのです。また、前述したようにウエストシェイプされていない、普段着感覚で着られるデザインが嬉しいところ!

MT コットン Tシャツ 切り取りやすいタグ

撮影:筆者

切り取りやすいタグ

内部のタグはハサミを使わず手で切り取ることが可能です。肌にあたって気になったら、すぐ取れるのが嬉しいポイント。タグには洗濯表示とお手入れの記載があるため、大切に保管してくださいね。

リアルな登山経験から生まれたアイデアを丁寧に落とし込んだデザイン。こういった細かな工夫によって、登山のプチストレスが解消され、歩く楽しさが倍増します!

「ネオクールコットン」も、新しい選択肢のひとつとして有り!

肌に一番近いベースレイヤー。汗を吸収する吸水性や素早く乾く速乾性、肌触り、デザイン……。どれを重視して、どの素材を着るかは人それぞれです。

今まで山でご法度とされていたコットン。「MT Cotton T-shirt」が登場したことにより、ベースレイヤーの新しい選択肢の一つになりました。

MT コットン Tシャツ 新しい選択肢

撮影:筆者友人

肌触りが良く、速乾性もある「MT Cotton T-shirt」は探し求めていた理想のベースレイヤーでした。

私は夏のアルプスといった高山や、街歩きも楽しみたい低山に「MT Cotton T-shirt」を着たいと思います。爽やかな風が吹く稜線歩きにぴったりで、街歩きに遜色ないデザインの「MT Cotton T-shirt」、出番が多くなること間違いなしです!

新しい登山ウェアを生み出す「subtle voice(サトルボイス)」

新ブランド subtle voice(サトルボイス)

提供:subtle voice

subtle voice(サトルボイス)は2021年に誕生したアウトドアプロダクトのブランド。

登山歴10年以上のディレクターの経験を基に、一般的な製品では得ることができない快適性や機能性を追求した、独自のプロダクトを開発しています。

日本の豊かな自然にインスパイアされ、かつ日本の優れた技術や素材を惜しみなく採用。アウトドアプロダクトに新しい価値を生み出します。

subtle voice(サトルボイス) ウール製品

撮影:筆者友人

「MT Cotton T-shirt」のほか、秋冬の寒い時期に着る、ウールの最高級素材を使った「Wool Tee Long Sleeve」や「SV Wool Add Jacket」、ビーニー、ネックウォーマーなどを展開。新商品の開発も進んでいて、今後の動向にも注目が集まります!

詳しくは、subtle voiceの公式サイトやインスタグラムをチェック!