登山のハイシーズンはもうすぐ!どの素材のベースレイヤーを着る?
どんどん気温が高くなり、登山にはうってつけの季節!気持ちよく登れるけれど、必ずと言っていいほど汗をかきます。汗は運動によって上がった体温を一定に保つ、“打ち水”のような役割をしてくれますが、乾きが遅いと体温を奪われすぎてしまい、低体温症になってしまう危険も。
そこで重要なのが肌に一番近い「ベースレイヤー」選び。あなたはどんな素材のものを選びますか?
ベースレイヤーの素材は速乾性がある化繊(ポリエステル)や、調湿性のあるメリノウールが主流。私は汗っかきなので、速乾性のあるポリエステルを長く愛用していましたが、肌が荒れることと、汗の臭いが気になっていました。
素材をウールに変えても、チクチク感が気になり、夏だと暑すぎると感じる場面も。肌触りの良いコットンが良いと思うも、汗の乾きが遅い……やはりコットンは山では「ご法度」……?
すっかり「ベースレイヤー難民」となってしまいました。
山でコットンを着る?!新しい素材「ネオクールコットン」製のTシャツが登場
そこに朗報が。なんと、山で着られるコットンが登場したのです!
それが、2021年に誕生したアウトドアブランド・subtle voice(サトルボイス)の「MT Cotton T-shirt」。
山ではNGのコットンですが、これは違います。「NEO COOL COTTON(ネオクールコットン)」で作られた、まったく新しいTシャツです。
コットンの常識を覆す、新素材「NEO COOL COTTON」
登山を含むスポーツウェアには不向きなコットンですが、肌着などの日常着として着られていますよね。それは抜群の着心地の良さと、天然素材の安心感があるから。
NEO COOL COTTONは、天然素材がもつ吸水性、消臭性、耐久性、快適さに加え、一般的なコットンにはない高い速乾性を備えた生地なのです。
・異質が少ない原綿を精選し、特別な技術の精製をすることで繊維の吸湿性を向上
・特殊な工程で紡績をして、糸に優れた接触冷感機能を持たせている
・綿100%でありながら、化学繊維に劣らない速乾性を備えている
引用:subtle voice MT Cotton T-shirt カタログ
と、着てみたくなる要素が詰め込まれています。
一目瞭然!「NEO COOL COTTON」と他素材の比較がこちら
ポリエステル、ウール、従来のコットン、NEO COOL COTTONの比較です。
ポリエステルなどの化学繊維 | |
メリット | ・速乾性、耐久性に優れる ・比較的安価で購入できる |
デメリット | ・水分(汗)吸い取る吸水性は劣るため、乾くまでの間はびっしょり感を感じやすい ・繊維表面に皮脂などのタンパク質が付着しやすく、臭いが残りやすい (※天然素材のものには及ばないものの、汗を逃がす構造にしたり、薬剤を使って吸水性を高めたり、消臭機能を付加している製品も増えている) |
ウール | |
メリット | ・動物由来の天然素材で保温性が高い(冬のベースレイヤーのメイン素材) ・吸湿、吸水性、疎水性に優れる(夏も着やすい) ・天然の防臭性やUV機能を備えている |
デメリット | ・他の素材より強度が劣り、破れやすい ・虫食いもされやすいので保管に注意が必要 ・肌へのチクチク感が気になる人もいる |
従来のコットン | |
メリット | ・吸湿、吸水性、消臭性が高い ・肌触りが良い |
デメリット | ・速乾性はなく、濡れるとなかなか乾かない (※日常では見落としがちだが、これが汗を大量にかく「山でご法度」といわれる所以) |
NEO COOL COTTON | |
メリット | ・植物由来の天然素材でありながら、特殊な技術によって従来のコットンよりも吸水性が高く、速乾性を兼ね備える ・コットンのもつ着心地の良さと消臭性はそのまま |
デメリット | ・耐久性は化学繊維には及ばないが、ウールよりは高い |
実際はどう?山で着てみました!
NEO COOL COTTONが良い素材なのは分かったけれど、まだ半信半疑。ということで、実際に着て登ってみました!
山は高尾山。低山ですが標高差400mで急登の箇所もあり、この日は26℃と初夏の陽気だったことから「夏の縦走の登り」と想定できます。