使用シーンごとに適した素材が揃う「デュアルフォース」
冒険家や登山家から寄せられたフィードバックの中でも、ポールワーズが製品開発時に重視したのは「厳しいコンディションの中でもストレスを抱えずに作業ができること」でした。同じ発想を日本の登山用ウエア開発に当てはめたときに、必要となったのがオリジナルの素材です。
ポールワーズのシェルウエアには日本の山岳環境に合わせて、透湿性をより強化させた超透湿・防水素材「デュアルフォース」シリーズが使われています。
これは独自開発したオリジナルの素材。現在、季節や使用シーンに応じて選べる4種類がラインナップしています。それぞれの生地の機能的特徴を見ていきましょう。
①伸縮性に優れる「ストレッチ」
まず1つ目は、「デュアルフォース ストレッチ」の機能を紹介します。この生地は優れた防水透湿性能に加え、行動時もストレスを感じさせない究極のストレッチ性を備えていることが特徴です。
代表的な使用モデル「デュアルフォース ストレッチ レインジャケット」については、のちほど詳しく説明します。
②耐久性を重視した「アドバンス」
続いて2つめは、透湿性、耐久性、防水性の3つの要素を高次元で共存させた最高峰のマテリアルが「デュアルフォースアドバンス」です。
安心感のあるレインウエアが求められる夏の高所登山や、残雪期の登山にまで幅広く対応するハイエンドモデル『デュアルフォース エイペックス ジャケット』などに使われています。
③軽量性に優れる「キネティック」
3つめは、軽さと高水準の透湿性を重視した素材「デュアルフォースキネティック」。運動量と発汗量の多いアクティビティ向けに開発されたモデルですが、日帰り登山の万が一の備えや、ミニマムで軽量な装備でまとめたい時の選択肢にもなります。
トレランやファストハイキング仕様に開発された「アルパイン エクストラ ライト DF キネティックジャケット」などが代表的な使用モデルです。
④着用環境で透湿性が変化する「インテリジェント」
最後に4つめの「デュアルフォースインテリジェント」は、外気温によってメンブレンの分子間の隙間が変化する特殊な形状記憶機能を持つ特殊な素材です。
周囲の環境の変化に応じて透湿量が変化し、高温化ではウエア内の湿度を逃し、低温化では温めた空気を逃さずに閉じ込めてくれます。常に快適な衣服内環境をキープしてくれる、その名の通り「賢い」素材なのです。
現在、使われているアイテムはありませんが、今後どんなウエアに採用されるのか期待される素材ですね。
「動きがラク」というレインジャケットの選択肢
4つの中でも、梅雨時は「ストレッチ」が、もっとも活躍してくれそう。この生地を採用した代表モデル「デュアルフォース ストレッチ レインジャケット」を例に、その特徴をもう少し詳しく紹介しましょう。
レインウエア選びは、つい防水性能の数値の高さを重視してしまいがちです。しかし、その性能がフルに必要な過酷な使用環境は、一般登山者ならほとんどありません。十分な防水性があれば、「着心地」や「動きやすさ」のプライオリティを優先させてレインウエアを選ぶのもありではないでしょうか。