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テント泊経験者にマット選びの失敗談を聞いてみた。重さや収納性より大切なことは?(2ページ目)

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マットの寝心地が大切なのは「明日も歩く」から

どうして先輩登山者は、マットを選ぶうえでいちばんに寝心地を気にするのでしょう?

それは、疲れた体を休めて翌日も行動するためで、そのためには質の良い睡眠が必要だからです。ぐっすり眠るには、やはり寝心地のいいマットが欠かせません。

では「寝心地のいいマット」にはどんな要素が求められるのか、ひとつづつ考えてみましょう。

寝心地がいいのは、地面の凸凹を感じず冷気を防いでくれるマット

「冷えや小石などの凹凸が気になって快眠が得られなかった」といった先輩登山者の失敗談から推測するに、寝心地のいいマット=地面の凹凸を感じずにくいマットといえそうです。

試しに3タイプの中でもっとも厚みのあるエアマットを河原に敷いて横になってみると、地面の凹凸をほぼ感じることはありませんでした。このことから、寝心地の良さにはマットの厚みが重要であることが分かります。
(※パンクを防ぐため、実際はエアマットを直接地面の上に敷いて使用しないでください)

さらに、「10月の北アルプスでは寒かった」といった声から、断熱性も必要なことがわかります。
一般的にクローズドセルフォームマットよりもセルフインフレータブルマットのほうが断熱性は高くなる傾向にありますが、収納サイズが大きくなり、重くなってしまうのが玉にキズ。
重さや収納性も妥協しないとなると、理想的な寝心地のいいマット=断熱性の高いエアマットといえるかもしれません。

厚みを出せてコンパクトなエアマット。でも、不快感が気になる人も

しかし、一見万能そうに見えるエアマットにも、気になる失敗談がありました。それは「寝返りをすると音が気になる」「横になるとフワフワ感じた」というもの。

エアマットに横になると、確かに寝返りを打ったときに音が気になる場合があり、エアチューブの張りによる独特の浮遊感もあるので、慣れないとマットが硬いと感じることもありそうです。

エアマットなのにあの不快感を軽減。NEMO「TENSOR(テンサー)」

そんなエアマットに対する不満を解消すべく開発されたのが、アメリカのアウトドアギアブランド「NEMO(ニーモ)」が手掛ける「TENSOR(テンサー)」シリーズです。

エアチューブによる厚みと優れた断熱性を持ち、寝心地の悪さにつながる「不快な音」と「独特の浮遊感」が大幅に軽減されています。

独自の内部構造が体を支え、寝返りの不快感を軽減

他ブランドのエアマットと違い、TENSORシリーズは架橋のつくりに用いられるトラス構造のような独自構造になっているため、しっかりと体が支えられ、浮遊感やひじや腰の底突きを防いでくれます。

さらに、表面にはしなやかで滑りにくい素材が使われているため、寝返りを打ったときに不快な音が発生しずらく、エアマットの上から滑り落ちそうになるストレスも感じませんでした。

効率が良いボルテックスポンプサックが標準装備

空気を注入するためのポンプサックが標準で付属するため、「エアマットは膨らますのが大変」といったストレスも大幅に改善。

このポンプサックにも特筆すべき特長があり、空気を吹き込む入口をあえて狭くすることで、少ない息でも簡単に空気を溜めることができないように工夫されています。呼気が入りすぎると湿気で内側が劣化しやすいので、それを防げるのも利点です。

使い方も難しくなく、マットのエアバルブにポンプサックの先端に付いているパーツをはめ込み、溜めた空気を圧縮して注入するだけ。マットの大きさにもよりますが、2~3回程度で膨らますことができます。空気を入れた後は指でバルブを押すだけで硬さの微調整ができます。

シーン別に寝心地を追求。R値を使って「マットを使い分ける」ワザ

寝心地に優れるTENSORシリーズは、断熱性が異なる3つのモデル「TENSOR」「TENSOR INSULATED(テンサーインシュレーテッド)」「TENSOR ALPINE(テンサーアルパイン)」から選ぶことが可能です。ちなみに、マットの断熱性はR値という数値で確かめられることをご存知でしょうか?

R値とは熱対抗の略語で、数値が高いほど断熱性が高くなります。

同じ「厚み」でもR値は違う

R値は厚みではなく使われている素材によって左右されます。そのため、たとえば「TENSOR」のR値が2.5なのに対して、同じ厚さ8cmの「TENSOR INSULATED」は4.2、「TENSOR ALPINE」のR値は4.8です。

この違いは「TENSOR INSULATED」 の内部には熱の対流を抑えるフィルムが追加されているためで、「TENSOR ALPINE」は断熱フィルムをさらに多く使うことでR値を高めています。

2022年モデルからは内部構造のアップデートでR値が向上

写真は「TENSOR INSULATED」の内部構造。吊り下げられた2枚のアルミナイズドフィルムと熱の対流によるヒートロスを防ぐシートを組み合わせることで熱をパッド上部に保持してR値を大幅に向上させています。
TENSORを詳しく見るTENSOR INSULATEDを詳しく見るTENSOR ALPINEを詳しく見る

バリエーションがあるNEMOのマットでR値を比較

NEMOは「TENSOR」シリーズのほかに、セルフインフレータブルマットの「ZOR(ゾア)」と「ORA(オーラ)」、クローズドセルフォームマットの「SWITCHBACK(スイッチバック)」をラインナップしています。それぞれのR値を比較してみましょう。

モデ
ル名
TENSORTENSOR INSULATEDTENSOR ALPINEZORORASWITCHBACK
商品
画像
R値2.54.24.82.72.72
厚さ8cm8cm8cm2.5cm2.5cm2.3cm
重さ365g410g475g450g530g415g
収納時
サイズ
20×7.5cm20×7.5cm20×8cm20×11cm20×13cm51×13×14cm
タイプエアエアエア
セルフ
インフレータブル
セルフ
インフレータブル
クローズド
セル
※数値はいずれもレギュラーサイズのものです。表は右にスクロールできます。

R値がわかっていると使い分けがスムーズ


R値がわかると、使用する季節にぴったりなモデルを選ぶことができるようになります。たとえば、気温が高いサマーシーズンには「TENSOR」、紅葉が見頃を迎える秋までの使用を見据えるなら「TENSOR INSULATED」、雪山登山も想定すると「TENSOR ALPINE」といった具合です。さらに、実はこのR値は加算式なので、異なるエアマットを複数枚持っていれば、地面に重ねて敷くことで断熱性を高めることも可能。写真のように「SWITCHBACK」(R値:2.0)と「TENSOR」(R値:2.5)を組み合わせると、R値:4.5のマットと同等の断熱性を得ることができます。

たとえば、寒さ対策に新しいマットが欲しいと思ったとき、R値の高いマットを買うだけでなく、あえて異なるタイプのマットを購入して重ねて使うといった方法もアリ。広い視野で考えて快適な寝心地を手に入れましょう!

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