テント泊経験者にマット選びの失敗談を聞いてみた。重さや収納性より大切なことは?

スリーピングマットを選ぶとき、皆さんはどのスペックを重視しますか? つい「値段」「収納性」「重量」を気にしがちですが、実はそれよりも大切にしたほうがいい要素があるんです。テント泊の先輩登山者の失敗談やアンケートから見えてきた、間違いのないマットの選び方とは? おすすめアイテムと共に紹介します!

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YAMAHACK 編集部

YAMA HACK運営&記事編集担当。登山をきっかけに自然の力に魅了される。山で飲むコーヒーが大好き。何かあれば必ず山に行き、心身共に整える。山について新しい視点を与えられるような記事作りを心がけて日々執筆活動を行う。

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テント泊経験者に聞いたマット選びの失敗談


テント泊に欠かせないスリーピングマット(以下マット)は日中に使わない道具なので、「重さ」や「収納性」など、持ち運びに関わるスペックに注目して選びがちではないでしょうか。でも、実際にそれで満足のいくマットを手に入れることはできるの? ほかに気にしたほうがいいポイントはなかったか、テント泊の先輩登山者に聞いてみました。

意外な落とし穴があった先輩たちの失敗談


テント泊経験者の失敗談はこんな意見がありました。
先輩登山者
先輩登山者
とにかく小さくなって軽いのでエアマットを買いましたが、10月の北アルプスでは寒かったです。熱が地面から奪われると知らず、断熱性が重要だとは思っていなかった。(登山歴4年以上・女性)
エアマットは寝返りをすると音が気になる。(登山歴4年以上・女性)
先輩登山者
先輩登山者
先輩登山者
先輩登山者
購入したエアマットは横になるとフワフワ感じた。(登山歴4年以上・女性)


重さ、収納性を重視しすぎて寝心地が悪かった。(登山歴4年以上・男性)
先輩登山者
先輩登山者
先輩登山者
先輩登山者
軽さ重視で薄いクローズドセルマットを持っていったが、冷えや小石などの凹凸が気になって快眠が得られなかった。(登山歴4年以上・女性)

重さ?収納性?マット選びの基準は、何ですか?

先輩登山者の失敗談を聞く際に、YAMA HACKではマットに関するアンケートを実施(有効回答数225)。回答してくれた先輩登山者のうち、76.9%が登山歴4年以上、80.9%が年2回以上テント泊登山をするという内容から、マットを選ぶうえで基準となる要素が見えてきました。

マット選びで一番重要なポイントは?


「重さ」(27.1%)、「収納性」(19.6%)に次いで、4番目に多かったポイントは「断熱性」(13.3%)。そして、もっとも多くの先輩登山者が重要と答えたのは「寝心地」(31.6%)という結果に。

マットのタイプは3つ。クローズドセルから他のタイプに変えている人も


さらに、現在使っているマットの種類についても聞いてみました。ちなみに、マットは以下の3タイプに分かれます。
・エアマット
エアチューブに空気を入れて膨らませるタイプ
・セルフインフレータブルマット
内側にウレタンフォームが入り、ある程度まで自動で膨張するエアマット
・クローズドセルフォームマット
EVAなどの合成樹脂の発泡素材で作られるタイプ

 

一番最初に選んだマットのタイプ


 

現在使用しているマットのタイプ


すると、最初はクローズドセルフォームマットを買う人が圧倒的に多いですが(52%)、経験を重ねるうちにエアマットに買い換える人が一定数いることが分かりました。


マットの寝心地が大切なのは「明日も歩く」から


どうして先輩登山者は、マットを選ぶうえでいちばんに寝心地を気にするのでしょう?

それは、疲れた体を休めて翌日も行動するためで、そのためには質の良い睡眠が必要だからです。ぐっすり眠るには、やはり寝心地のいいマットが欠かせません。

では「寝心地のいいマット」にはどんな要素が求められるのか、ひとつづつ考えてみましょう。

寝心地がいいのは、地面の凸凹を感じず冷気を防いでくれるマット


「冷えや小石などの凹凸が気になって快眠が得られなかった」といった先輩登山者の失敗談から推測するに、寝心地のいいマット=地面の凹凸を感じずにくいマットといえそうです。

試しに3タイプの中でもっとも厚みのあるエアマットを河原に敷いて横になってみると、地面の凹凸をほぼ感じることはありませんでした。このことから、寝心地の良さにはマットの厚みが重要であることが分かります。
(※パンクを防ぐため、実際はエアマットを直接地面の上に敷いて使用しないでください)
さらに、「10月の北アルプスでは寒かった」といった声から、断熱性も必要なことがわかります。
一般的にクローズドセルフォームマットよりもセルフインフレータブルマットのほうが断熱性は高くなる傾向にありますが、収納サイズが大きくなり、重くなってしまうのが玉にキズ。
重さや収納性も妥協しないとなると、理想的な寝心地のいいマット=断熱性の高いエアマットといえるかもしれません。

厚みを出せてコンパクトなエアマット。でも、不快感が気になる人も


しかし、一見万能そうに見えるエアマットにも、気になる失敗談がありました。それは「寝返りをすると音が気になる」「横になるとフワフワ感じた」というもの。


エアマットに横になると、確かに寝返りを打ったときに音が気になる場合があり、エアチューブの張りによる独特の浮遊感もあるので、慣れないとマットが硬いと感じることもありそうです。

エアマットなのにあの不快感を軽減。NEMO「TENSOR(テンサー)」


そんなエアマットに対する不満を解消すべく開発されたのが、アメリカのアウトドアギアブランド「NEMO(ニーモ)」が手掛ける「TENSOR(テンサー)」シリーズです。

エアチューブによる厚みと優れた断熱性を持ち、寝心地の悪さにつながる「不快な音」と「独特の浮遊感」が大幅に軽減されています。

独自の内部構造が体を支え、寝返りの不快感を軽減


他ブランドのエアマットと違い、TENSORシリーズは架橋のつくりに用いられるトラス構造のような独自構造になっているため、しっかりと体が支えられ、浮遊感やひじや腰の底突きを防いでくれます。


さらに、表面にはしなやかで滑りにくい素材が使われているため、寝返りを打ったときに不快な音が発生しずらく、エアマットの上から滑り落ちそうになるストレスも感じませんでした。

効率が良いボルテックスポンプサックが標準装備


空気を注入するためのポンプサックが標準で付属するため、「エアマットは膨らますのが大変」といったストレスも大幅に改善。

このポンプサックにも特筆すべき特長があり、空気を吹き込む入口をあえて狭くすることで、少ない息でも簡単に空気を溜めることができないように工夫されています。呼気が入りすぎると湿気で内側が劣化しやすいので、それを防げるのも利点です。


使い方も難しくなく、マットのエアバルブにポンプサックの先端に付いているパーツをはめ込み、溜めた空気を圧縮して注入するだけ。マットの大きさにもよりますが、2~3回程度で膨らますことができます。空気を入れた後は指でバルブを押すだけで硬さの微調整ができます。

シーン別に寝心地を追求。R値を使って「マットを使い分ける」ワザ

寝心地に優れるTENSORシリーズは、断熱性が異なる3つのモデル「TENSOR」「TENSOR INSULATED(テンサーインシュレーテッド)」「TENSOR ALPINE(テンサーアルパイン)」から選ぶことが可能です。ちなみに、マットの断熱性はR値という数値で確かめられることをご存知でしょうか?

R値とは熱対抗の略語で、数値が高いほど断熱性が高くなります。

同じ「厚み」でもR値は違う


R値は厚みではなく使われている素材によって左右されます。そのため、たとえば「TENSOR」のR値が2.5なのに対して、同じ厚さ8cmの「TENSOR INSULATED」は4.2、「TENSOR ALPINE」のR値は4.8です。


この違いは「TENSOR INSULATED」 の内部には熱の対流を抑えるフィルムが追加されているためで、「TENSOR ALPINE」は断熱フィルムをさらに多く使うことでR値を高めています。

2022年モデルからは内部構造のアップデートでR値が向上


写真は「TENSOR INSULATED」の内部構造。吊り下げられた2枚のアルミナイズドフィルムと熱の対流によるヒートロスを防ぐシートを組み合わせることで熱をパッド上部に保持してR値を大幅に向上させています。
TENSORを詳しく見るTENSOR INSULATEDを詳しく見るTENSOR ALPINEを詳しく見る

バリエーションがあるNEMOのマットでR値を比較

NEMOは「TENSOR」シリーズのほかに、セルフインフレータブルマットの「ZOR(ゾア)」と「ORA(オーラ)」、クローズドセルフォームマットの「SWITCHBACK(スイッチバック)」をラインナップしています。それぞれのR値を比較してみましょう。
モデ ル名TENSORTENSOR INSULATEDTENSOR ALPINEZORORASWITCHBACK
商品 画像
R値2.54.24.82.72.72
厚さ8cm8cm8cm2.5cm2.5cm2.3cm
重さ365g410g475g450g530g415g
収納時 サイズ20×7.5cm20×7.5cm20×8cm20×11cm20×13cm51×13×14cm
タイプエアエアエア
セルフ
インフレータブル
セルフ
インフレータブル
クローズド
セル
※数値はいずれもレギュラーサイズのものです。表は右にスクロールできます。

R値がわかっていると使い分けがスムーズ

R値がわかると、使用する季節にぴったりなモデルを選ぶことができるようになります。たとえば、気温が高いサマーシーズンには「TENSOR」、紅葉が見頃を迎える秋までの使用を見据えるなら「TENSOR INSULATED」、雪山登山も想定すると「TENSOR ALPINE」といった具合です。さらに、実はこのR値は加算式なので、異なるエアマットを複数枚持っていれば、地面に重ねて敷くことで断熱性を高めることも可能。写真のように「SWITCHBACK」(R値:2.0)と「TENSOR」(R値:2.5)を組み合わせると、R値:4.5のマットと同等の断熱性を得ることができます。
たとえば、寒さ対策に新しいマットが欲しいと思ったとき、R値の高いマットを買うだけでなく、あえて異なるタイプのマットを購入して重ねて使うといった方法もアリ。広い視野で考えて快適な寝心地を手に入れましょう!


重量が軽く収納性が高いエアマットタイプ


寝心地のいいマットとしておすすめできるエアマットは、収納サイズがコンパクトで軽いものも選べる点が魅力です。NEMOではTENSORシリーズがそれに該当し、紹介してきたように、R値の異なる「TENSOR」、「TENSOR INSULATED」、「TENSOR ALPINE」の3モデルから選ぶことができます。 2022年にアップデートした「TENSOR」と「TENSOR INSULATED」はブルーサイン認証済みのリサイクル素材を100%使用している点も特長です。環境に配慮した作りも選ぶ上で大きなポイントになります。寝心地のいいマットが欲しいと思ったら、まずはTENSORシリーズから検討してみることをおすすめします。
TENSORを詳しく見るTENSOR INSULATEDを詳しく見るTENSOR ALPINEを詳しく見る

重さと保温性のバランスが良いセルフインフレータブルパッドタイプ


NEMOがラインナップするセルフインフレータブルマットは、軽量性を重視したZORシリーズと耐久性を高めたORAシリーズの2タイプ。ZORが20Dポリエステルリップストップで作られているのに対して、ORAは表面に30D、裏面には75Dのポリエステルリップストップを採用して、より強度を高めています。


セルフインフレータブルマットの特長は、エアマットと比べると空気を膨らます手間が少なくて済む、万が一パンクしても内側のウレタンフォームのおかげで多少の断熱性は保たれる点にあります。エアマットより値段が手頃な点も魅力のひとつといえるでしょう。クローズドセルフォームマットより寝心地がいいマットが欲しいけれどエアマットの破損が心配……といった場合は、ZORやORAがおすすめです。ZORを詳しく見るORAを詳しく見る

破損のリスクがないクローズドセルフォームパッド

もっとも手頃な値段で購入することができ、パンクといった破損と無縁なマットがクローズドセルフォームマットです。NEMOのクローズドフォームセルマットであるSWITCHBACKは、体に触れる突起を六角形に形成し、さらに硬さの異なるフォーム素材を組み合わせることで、同カテゴリーのマットと比べてコンパクトな収納サイズと快適な寝心地を実現。裏側に断熱フィルムをラミネートしているため、断熱性にも優れています。
SWITCHBACKを詳しく見る
テント泊登山で大切な寝心地を重視するなら寝心地重視でマットを選ぶと、断熱性や素材感、寝返りのしやすさなども基準に入ってきます。登山シーンに合わせて複数持ったり、R値を参考に重ねたりして快適な山のテント泊を楽しみましょう。
NEMOのスリーピングマットを詳しく見る

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