壮大で幻想的!山が雲の海に浮かぶ「雲海」



そこで今回は、空の上からではなく”山から見ることができる雲海”に焦点を当てて、雲海のアレコレを気象予報士の山本さんに教えていいただきました。
雲海は「どこで」「どんな時」に発生?

10種類ほどある雲の中から”雲海として眺めることができる雲”は、私たちの目線より低いところに発生する「層雲」「層積雲」「積雲」。
ただ、積雲は上方向に成長すると自分が雲の中に入ってしまいますので、雲海として見下ろせるのは「層雲」「層積雲」が多いことになります。
ただ、積雲は上方向に成長すると自分が雲の中に入ってしまいますので、雲海として見下ろせるのは「層雲」「層積雲」が多いことになります。

気象予報士山本さん

「層雲」は地上に接すると霧とよばれますが、低いところに発生するので低山からも見下ろすことができます。
「層積雲」は2000メートル程度より低い高度に広がるので、少し標高の高い場所に上がれば、ダイナミックな迫力満点の雲海を見ることができます。
「層積雲」は2000メートル程度より低い高度に広がるので、少し標高の高い場所に上がれば、ダイナミックな迫力満点の雲海を見ることができます。

気象予報士・山本さん
つまり私たちが目にする「雲海」の正体は、ほとんどが「層雲」か「層積雲」ということ。ひとことに雲海と言っても、見える雲の種類に色々あるんですね。
では、どのような条件で、これらの雲が発生するのでしょうか?
「層雲」や「層積雲」ができる条件は?

雲ができるために大事なのが「水蒸気の量」と「気温の変化」。
空気は暖かい方が、より多くの水蒸気を含むことができ、放射冷却などで空気が冷えると、含むことのできる水蒸気量は減ります。
含み切れなくなった水蒸気が、水や氷の粒になって目に見えるようになったもの、これが雲。
雨上がりには特に、層雲や層積雲をはじめとした雲ができやすくなります。
空気は暖かい方が、より多くの水蒸気を含むことができ、放射冷却などで空気が冷えると、含むことのできる水蒸気量は減ります。
含み切れなくなった水蒸気が、水や氷の粒になって目に見えるようになったもの、これが雲。
雨上がりには特に、層雲や層積雲をはじめとした雲ができやすくなります。

気象予報士・山本さん
■層雲・層積雲ができやすい条件■
【気温の変化】何らかの要因でその空気が冷えること:放射冷却など
【水蒸気の量】空気中に雲の素である水蒸気が多い(湿っている)こと:雨上がりなど
雲海は発生しやすいのは「盆地」や「谷筋」

「盆地」や「谷筋」では周りの山から下りてきた冷気がたまりやすいので、そこに層雲や層積雲が発生しやすいです。
険しい山岳地形が多い日本は、それら発生した雲を上から眺めることができるという点で、雲海観察の好条件になる場所が多い国と言えるでしょう。
険しい山岳地形が多い日本は、それら発生した雲を上から眺めることができるという点で、雲海観察の好条件になる場所が多い国と言えるでしょう。

雲海についてのまとめ
1.雲海として見られる雲は「層雲」「層積雲」、まだ発達していない積雲
2.「層雲」「層積雲」が発生しやすい条件は、地表面付近の空気が冷える(放射冷却など)、雨上がりなどの蒸気が多い時
3.山地で雲海が発生しやすい場所は、盆地や谷筋など冷気が溜まりやすい場所
誰でもわかる「雲海」に出会えるチャンスは?

雨が降った後に天気予報をチェック!
深夜から早朝にかけて晴れて風が弱いと予想されている時は、雲海に出会えるチャンスですね。
深夜から早朝にかけて晴れて風が弱いと予想されている時は、雲海に出会えるチャンスですね。

気象予報士・山本さん

でも、このようにしてできた雲海は、日が高く昇ってきて気温が上がってくると消えてしまうことが多いので、観察は早朝がおすすめです。
霧の発生が予想される時に発表される濃霧注意報も参考になりますね。
ただし、お出かけの際には車の運転などには、ご注意ください。
霧の発生が予想される時に発表される濃霧注意報も参考になりますね。
ただし、お出かけの際には車の運転などには、ご注意ください。

気象予報士・山本さん
なるほど…雲海がいつでも見ることができる自然現象ではない事がわかりました。しかし、険しい山岳地形が多い日本は、好条件になる場所が多い国。天気予報をしっかりチェックして、少ないチャンスにかけてみたいですね!
次からは、日本全国の雲海すすめスポットを紹介します。
雲海を見たい!ここがおすすめスポット
日本最大のカルデラ湖「屈斜路湖」の雲海|津別峠【北海道】

屈斜路湖は北海道阿寒国立公園にあり、日本最大のカルデラ湖です。複数の展望所があるため、様々な角度から湖を埋め尽くす雲海が楽しめるのが特徴。中でも「津別峠」は、高さ947mの位置に展望台があり、高い位置から湖全体を見渡せるため人気のスポットです。
発生時期は6月から10月と比較的長く、しかも発生確率60%以上なので、高確率で雲海に遭遇できることも魅力。
津別町公式|津崎峠展望台
民話の里、遠野を覆う雲海|高清水高原【岩手県】

民話のふるさと「遠野」。遠野は山に囲まれた盆地で、水田が広がるのどかな風景が広がります。
その遠野盆地を見下ろす高台が、高清水高原の高清水展望台。”遠野小富士”として親しまれている六角牛山から登る朝日を浴びて、黄金色に輝く雲海の絶景を見ることができます。
旅東北
雲海を見ながら絶景ドライブ|魚沼スカイライン【新潟県】

紅葉シーズンは多くの人でにぎわう魚沼スカイラインは雲海スポットとしても有名。雲海を眼下に見ながらのドライブを楽しむことも、点在する展望台からじっくり雲海を楽しむこともできます。雲海がよく見えるビュースポットには、案内の看板が設置されているので、見つけたら立ち寄ってみましょう。
新潟県公式|魚沼スカイライン
秩父盆地の「オーロラ雲海」が美しい|美の山公園 【埼玉県】

秩父の山々に囲まれた秩父盆地を見下ろす「美の山公園」は、市街地やセメント工場の明かりが雲海を下から照らす「オーロラ雲海」を見ることができます。様々な色が溶け合い、幻想的な夜景はロマンティックでデートスポットとしても人気です。
埼玉県公式|美の山公園
まるで絵画!富士山と雲海の絶景|大観山【神奈川県】

標高1100メートルの大観山(だいかんざん)。大観山展望台は、富士山をバックに芦ノ湖を望む展望スポットとして知られていますが、芦ノ湖を雲海が覆うと、雲海の湖に富士山がそびえる絶景を見ることができます。その姿は「まるで絵画のよう」と訪れる人たちを魅了します。
箱根町観光協会
雲海に浮かぶ天空の城「竹田城」|立雲峡【兵庫県】

雲海の中、幻想的な風景から「日本のマチュピチュ」「天空の城」とも称される「竹田城」。その絶景を見る展望スポットが「立雲峡」です。立雲峡の展望台までは駐車場から、徒歩で最短で20分、一番美しい姿を見ることができる第1展望台までは40分と、ちょっと険しい道のり。しかし、その先は疲れが吹き飛ぶ絶景が待っています。
あさご市ポータルサイトあさぶら|立雲峡
阿蘇カルデラを雲海が覆う雄大な絶景|大観峰【熊本県】

大観峰は阿蘇の外輪山の一部で、阿蘇の展望台として多くの観光客が訪れる人気スポット。世界有数の規模を誇る阿蘇カルデラに雲海が発生すると、阿蘇五岳が雲の中に浮かぶ幻想的でかつ雄大な絶景が広がります。大観峰にはいくつか展望所があり、小道で繋がり散策もできるので、朝のさわやかな散歩を楽しむ事ができるのも魅力のひとつです。
熊本県公式観光サイト
ゴンドラで楽々!プレミアムな雲海|富士見パノラマリゾート【長野県】

南アルプス北端「入笠山」のリゾート地「富士見パノラマリゾート」では、雲海が発生しやすい時期、期間限定で「雲海ゴンドラ」を運行しています。八ヶ岳からのご来光に輝く雲海に、遠くには富士山の絶景。山頂にはカフェもあるので、輝く雲海を見ながらモーニングコーヒーをいただく”プレミアム”なひと時を味わえます。
富士見パノラマリゾート
早起きして雲海を見よう!防寒具も忘れずに
