厳冬期の赤岳に無事登頂!成功のために準備した5つのこと【雪山チャレンジ・実践編】(3ページ目)

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アイゼン歩行のポイントは?

●握り拳分、カカトとカカトの間を空ける

アイゼン歩行に慣れていない人にありがちなのが、足と足の幅が狭く、自分自身のアイゼンの爪同士が引っ掛かり転倒につながることです。

転倒は滑落にもつながるので、絶対に避けなければなりません。
カカトとカカトの間は、握り拳ひとつ分以上を空けて歩くのがポイントです。

●前爪以外の爪全体を雪面に突き刺すイメージ

どんな形状の斜面であっても、前爪以外の爪全体を雪面にしっかりと食い込ませながら足を運ぶというのが大原則。

脚全体の疲労を分散させるために、ハの字または逆ハの字にしたり、片足だけ斜めに置いたり、足首の向きやヒザの屈伸をうまく使って歩き方を変えていくのがポイントです。

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●歩幅は空けすぎず、できるだけ上半身は垂直に

斜度のある雪面を登るとき、安定感やバランスをキープするために、歩幅を大きく空けすぎず、上半身を前傾・後傾させずまっすぐ立つことを意識しましょう。

怖さのあまり足元を見過ぎたり腰が引けていたりすると、アイゼンの爪に荷重かかからず、不安定になってしまいます。

●急斜面では前爪を突き刺す

ヒザや足首の可動域では対応しきれないほどに急斜面になってきたら、前爪を使って登る方が歩きやすくなります。

一歩一歩、前爪を雪面に蹴り込んで、爪が雪を捉えていることを確認しながら登っていきます。

●岩場での歩き方

雪面と異なり、爪を食い込ませることができない岩場は、歩き方に注意が必要。

前爪以外の爪全体ができるだけ均等に地面に接するように、岩の形状を確認しながら進みましょう。

馬目
馬目
岩の上は足の置き場が限定的になるので、探りながら慎重に足を置かないと、自分のパンツに爪を引っ掛けてしまうことも。

【5】ピッケルの正しい使い方を事前に確認


アイゼン同様、1日目に馬目さんからピッケルの正しい使い方を教わり、赤岳アタックに備えました。

タイミングは12本爪アイゼンと同じ


ピッケルの役割は、雪の急斜面で身体のバランスを保つことです。
平坦な道や緩斜面ではトレッキングポール、急斜面ではピッケルと使い分けます。

基本的には、チェーンアイゼンを12本爪アイゼンに履き替えるタイミングと同じと考えましょう。

ピッケルの使い方

●手のひらの中央でヘッドとシャフトをしっかり掴む

ヘッドとシャフトの接続部分を手のひらの中央でしっかりと握り、雪面に突き刺します。

登りのときはピック(細く尖ったほうの刃)が前方に、下りのときはブレード(広いほうの刃)が前方にくるように持つのが基本です。

●常に山側に突くよう、都度持ち替える

万が一バランスを崩してもすぐに対処できるよう、ピッケルは山側に突きます。

進むにつれて山側と谷側は変わるので、その都度、左右の手を持ち替えましょう。

馬目
馬目
ピッケルは杖ではないので、突くことを意識して前かがみになるくらいなら、突かないほうがいいですね。

●持ち替え時は、アイゼンを雪面に突き刺し身体を安定させてから
ピッケルを持ち替える一瞬の隙に、強風が吹くなどして上半身のバランスを崩す可能性もゼロではありません。

持ち替えの際は、足元が安定した状態であることを確認することが重要です。

ステップアップを実感できるガイド山行&講習会の魅力


コースの設定から装備選び、歩行技術に至るまで、馬目さんによるレクチャーがあったからこそ、今回の雪山ステップアップチャレンジを無事に終えることができました。

自分自身で経験を積んで、試行錯誤しながらステップアップする醍醐味もありますが、経験豊富なプロガイドにガイディングをお願いすれば、安全に、ステップアップの質と速度を高めることができます。
プロショップなどが主催する雪山講習会もありますので、自分に合った学びの場を探してみてください。

知識と技術を身につけ、経験を積み重ねて、魅力あふれる雪山を長く安全に楽しみましょう!

馬目
馬目
3人とも無雪期の登山経験が豊富で体力があったことも、スムーズに登頂できた理由ですね。

赤岳以外にも魅力的な雪山はたくさんありますし、レベルに合わせて適切な雪山へお連れしますので、ぜひ一緒に登りに行きましょう!

今回、レイヤリングが大切という意識が芽生えました。

学んだことを活かして、今シーズン中にテント泊で雪山登山をしたいです!

内山
内山
荻原
荻原
アタック前日にアイゼン歩行の練習をしたときに、片足のアイゼンの長さが靴と合ってないことをガイドさんに指摘されて、直してもらいました。

ほかにも、ガイドさんがいたからこそ気づけたことはたくさんありましたね。

事前に馬目さんに教わって装備を万端に準備できたことで、登ることに集中できましたね。

シーン想定を考えた準備をするなど、スキルアップを実感して自信につながりました。

中村
中村

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