エスビット ポケットストーブ

手のひらサイズの軽量湯沸かしセット!エスビット「ポケットストーブ」をレビュー

軽量化を求める登山者に人気が高いのが固形燃料タイプのストーブ。その中でも<エスビット>ポケットストーブは、長年愛され続ける定番アイテムです。今回は実際に山で使ってみてわかった魅力を紹介。ガスストーブとの湯沸かし時間の比較も行います。

目次

アイキャッチ画像撮影:YAMA HACK編集部

なぜ人気?<エスビット>ポケットストーブが売れ続ける理由とは

エスビット ポケットストーブ

撮影:YAMA HACK編集部

登山で温かい食事やコーヒーを楽しむために揃えたい調理器具。一般的には、取り扱いが簡単で火力も安定しているガスストーブが多く使われていますが、燃料であるガスボンベがやや重く、かさ張るのが難点。

軽量化を求めてガス以外のストーブを探してみると、必ず目にするのが<エスビット>のポケットストーブです。

元々はドイツ軍の兵士に使用される固形燃料ストーブですが、今ではハイカーにも根強い人気があります。ガスストーブが主流の中で、ポケットストーブがロングセラーを続ける秘密はどこにあるのでしょうか?

ポケットに入るほどコンパクトで軽い

ポケットストーブの収納性

撮影:YAMA HACK編集部

ポケットストーブの収納時サイズは98×77×23mmで、パンツのポケットに入れることも可能。燃料は本体内部にスッキリ収まります。

「エスビット ポケットストーブ」と「ガスバーナー」

撮影:YAMA HACK編集部

重量をみてみると、一般的なガスストーブ本体は100g前後、ガスボンベ(110サイズ)は約200gなので、合計で約300g。一方、ポケットストーブ本体(スタンダード)は85g、固形燃料はスタンダードタイプ1箱(4g×20個)で約80g。

ポケットストーブであれば、ガスストーブの半分程度の重さで湯沸かしセットを用意することができます。

また、固形燃料は必要な分量を計算して持っていくことができる点も大きなメリット。

例えば、日帰り登山(調理1回)であればスタンダード4gを4つ、1泊2日(調理3回)であればミリタリー14gを3つなど、使用シーンに合わせて準備することができるので、荷物の軽量化につながります。

エスビットにはさまざまなサイズの固形燃料が用意されており、それぞれ燃焼時間が異なります。使用予定を考えて種類や量を検討してみましょう。

エスビットの固形燃料 全種類

撮影:YAMA HACK編集部
アイテム名①スタンダード②固形燃料5g×16③ミリタリー④ミリタリー12タブレット⑤固形燃料27g×8
内容量4g×205g×1614g×614g×1227g×8
燃焼時間(1タブレット) 約5分約6分約12分約12分約12分
火力(1タブレットあたり)28kcal35kcal98kcal98kcal189kcal

大きなクッカーでも安心!安定性の高いゴトク

「エスビット ポケットストーブ」にメスティンを乗せた様子

撮影:YAMA HACK編集部

ポケットストーブはゴトク位置を2段階で調整することができ、開口部を最大にするとクッカーを面で支える形状になるので、安定性が非常に高いのも特長。

単純に固形燃料を使用することだけを考えれば、もっとコンパクトな固形燃料ストーブも展開されています。しかし、軽量化を追及しすぎるとゴトクの安定感が犠牲になることも。

ポケットストーブは軽量性と安定性のバランスに優れていると言えます。

ポケットストーブのサイズ比較(スタンダード、ミディアム、ラージ)

撮影:YAMA HACK編集部(画像左:スタンダード、中央:ミディアムWS、右:ラージ)

ポケットストーブには3つのサイズが用意されており、使用するクッカーの大きさに合ったタイプを選べます。内部に置ける燃料の数も変わるので、強い火力が必要な場合はストーブ自体も大きなサイズを選択すると良いでしょう。

3種類のポケットストーブにクッカーを置いた様子

撮影:YAMA HACK編集部(画像左:スタンダード、中央:ミディアムWS、右:ラージ)

少量(200mlなど)の湯沸かしであれば最小の「スタンダード」で十分。最軽量で携行性に最も優れています。
大きな鍋を使用する場合など、より安定したゴトクや強い火力が必要な際には「ラージ」サイズが適しています。やや重量は増えますが安定性は抜群。

■「ポケットストーブ」モデル一覧表

モデル名スタンダードミリタリーミディアムWSラージ
収納時サイズ98×77×23mm98×77×23mm115×86×23mm132×96×39mm
重量85g85g107g174g
付属の固形燃料4g×2014g×627g×214g×12

「スタンダード」と「ミリタリー」は、本体サイズは同じですが、付属する固形燃料が違います。

優れた燃焼効率!空気を循環させるスリット構造

ポケットストーブ底面のスリット

撮影:YAMA HACK編集部

ポケットストーブの底面には6つのスリットが設けられており、空気が下から上方に廻るようになっています。
また、サイドの2枚の壁が炎を包み込んでくれるので、効率よくお湯を沸かすことが可能。

ポケットストーブ ミディアムWSの風防

撮影:YAMA HACK編集部

最新モデルの「ミディアムWS」には、風よけとしてもう1枚プレートが付属。このプレートを追加することで、3方面から壁で包みこみ、より耐風性を高めることができます。

ちゃんとお湯は沸かせる?実際に山で使用してみました

ポケットストーブとガスバーナー

撮影:YAMA HACK編集部

いくら軽量化できるとは言っても、固形燃料は使い勝手がやや不安……。
そこで、ポケットストーブの「スタンダード」タイプを実際にフィールドでテストし、その使用感をレポートしていきます。

今回は、湯沸かし時間の目安がわかるよう、普段筆者が使用しているガスバーナー「SOTO マイクロレギュレーターストーブ」でも計測し、比較してみました。

準備簡単!クッカーに合わせてゴトクを調整

ポケットストーブにクッカーを置いた様子

撮影:YAMA HACK編集部

まずは、コーヒー1杯分の200mlの水で試してみます。
使用したのは最大容量480mlのチタン製小型クッカーで、底面の直径は約9.5cm。
ポケットストーブを全開にするとサイズが合わず傾いてしまいますが、一段閉じると安定して置くことができました。

安定した火力で湯沸かしも安心

ポケットストーブ 固形燃料

撮影:YAMA HACK編集部

それでは実際にお湯を沸かしてみましょう。
固形燃料はスタンダード4gのタブレットを2つ使用しました。

ポケットストーブの湯沸かし

撮影:YAMA HACK編集部

ガスバーナーのような大きな音はせず、焚き火のように静かに揺れる炎が上がります。
この日は風もほとんどなく、安定した火力を維持していました。

ポケットストーブの湯沸かし

撮影:YAMA HACK編集部

200mlの水が沸騰するまでにかかった時間は、4分5秒ほど。
固形燃料が燃え尽きるまでには7分ほどかかりましたが、最後は火力が弱まっていくので、この量を沸かすには4gのタブレット2つがちょうど良さそうです。

ポケットストーブの湯沸かし

撮影:YAMA HACK編集部

続いて、一般的なカップラーメンに必要な400mlのお湯を沸かしてみます。クッカーは、最大容量900ml、底面約12cmのアルミ製クッカーを使用しました。

ポケットストーブの湯沸かし

撮影:YAMA HACK編集部

固形燃料は先程の倍の量(4gタブレットを4個)を使用。かなり勢いよく炎が上がっています。

ポケットストーブの湯沸かし

撮影:YAMA HACK編集部

400mlの水は、5分10秒ほどで沸騰しました。固形燃料が完全に燃え尽きたのは9分30秒後。やや余剰な燃焼も生まれてしまいましたが、燃料の数を増やした分だけ火力が上がり、沸騰までにかかる時間も短縮できました。

湯沸かし時間をガスバーナーと比較

ガスバーナーの湯沸かし

撮影:YAMA HACK編集部

ガスバーナーでもそれぞれ同量の湯沸かしを実施。すべての結果を表にまとめてみました。

■沸騰テスト結果

使用モデルポケットストーブガスストーブ
水量200ml400ml200ml400ml
使用燃料固形燃料4g×2固形燃料4g×4パワーガス トリプルミックスパワーガス トリプルミックス
沸騰までの時間4分05秒5分10秒2分00秒3分30秒

ガスストーブの方が「沸騰までの時間」が速いのは予想通りですが、ポケットストーブも決して遅くはない印象です。
今回は風の影響が少ない状況だったこともありますが、固形燃料も湯沸かしには十分実用的であることがわかりました。

デメリットはある?使用してみて気になったポイント

ポケットストーブを実際に使用してみて、気になった点や注意したいポイントを紹介します。

底面の焦げに注意!ストーブを置く場所は要確認

ポケットストーブで焦げた板

撮影:YAMA HACK編集部

ポケットストーブで火を起こすと、底面の下側が焦げる可能性があります。木のテーブルやベンチなどで使用する場合は、何か敷くものを用意した方が良いでしょう。今回は木の板を持参して使用しました。

風には弱い?コンパクトな風防があると◎

ポケットストーブの耐風性

撮影:YAMA HACK編集部

風の影響を受けやすい固形燃料。強い風が吹いている場合は、火が外に煽られてしまい、効率的な湯沸かしができなくなってしまう可能性があります。できれば、コンパクトサイズの風防を用意しておくと良いでしょう。

ポケットストーブと風防

撮影:YAMA HACK編集部

画像のように、ストーブの周りをぐるっと囲んでおけば、風の影響を最小限にすることができます。

SOTO スライドトーチ

撮影:YAMA HACK編集部

また、風が強いと着火にも時間がかかります。火口が伸縮するタイプのライターを持参しておくと便利です。

SOTO|スライドガストーチ

●サイズ(収納時):幅3.8×奥行1.8×高さ11cm
●重量:52g

クッカーがススで汚れる

エスビット 固形燃料の煤(スス)

撮影:YAMA HACK編集部

固形燃料からススが出るので、使用後はクッカーが黒くなります。そのままパッキングすると汚れてしまうので、何か拭き取るもの(ウェットティッシュ、タオル等)を用意しておくと良いでしょう。スス自体は簡単に拭き取れるので、後に残る心配はありません。

100円ショップの固形燃料

撮影:YAMA HACK編集部

もしススが気になる場合は、100円ショップなどでも販売されている青色のカップ入り固形燃料でも代用することができます。ただし、エスビットの固形燃料とは違い、量の調整が難しいというデメリットも。200mlなど少量の湯沸かしをしたい場合でも、1つを使い切らなくてはなりません。

日帰り登山で一度だけ使用するのであればそれほど問題ではないかもしれませんが、移動しながら何回か湯沸かしを行う場合は、エスビットの固形燃料の方が計算しやすく便利ですね。

「ポケットストーブ」は“手軽に使える”コンパクトコンロ

エスビット ポケットストーブ

撮影:YAMA HACK編集部

軽量化できるのはわかっていても、なんとなくガスよりも難しそうなイメージのある固形燃料ストーブ。今回使用してみてわかったのは、思っていたよりもずっと手軽に使えるアイテムであること。特に、エスビットの固形燃料は燃焼時間がはっきりしているので、必要な量を把握できれば湯沸かしは簡単。
火力は強くないので本格的な調理は難しいかもしれませんが、湯沸かしメインであれば主力として使えます。軽量なので、ガスバーナーのサブとして持っておくのも有りですね。

ポケットストーブ

エスビット|ポケットストーブ(スタンダード)

●サイズ(収納時):98×77×23mm
●重量:85g
●付属の固形燃料:スタンダード(4g×20)

エスビット|ポケットストーブ(ミリタリー)

●サイズ(収納時):98×77×23mm
●重量:85g
●付属の固形燃料:ミリタリー(14g×6)

エスビット|ポケットストーブ(ミディアムWS)

●サイズ(収納時):115×86×23mm
●重量:107g
●付属の固形燃料:27g×2

エスビット|ポケットストーブ(ラージ)

●サイズ(収納時):132×96×39mm
●重量:174g
●付属の固形燃料:ミリタリー12タブレット(14g×12)

固形燃料

エスビット|固形燃料(スタンダード)

●内容量:4g×20

エスビット|固形燃料(5g×16)

●内容量:5g×16

エスビット|固形燃料(ミリタリー)

●内容量:14g×6

エスビット|固形燃料(ミリタリー12タブレット)

●内容量:14g×12

エスビット|固形燃料(27g×8)

●内容量:27g×8

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