転・滑落遭難の傾向
1.岩場だけではない
北アルプスなど岩場の多い登山道で滑落するというのはよく耳にしますが、奥多摩など低山で、足を滑らせて斜面を転げ落ちたり、石や段差につまづいて転倒したりと、難易度が高い山だけではなく低山でも転・滑落が発生しています。
2.下山に多い
疲れてきて足の踏ん張りがきかなくなる事や、集中力の低下などがあげられます。
装備・技術不足による遭難傾向
1.軽装で入山
特に多いのが富士登山で見かける軽装で登山をする人々。ジーンズとスニーカーというスタイルで、防寒着・雨具を持たずに登山をして、寒さで動けなくなったり、体調を崩したりする人が続出しています。また、雪があるのにアイゼンやピッケルも持たず入山してしまったり、ツェルト、ヘッドランプ、防寒具、非常食、地図、コンパスなど、いざという時に持っていないと致命的になる装備を忘れがちたったりします。
2.技術、経験不足
自分のレベル以上の山に登ってしまい身動きがとれなくなる人、登山未経験者を多く連れていき対応できなかったパーティなども遭難につながっています。
山岳遭難の対策とは? テーマ別にご紹介
道迷い遭難の対策
1.地図とコンパスは必ず持参する
まず入山前に地図を確認し、山中でも、休憩時や分岐など頻繁に地図を見ることがとても大切です!地図は迷ったときに見るのではなく、頻繁に見て迷うのを防ぐのが重要です。また、スマートフォンアプリのGPSを使ったりするのもいいでしょう。
2.しっかりとした下調べ
ガイドブックやインターネットでのブログや記録、観光協会のHPなどで、事前にコースをチェックしましょう。山小屋でも登山道の状況などを教えてくれます。また、各山域の警察署ホームページで、遭難事例や危険個所を公表しているところもあるので、事前に把握しておくことも大切です。さらに、山岳遭難の事例をまとめた書籍を読むのも勉強になります。
3.登山計画書の提出
登山計画書を作成すると、コースの概要が把握できるので有効的です。また、いざという時は、捜索の手掛かりにもなるので早期発見につながります。
それでも、もし道に迷ってしまったら…
●わかるところまで引き返す!
あやしいと思ったら突き進まず戻りましょう。
●どんどん下るのではなく尾根に出る!
山の裾野は広大で、下っていくと沢や滝に出くわします。携帯の電波も尾根では通じることもありますが、谷に入ると電波が通じなくなります。ヘリで捜索するにも尾根の方が発見しやすいでしょう。
●むやみやたらに動きまわらない!
山中をさまよったあげく力尽きてしまう場合や、余計捜索しづらくなる場合があります。動かず落ち葉や発煙筒などで”のろし”をあげるなどの方法もあります。
●家族や警察に救助を要請する。
自分の限界が訪れる前に救助を要請して下さい。