東京だけじゃない!個性あふれる地方の山道具店
名古屋・大阪・福岡に店舗を構える山道具店3店舗を紹介します。山麓ではないものの、その地方の登山者にとっては、実際に商品を手にすることができるうえ、情報収集の拠点となりうるはず。個性的な店主やスタッフが勢揃いです!
スタッフと「遊び友達」になれる老舗店|MOOSE(愛知県名古屋市)
名古屋市の閑静な住宅街に佇む「MOOSE」。1982年にオープンして以来、「自然の中で遊ぶ」ことを提案し続けている、東海エリアのマウンテンカルチャーを担う老舗店舗のひとつです。この植田本店のほか、JR名古屋駅構内のショッピングフロア「名古屋ファッションワン」内にある<ザ・ノース・フェイス>の直営店も営んでいます。
店頭には、実際に店主やスタッフが使ったことのあるギア、使ってみたいギア、作り手やメーカーのストーリーを感じられるギアを中心にバランスよくセレクトされた商品が並びます。
最近はあまり実施されていないそうですが、各シーズン、店舗主催の小規模なイベントが行われていることも、このお店の魅力。またスタッフそれぞれが、登山・トレイルランニング・自転車・スキー・釣りなどアクティブに楽しんでいて、プライベートでお客さんと遊びに行くこともあるそう。
スタッフと客という関係性を超えて山の楽しさを提案してくれるので、山仲間が身近にいない人にもおすすめです。

軽やかに山を歩くためのヒントが満載|山道具 谷ノ木舎(大阪府大阪市)
ビルやマンションが立ち並ぶ大阪・谷町の一角に店舗を構える「谷ノ木舎」は、おもにULハイキングやファストパッキングをコンセプトにした山道具店です。
コンクリート打ちっぱなしの店内には、UL界で人気の高い<山と道>や<ロウロウマウンテンワークス>をはじめ、環境配慮型アウトドアブランド<スタティック>など、国内のガレージブランドのアイテムが多数取り揃えられています。
店主の中川裕司さんがこだわっているのは、「山、街、ボーダーレスに使える、高機能でいて肩肘張らないギアをセレクトすること」。インスタグラムでは、洗練された写真とともに店舗の情報発信が行われていて、男女問わずULハイカーを中心に、さまざまなひとが店舗を訪れています。
中川さんはULハイカーのコミュニティ「山と道HLC」の関西地区のアンバサダーも務めていて、フィールドでの実践や座学も含め、年に数回ほどイベントを開催しているそう。ULハイキングという奥深いカルチャーに足を踏み出すきっかけになるかもしれません。

ハンモック泊の魅力に目覚めてしまうかも⁉|GRiPS(福岡県宗像市)
2011年、福岡県北部の海沿いの街・宗像市の国道3号線沿いにオープンした「グリップス」。九州を代表する山道具店のひとつとして、多くのファンを獲得している注目の店舗です。
ガレージのような広い空間には、ULハイキング向けの軽量ギアからテント泊やハンモック泊を快適に楽しむためのギアの数々がずらり。オリジナル商品の開発にも力を注いでいて、2021年秋には自社ブランドも立ち上げたそうです。
店主の永松修さんがとくに注力しているのが、ハンモックの魅力を伝えること。開店前から書き続けているブログを読むだけでも、その情熱をうかがい知ることができます。店舗では、読図を絡めたハンモック泊のイベントなどを定期的に行っているそう。
福岡県内の山々にはほぼ足を運んでいるとのことなので、店舗に行けば、九州エリアの詳しい情報を教えてもらえるはず。

御用達の山道具店を見つけたら、山がもっと楽しくなる
山岳会に入会して登山を始める人が少なくなり、登山者同士の繋がりが希薄になりつつある今日この頃。お気に入りの山道具店を見つけたら、イベントにも積極的に参加するなどして、その店舗のコミュニティに加わってみるのもおすすめです。
そうすれば新しい知識や新しい仲間を得ることができ、登山者としてもステップアップできるはず。個性豊かな地方の山道具店へ足を運んで、登山の楽しみを広げていきましょう!