トレッキングシューズのイメージがひっくり返された! アゾロ「ファインダーGV」着用レビュー

2021/10/04 更新

登山に慣れてくると、ローカットの軽いトレッキングシューズやアプローチシューズを選びがち。この傾向に当てはまる人、けっこう多いのでは? 筆者もそのひとりで、足首が隠れるミッド・ハイカットのシューズは足元が重くなりそうで、最近まで敬遠していました。そんなときに出合ったのが、ASOLO(アゾロ)の「ファインダーGV Men’s」。見た目はゴツい登山靴ですが、履いてみると疲れにくく、しかも軽快に歩けるからビックリ。特長を含めて、テント泊縦走でテストしたレビューをお届けします。


撮影:筆者

足首が隠れるトレッキングシューズは重たいイメージ

トレッキングシューズ
ハイカットやミッドカットはトレッキングシューズの王道デザイン
登山をはじめて早17年。これまで、いろいろな登山靴にお世話になってきましたが、実はハイカットかミッドカットのトレッキングシューズを履いていた期間は、わずかしかありません。

トレッキングシューズ
山登りを始めた当初の写真。履いているのは中古で買ったハイカットのトレッキングシューズ
記憶を遡り、過去の写真などを見返してみたところ、そのようなトレッキングシューズを購入したのは2回だけ(しかも、1回目は右も左も分からずに手にした中古品)。山歩きに慣れてからは、ローカットのシューズが定番になっていました。

その理由は「足首が隠れるシューズ」=「重たい」と思っていたからです。

経験値が増えるほど軽いシューズを選びがち

ローカットシューズ
最近手に入れたローカットのシューズ。こういうタイプが筆者の好み
それと、登山歴が長くなると靴全体の剛性やソールのクッション性、足首回りのサポートなどがさほど必要ではなくなり「ローカットでいいや」と、好みが傾倒。

最近までは、とにかく軽くて歩きやすい靴を好んで履くようになっていました。

突然の出合い。価値観をひっくり返したアゾロの「ファインダーGV」

アゾロファインダーGV
ファインダーGVの見た目は分厚いソールに丈夫そうなアッパーで「これぞトレッキングシューズ!」と言わんばかり
そんな折、縁あって試してみることになったのが、ASOLO(アゾロ)の「ファインダーGV(Men’s)」。いわゆるミッドカットのトレッキングシューズです。

結論から先に述べると、プライベートの山行でファインダーGVをテストしてみたら、「こんなに軽くて歩きやすいミッドカットのトレッキングシューズがあったのか!」と、目から鱗状態。これまで足首が隠れるトレッキングシューズに抱いていたイメージがガラリと変わる結果となりました。

安心の品質を保証するアゾロの歴史と「ファインダーGV」の特徴

ASOLO
提供:mont-bell
アゾロは1975年の創業から45年以上も続く、イタリアの老舗登山靴ブランド。高所での使用を想定したハイエンドなアルパインブーツから、今回試した「ファインダーGV」のようなトレッキングシューズ、さらにライトなウォーキングシューズなど、さまざまなレベルに合った登山靴を展開しています。

また、耐摩耗性に優れる「コーデュラ・ナイロン」を初めて登山靴に採用したブランドとしても知られており、機能に定評のある素材や生地を製品に採用している点が特徴です。

そのため、高機能な素材使いは「ファインダーGV」にも散見できます。場所を屋外に移して、その特長を紹介しましょう。


アッパーに使われているのは、引き裂き強度や耐摩耗性に優れる「コーデュラ・ナイロン」。


つま先に「ラバー」を組み合わせることで、耐久性を向上しています。


防水透湿素材には、高い透湿性を誇る「ゴアテックス・エクステンデッドコンフォート」を採用。


アウトソールに使われているのは、高いグリップ力に定評がある「ビブラム・メガグリップ」です。

「ファインダーGV」を履いて2泊3日のテント泊縦走へ

鈴鹿山脈の一座、竜ヶ岳を少し下った斜面から釈迦ヶ岳方面の眺め
高品質で機能も申し分ない「ファインダーGV」ですが、冒頭で述べたように筆者の好みではないので、特別なきっかけがなければ手にとって履いてみることはなかったでしょう。

しかし、せっかくの機会なので履き心地を確かめてみよう! そう思い立って向かった先は、三重県と滋賀県の県境に南北に連なる鈴鹿山脈。「鈴鹿セブンマウンテン」と名付けられた7つの山を繋げて歩く、2泊3日のテント泊縦走で使用してきました。


初日、2日目ともに土砂降りの雨……

土砂降りの竜ヶ岳。ひっきりなしに雷も鳴っていて生きた心地がしなかった
テスト当時の状況は決して良いものではありませんでした。3日間のうち、初日と2日目は無情の雨。テント泊装備一式と2泊3日分の食材を背負い、ぬかるんだ登山道や濡れた岩場などを歩く羽目になったのです。
 
※今回歩いたコースの参考タイムと距離は以下の通り
1日目:藤原駅〜藤原岳〜竜ヶ岳〜石榑峠/11.5km(約7時間)
2日目:石榑峠〜三池岳〜釈迦ヶ岳〜杉峠/15km(約9時間30分)
3日目:杉峠〜雨乞岳〜武平峠〜御在所岳/6.7km(約4時間30分)
※雨のため「鈴鹿セブンマウンテン」は完歩できず、最終日は御在所岳から下山しました。

厳選レビュー! 実際に履いて良かったポイントTOP3

そんな過酷?なテストを経て、一体どこがイイと感じたのか、特に気に入った特長を3つ紹介していきます!

①フカフカのクッション性で足裏が疲れない

「Anti Shock」のロゴがデザインされたミッドソールには、クッション性の高いE.V.A.素材が使われている
歩いてみて最初に感じたのが、フカフカするミッドソールのクッション性です。かかとから着地するたびにミッドソールが沈みこみ、テント泊の重たい装備を背負っての長時間歩行でも足裏が疲れることはありませんでした。

②抜群のグリップ力で急斜面でもしっかり止まる

内側にカーブするヒールのブロックパターンが的確に地面に食らいつく
次に感心したのはグリップ力の高さです。今回の歩いたコースには所々に土や砂の急斜面があり、スリップしないかいちいち心配でした。

しかし、アウトソールのブロックパターンが効果的に地面に食い込むおかげで、怪我にも繋がりかねない尻もちが激減。

ひとつひとつのブロックパターンはエッジが直角に立ち上がっている。これもグリップ力を高める特長
さらに、岩の上でも確かなフリクション性能を実感できた点は特筆すべきポイント。全行程を通して安心して坂道を下ることができました。

③見た目ほどの重さを感じず軽快に歩ける

ファインダーGV
サイズ26.5cmで実測502g。見た目よりも実際の重量も軽かった
そして、実際に歩いてみると両足に靴の重さはほとんど感じず、軽やかに足が前に出るのです。足首回りの可動域は若干制限されますが、ストレスに感じるほどではなく、むしろ足首がサポートされているおかげで下半身がグラつきにくく、疲れにくいとも感じました。

クッション性の高いミッドカットが優しく足首を包んでくれる
また、ミッドカット部分のクッション性も心地よく、靴紐を結んでもくるぶしなど出っ張った箇所が痛くならず、当たりがソフトな点も好印象でした。

ほかにもあるぞ! 良かった点とウ〜ンな点

紹介した3つのグッドポイント以外にも、いいなと思ったポイントはいくつかあります。

【良かった】 ゆったりした履き心地でトレッキングを楽しめる

ふっくら膨らんだヒールカップが筆者の足にジャストフィット
そのひとつが、足を入れたときのフィット感です。あくまで個人の感想になりますが、緩やかにカーブして膨らむヒールカップにかかとがスッポリ収まり、段差に立ち込んだときも靴の中でかかとが上下にずれることはほとんどありませんでした。

さらに、土踏まずの箇所がキュッとすぼまっていることで前後のズレを軽減。それでいて、つま先部分はゆったりした作りなので、全体的に締め付けられるようなストレスはなく、リラックスして歩くことができました。

【良かった】 丈夫な金属製のシューレースフック


細かい点ですが、シューレースをひっかけるフックが金属でできているので、多少なら岩などにぶつけても壊れる心配がありません。

【良かった】 歩行をサポートするアウトソール

黒い部分がアウトソール。グレーのミッドソールより硬いため足が内側に倒れこみにくい
アウトソールの高さを内側と外側で変えることで、足が過度に内側に倒れこむのを防ぎ、安定した着地を実現。転倒などによる怪我の予防も期待できます。

【ウ~ン】 タンの重なる部分が足に当たってちょっと気になる

ファインダーGV
タンとシューズの境で膨らむ箇所が足に当たってちょっと痛かった
ただし良い点ばかりではなく、タンの生地が折り重なる部分が足に接触してしまい、歩くときにややストレスを感じました。

とはいえ、長く歩いていると次第に気にならなくなったので、何回か履いて靴が足に馴染んできたら違和感はなくなるかもしれません。

【総評】 歩行が快適になる魅力的なトレッキングシューズ


十数年前と比べると足首が隠れるトレッキングシューズもだいぶ軽量化が進み、とっても歩きやすくなったのですね。「ファインダーGV」を履いて、つくづくそのように感じました。

靴を選ぶときは足の形状に合うか否かが最重要なので、今回紹介したアゾロの「ファインダーGV」が、一概に万人受けする最高の一足とは紹介できません。しかし、一度足を入れて履き心地やフィット感を確かめてみることは多くの方にオススメできます。

足が合えば儲けもので、ファインダーGVは、心地よいクッション性、抜群のグリップ力、そして軽やかな歩行性でより一層トレッキングを快適にする、魅力的なポテンシャルを秘めた一足と言えるでしょう。

ASOLO(アゾロ)公式ブランドサイト|ファインダー GV

ファインダー GV Men’s

ファインダー GV Men's
提供:mont-bell
 
税込価格25,300円
素材アッパー:1.6~1.8mm厚はっ水スエード+コーデュラ
ライニング:ゴアテックスエクステンデッドコンフォート
アウトソール:ビブラム®ラディアント
重量560g(K8.0片足)
サイズK6.0~K10.5(UKサイズ0.5刻み)
備考ソール貼り替え可能
 
ファインダー GV Men’s

ファインダー GV Women’s

ファインダー GV Women's
提供:mont-bell
 
税込価格25,300円
素材アッパー:1.6~1.8mm厚はっ水スエード+コーデュラ
ライニング:ゴアテックスエクステンデッドコンフォート
アウトソール:ビブラム®ラディアント
重量460g(K5.0片足)
サイズK4.0~K7.0(UKサイズ0.5刻み)
備考ソール貼り替え可能
 
ファインダー GV Women’s
 

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吉澤英晃

群馬県出身。大学時代に所属した探検部で登山を開始。以降、沢登り、クライミング、雪山、アイスクライミング、山スキーなど、オールジャンルで山を楽しむ。登山用品の営業職を経て、現在はフリーの編集・ライターとして活動中。

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