現地での状況判断&振り返りに“記録ノート”をフル活用
計画を立てるときに作った“記録ノート”のおかげで、予定コースタイムや休憩場所、これから歩く登山道の特徴や注意箇所を行動中にサッと確認できました。

吾妻
実際の通過時刻や、気づいたことを書き込んでおいたら、行動の振り返りもしやすかったです。
2日目は、絶景の写真撮影に夢中になりすぎて序盤が1時間押し、でも後半でだいぶ巻き返しているな、とか。撮影する時間を決めたり、見越して計画を立てたり、今後改善できるところです。

荻原
②準備面|装備の過不足はなかった?
持っていったのに使わなかった道具や、足りなかったアイテムはなかったでしょうか。もし忘れ物をしたなら、忘れないようにする工夫も考えてみましょう。
目立った過不足はありませんでしたが、UVカットのアームカバーなどを持っていたらよかったなと思いました。2日目に10時間以上稜線を歩いて小屋に着いたとき、特に日に当たっていた右腕だけ見事に焼けてしまっていて。
日焼け止めを朝に一回塗っただけで、途中で塗り直しをしなかったのもよくありませんでした。

吾妻
山に合わせた対策も忘れずに
稜線をずっと歩くのと、樹林帯を含む道を歩くのでは、日差しのレベルが全く違うなと痛感しました。
渡辺ガイドに冷却シートを貼ってもらったおかげで酷くならずにすみましたが、危うくヤケドみたいになるところでした。

吾妻
冷却シートを持っていると、いろんなときに役立つと知って、早速ファーストエイドキットに入れました!

荻原
荷物は増えるが、あると便利なものも
今回、装備に取り入れてよかったのはハイドレーション。でもボトルも持っていくべきか悩んで……事前に渡辺ガイドに相談して、ボトルも用意することにして正解でした。

吾妻

渡辺ガイド
ボトルも持っていた方がいいですね。万一ハイドレーションが水漏れしたときの予備になりますし、食事の準備や水汲みで使ったり、水以外の飲み物でリフレッシュもできますから。
早朝、寝起きで体を動かすときにも、
ボトルに入れておいた湯で朝ごはんを作ったり、調理の時短にもなりました。

吾妻

渡辺ガイド
持っていくかどうかを悩んだときは、その道具が持つ利点を踏まえつつ、軽量化とコンパクト化との兼ね合いで考えてみましょう。
見直しを繰り返すことで、過不足のない装備に
フリーズドライで食料の軽量化はできていたのですが、持っていく量については改善すべき点がありました。足りなくなるのが不安でつい多くなり、非常食を除いても結構余ったので、今回の消費量を参考値にしつつ、いつ何を食べるかの献立を今後は細かく設定しようと思います。

荻原

渡辺ガイド
山行ごとに過不足の見直しを繰り返して、適切・適量な装備にブラッシュアップしていきましょう。
安全のための装備をしっかり準備
現地状況を事前に確認したときに、登山道の残雪状況から、前爪のあるアイゼンとピッケルが必要だと判明したときは「荷物が重くなる……」と思ってしまいました。でも安全のためには仕方ないなと。
再設定した山行日程では残雪はすっかり少なくなっていて、日々状況が変わる中で、こまめな情報収集の大事さを改めて感じました。

荻原

渡辺ガイド
装備も天候も「山に合わせて登る」というのが大前提。
自治体や山小屋のHP、直近の山行レポートなどでルート状況を確認したり、複数の情報から天気の変化を予測したりと、安全に登山を楽しむために、山行当日までにやるべきことはたくさんあります。
③実践面|山行を通しての“気づき”は?
楽しいだけでなく、つらいことや危険な面も併せ持つ登山は、状況に応じた判断の連続。そんな山行のなかで、どんなことを感じたでしょうか。