山岳保険に加入したからOK……は万全じゃないかも!?遭難リスクを減らすために登山者ができることって?

2021/10/22 更新

登山の際の万が一を補償してくれる山岳保険、今やお守り代わりとして必須ですね。けれども加入したから安心!と思っていませんか。山岳保険は、遭難してしまった後に補償してくれるためのものであり、行方不明のまま遺体が発見されないと大切な人に経済的な負担をかけてしまうことも!そのため、遭難してしまった場合に備えて、早く見つけてもらうための対策をしておく必要があるのです。今回はその2つの対策について紹介していきます。


アイキャッチ出典:PIXTA

山岳保険に入ったから何が起きても大丈夫……!は正解?

山岳保険に入ったから大丈夫、と翌日登山へ出かける予定のA男さん。
早めに布団に入って寝付いたようですが、どうやら悪夢にうなされているようです。
悪夢くん
出典:いらすとや、編集:YAMA HACK編集部
聞きづてならないことを悪夢くんに言われたA男さん、不安になって夢の中でワケを聞いてみました。
山岳保険に入っていれば、山で事故や遭難してしまった時でも金額をカバーしてくれるんじゃないのかい?
A男さん
A男さん
悪夢くん
悪夢くん
事故による怪我をした時や遭難した時の捜索費用は保険でカバーできるかもしれないけど……

もしも行方不明のまま失踪者扱いになってしまうと、家族や大切な人に経済的な負担を与えてしまうことがあるよ。
そ、そんな!
A男さん
A男さん
悪夢くん
悪夢くん
なぜなら死亡が認定されるまでの7年間、
①生命保険が支払われない。
(支払いを続けないと7年後も保険金を受け取れない!)

②住宅ローンが免除されない
③退職金が支払われない
ことがあるんだ。
ということは、僕の場合、
生命保険代:1年間でおよそ38万円。7年間で266万円。
住宅ローン:1年間でおよそ120万円。7年間で840万円。


7年間の総額が約1,106万円!
これを残された家族が支払わなければならないということ!?
A男さん
A男さん

参考:ほけんの第一歩(35〜39歳の年間払込生命保険料の平均額)、ナビナビ住宅ローン(住宅ローンを借り入れた人の平均返済額)
大変だ
出典:いらすとや、編集:YAMA HACK編集部
「こんな負担を家族にかけられない」と思わずガバっと目覚めたA男さん。

悪夢くんに対策を聞かずに起きてしまいました。もしも遭難してしまった時、大切な人に負担をかけないために自分ができることはあるのでしょうか。

「登山」では、誰もが遭難する可能性を持っている

遭難者数
作成:YAMA HACK編集部(参考:令和2年における山岳遭難の概況
登山者であれば、誰もが遭難する可能性を持っています。もちろんそうならないように気をつけることも大切ですが、それでも起きてしまった時のために備えておくことも大事。

山岳保険の加入以外に私たちが備えておけることはなんなのでしょうか。ここではその対策法を紹介していきます。

そもそも山岳保険は何を補償してくれるの?

山岳保険の補償内容
イラストの出典:いらすとや(主な山岳保険の補償内容)※画像をクリックすると拡大します
山岳保険の種類により補償内容は変わりますが、主な内容としては画像の5つが挙げられます。
(※種類によって上記の補償内容に過不足があります)

・遭難した時に発生する費用
→入院や通院、死亡時のお金のほか、民間ヘリや民間救助隊による救助費用

・トラブルを起こしてしまった際に発生する費用
→損害賠償金、携行品の修理代
など。
(※保険によっては通院、賠償責任、携行品損害などが補償項目に含まれていない場合もあります)
ただすぐに発見・救助できなかった場合、その分捜索費用が膨らみ保険でカバーできる限度額を超えてしまうことも。とくに民間ヘリが出動した場合は1分1万円ほどかかるといわれています。そうなると捜索費用の補償金超過分は自己負担に。

さらに行方不明のまま遺体が発見されないと先ほど悪夢くんがいっていたように、死亡と認定される7年間の間、

・加入している生命保険も適用されない
(さらに支払いを続けないと7年後も保険金を受け取れない!)
・住宅ローンが免除されない
・退職金が出ない

ことがあるのです。

そこで遭難してしまった場合に備えて、早く見つけてもらうための対策をしておく必要があります。

山岳保険にプラスしたい!早く見つけてもらうための2つの対策

山岳保険は、遭難してしまった後に補償してくれるためのもの。遭難した時、早く見つけてもらうために用意しておきたいのは、こちらの2つです。

①登山届の提出
②ココヘリへの加入

保険と合わせて用意しておきたい、2つの詳細をそれぞれみていきましょう。

①登山届の提出

登山口に設置されているポスト
出典:PIXTA(登山口に設置されているポスト)
登山者にとって当たり前となってきた登山届ですが、実はまだ未提出で登る人が多いのも事実。いつも登っている山だから、1〜2時間で登れる山だからと、油断してついつい疎かにしてしまうのです。

ただ登山届が提出されていないと、山岳保険も適用されない可能性があります。

登山届が出されていれば、遭難している山域やルートが特定可能。迅速な捜索へと繋がります。
また登山届のコピーを家族や大切な人へ共有しておくのもオススメです。普段登山をやっていない人が通報した際に、登山届けの情報をすぐに警察へ伝えられます。

現在は、ネットで手軽に提出や共有ができるような仕組みも。登山者として必ず出すようにしましょう!

▼登山計画書について詳しく知りたい人はこちらをチェック

②ココヘリへの加入

ココヘリ
撮影:YAMA HACK編集部
遭難の多くは道迷いによって起きています。つまり、登山届に記載していたルートから外れてしまうことがあるのです。そのため、ある程度の行程がわかってもどこに迷い込んでしまうのか広大な山の中から探すのは困難。遭難してしまうと数日または数週間と捜索に日数がかかっているのをよくニュースで見かけます。

そんな時に活躍するのが、山岳遭難捜索サービスの「ココヘリ」
会員証(発信器)の携帯により、捜索ヘリがその電波を探知し、可能な限り遭難者を早く発見できるようになっています。登山届を出したうえでココヘリ会員証を携帯していれば、予定のルート上をヘリで捜索することで、早期に発見される可能性が高くなるのです。

実際の捜索実績を見てみると、

・2021年8月時点で捜索案件32件/28件解決、累計100件を超える捜索要請に対応
※4件の未解決事案内訳(発信器不携行1件/電源入れ忘れ2件/不明1件)

発信器の不携帯や電源入れ忘れなど、電波をキャッチできない状態にあった未解決事案を除けば、ほぼ100%の確率で遭難者を発見できています。

▼遭難したらどうやって探されるの?捜索の様子を知りたい人は、こちらをチェック


登山者の新たな捜索対策の一手として、ココヘリはマストで山へ持っていきたいアイテムといえるでしょう。

さらに手厚い!ココヘリの補償内容をチェック

ココヘリに加入すると発信機型会員証の端末がレンタルできるほか、以下の補償もついてきます。

●ヘリ捜索費用3フライト分
高い発見率を誇るココヘリですが、1度のフライトで発見されない場合でも安心。3回のフライトまで、捜索費用が補償されます。

●個人賠償
自分が誤って発生させた落石などで「他の誰かを怪我・死亡させてしまった」。そんな時、ココヘリでは最大1億円の損害賠償金が補償されます。

●用品補償
写真撮影をしようとして取り出したカメラやスマホ、うっかり落としてしまって破損……ということありますよね。ココヘリでは最大3万円の修理・交換費用が補償されます。

以上3つの補償も年会費に含まれます。

ただし死亡・後遺障害や怪我をした際の入院・通院費用の補償はついていません。そのため、これらを補償してくれる山岳保険に入る必要があります。

保険によっては、補償内容を自分でセレクトできるものも。補償内容を見比べながら加入する保険を決めるのもオススメです。

▼山岳保険の種類をチェックしたい人はこちら


▼ココヘリのお得なキャンペーンを詳しく知りたい人はこちら

《山岳保険・登山届・ココヘリ》を準備して、遭難対策を。

ヘリコプターによる遭難救助の様子
出典:PIXTA(ヘリコプターによる遭難救助の様子)
登山に出かける時、その無事を願いながら下山を待っている家族や友人など「大切な人」がきっといることでしょう。そんなあなたがもしも遭難してしまったら、一刻も早く救助・発見されるのを切望するのも「大切な人」たち。

精神面だけでなく金銭的にも苦しめることがないように、事前にできる限りの備えをしたうえで登山に臨みましょう。

ココヘリへの加入はこちらから

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washio daisuke

登山の総合プロダクション・Allein Adler代表。 登山ガイド・登山教室講師・山岳ライターなど山の「何でも屋」です。 得意分野は読図(等高線フェチ)、チカラを入れているのは安全啓蒙(事故防止・ファーストエイド)。 山と人をつなぐ架け橋をめざしています。

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