カメラを持って向かうのは、北アルプスの山!

白馬村といえば、白馬三山に五竜岳、唐松岳といった北アルプスの名峰への登山口として、訪れたことがある人も多いはず。この10年ほどは「JAPOW(ジャパウ)」と呼ばれる良質なパウダースノーを目的に外国人スキーヤーが多く訪れることもあり、マウンテンリゾートとしての盛り上がりをみせています。
今回は「八方池へゆるりハイキング」
縦走ルート上の山小屋が一部営業休止になっていたりと、初〜中級の登山者にとっては北アルプス登山のハードルが少し上がってしまった、2021年の夏〜秋山シーズン。そんなときでも、手軽に絶景を楽しめるのが「八方池ハイキング」です。唐松岳へのルート途中にあり、往復3時間程度で行ける八方池。午前中に山歩きをして、午後は散策やおいしいもの巡りといった、山と旅の両方を楽しむことができます。

今回は山歩きがライフワークというモデルの加藤由佳さんが、カメラを片手に白馬村を散策。
実はあまり知られていませんが、稜線だけでなく白馬村の山麓にも、懐かしい町並みやおいしいローカルフードの店など、写真を撮りたくなるスポットやアイテムが多くあります。SNSで「#蕎麦」や「#八方池」といった「#◯◯◯(ハッシュタグ)」をつけて紹介したくなる白馬の魅力を巡ります!
- 今回の山旅プラン
- ・地元カフェでコーヒー豆を買う
- ・山ごはんをテイクアウト
- ・八方池へハイキング
- ・下山後に温泉でほっこり
- ・白馬村内でカメラ散策
- ・信州名物の蕎麦を食べる
- ・白馬限定のお土産を買う
山ごはんは「白馬グルメ」をテイクアウトで!
「山ごはん」というと簡単なインスタントで済ましてしまいがち。でも、山麓にカフェやレストランの多い白馬では、お弁当やサンドイッチといった軽食をテイクアウトして行くことができます。意外と知られていませんが、登山口が町から近い白馬ならではの選択肢なのです。地元素材を使ったブリトーでヘルシーランチ

<ライオンカフェ>は八方バスターミナルからもほど近い交差点の角という便利な場所にあります。店先ではインターナショナルな白馬村らしく外国人客がコーヒーを飲みながら談笑している姿も。

ここでのテイクアウトのおすすめは、メキシコ風ラップサンドの「ブリトー」。片手で食べられて持ち歩きしやすいため、ハイキングのランチにはぴったり。
ユニークなのは、白馬産の紫米を具材に使っている点。名前の通り、紫色をした栄養価が高い古代米で、白馬のご当地食材としても人気。福味鶏という銘柄鶏と野菜もたっぷりでとてもヘルシーです。
LION CAFE
住所:長野県北安曇郡白馬村北城5436-3
電話:0261-72-3860
営業時間:9:00〜16:30(16:00LO) 火曜休
料金:ブリトー各種1,000円
山での極上の1杯には自家焙煎コーヒーを

カフェやレストラン、ゲストハウスなどが軒を連ね、村内でも駅前通りに次いで人気エリアとなっているエコーランドへ。ここで自家焙煎コーヒーや手作りの焼菓子などを販売しているのが<サウンズライクカフェ>。オーナーの中尾和也さんも白馬の山々に魅せられて移住したひとりで、12年前からカフェを営んでいます。

「山でもコーヒーを手軽に飲めるように」と、あらかじめ挽いてお湯を注ぐだけのドリップパックと、30gパックの豆を販売しているのも、登山者にはうれしいサービス。奥さんが焼いているマフィンはコーヒーのお供にもぴったり。

SOUNDS LIKE CAFE
住所:長野県北安曇郡白馬村北城3020-504
電話:0261-72-2040
営業時間:9:30〜16:00(15:00フードLO) 土日祝休
料金:ドリップパック(1杯分)280円、豆30gパック450円、マフィン330円
リフトでお花畑を空中散歩。八方池までハイキング

登山道の始まりとなる八方池山荘までは「八方アルペンライン」を使って行きます。ゴンドラとリフト2本を乗り継ぎ、約40分で到着。そのあいだ足元には一面にお花畑が広がります。

1本目のアルペンクワッドリフトを降りると、長野五輪での女子滑走スタートハウスが。ここからグラートクワッドリフトへと乗り換えれば、登山口はすぐそこ!
八方尾根|八方アルペンライン
八方池山荘から山歩きスタート!

アルペンラインで一気に登って、標高1,830m。赤い屋根とレトロな看板が目印の「八方池山荘」から山歩きを始めます。第2ケルン(息ケルン)までは木道歩きなので、徐々にペースに慣れていきましょう。ゆっくり歩いても、片道2時間程度。休日はハイカーも多いので、譲り合いながら登っていきます。

八方池までのあいだには、6つのケルンがあります。写真の息(やすむ)ケルンは標高2,005mにあります。

来た道を振り返ると、岩岳や栂池高原、雨飾山などを望むことができます。


標高が高いだけに、ガスが出たり抜けたりと山の風景は目まぐるしく変わっていきます。あと少しで不帰ノ劍が見えそう!
山だけでなく高山植物も。被写体はあちこちに!

山がガスで見えなくても、足元にカメラを向けると色とりどりの高山植物が。説明板がつけられている花もあり、被写体にはまったく困らないのが、このハイキングルートのいいところです。
晴れ間を待ちながら、のんびりコーヒー時間

八方池に到着するとベンチがあるので、ここでテイクアウトしたブリトーで軽くランチ。
買ってきた豆でコーヒーを淹れて、しばし天気のご機嫌をうかがいながら、ゆっくり晴れ間待ち。こういうのんびりとした時間の使い方ができるのも、コースタイムの長い唐松岳へのピストン登山にはない利点です。

すっきりガスが抜けたならば、水面に雲や白馬三山、不帰ノ劍などが映し出されます。とはいえ、ガスならガスで幻想的な風景となり趣がある。どちらに当たっても、さすがは北アルプス!という風景に出会えるのが、八方池ハイキングなのです。

白馬の町並みと里山を望むテラスでひと休み

帰路は往路と同じくアルペンラインで下ります。途中、ゴンドラ山頂駅となる兎平でひと休み。見晴らしのいい場所にベンチが置かれており、涼やかな風を感じながら、眼下の町や遠くの山々を眺めることができます。
今回は八方池までのハイキングでしたが、栂海新道を歩いてきたばかりという蕎麦屋で出会った熟練登山者の言葉が印象的でした。
「40年間登山をやっているけど、最初に行ったのが八方池。あそこから見た北アルプスの風景が始まりだったんだよ」
歩いた後は、肌つやつやの温泉で癒やされる


下山して汗をすっきり洗い流しに<八方の湯>へ。駐車場も広く、また八方バスターミナルの向かいということもあり、自家用車派も高速バス派も、どちらも立ち寄りやすく利便性抜群。
とろりとした柔らかい温泉は、pH11と強アルカリ性。湯船に浸かっただけでも、肌がつるつるになるのがわかります。


湯上がりには地元で有名な松田牛乳も販売中。SNSでも「#富より健康」というハッシュタグで人気です。瓶を片手にグビリと飲むと、登山の疲れも一気に吹き飛びそう!
八方の湯
住所:長野県北安曇郡白馬村北城5701-2
電話:0261-72-5705
営業時間:7/17〜10/10は10:00〜21:00(最終受付20:30) ※その他期間は公式サイトにて要確認
料金:大人800円、小人400円
八方の町なかも「すごい」「かわいい」がいっぱい
ゴンドラ山麓駅周辺の八方エリアは入り組んだ路地が広がっていて、散策にはぴったり。戦前より「細野」と呼ばれているこのあたりの集落の人たちが登山の案内人を務め、また登山者を泊めたことから「民宿発祥の地」とされています。

小さな宿が連なる路地沿いにある「白馬の名水」。冷たく、ミネラル分はあるけれどほんのりと甘みある水でのどの乾きも癒やされます。


糸魚川から松本まで続く街道「塩の道」など、白馬村には歴史を感じさせる風景がいたるところにあります。そのひとつが「石仏」。上は比較的新しいものですが「道祖神」。男女一対となり地域の守り神として祀られています。下は「馬頭観音」で荷物などを運搬する馬を祀ったものです。
国際的な山岳リゾートという顔とは別の、江戸時代から地域に息づく信仰の歴史に触れることができるのも、白馬ならでは。

八方エリアから少し足を延ばして、姫川にかかる「白馬大橋」へ。ここは白馬三山を撮影できるベストポイント。最高のショットをおさめようと、観光客だけでなく地元住民がカメラ片手にスタンバイしています。
霧が育てた、白馬産の蕎麦を味わう

ローカル御用達の定食屋や各国料理など、食事のバリエーションも多い白馬ですが、やはり信州に来たからには「おいしい蕎麦を食べたい!」という人も多いはず。そこで訪ねたのが<蕎麦処 りき>です。

「ソバは葉から水分を吸収するので霧の出るところが栽培に適しているんですよ」。そう語るのは、店主の山田力さん。村内でも切久保・落倉地域で育ったソバを石臼で挽いて使っています。
甘みが強く喉ごしの良いソバの実の中心を生かした粉を使うのが店の特徴。まずは何もつけずにひと口。「よく噛むと甘みと風味が口の中に広がる、それが蕎麦の味。つゆや薬味はお好みで。本わさびは蕎麦にのせて食べるのがおすすめ」と楽しみ方を教えてくれた。
蕎麦処 りき
住所:長野県北安曇郡白馬村北城3020-90
電話:0261-85-4311
営業時間:11:00~15:00(売切次第終了) 木曜&第2・4金曜休
料金:天ざる1,680円、ざる蕎麦880円など
あのアウトドアショップの白馬限定アイテムをお土産に

JR白馬駅から八方バスターミナルのあいだは、村いちばんの目抜き通り。とりわけ、アウトドアショップが集中しています。そのひとつが<ザ・ノース・フェイス グラヴィティ 白馬>。1階はショップ、2階はカフェとフィールドインフォメーションデスクが設置されています。

ショップでは白馬限定のアイテムが販売されており、お土産にもぴったり。緯度と経度が書かれたパーカーやTシャツはさり気ないデザインなので「いかにもお土産」感がなく、デイリーユースでも活躍しそうです。


2階のフィールドインフォメーションデスクは2021年4月より始まった試み。白馬岳の山岳気象情報や雪崩情報の提供に加え、現地ガイドから寄せられたフィールドの現況情報を元に、地図を見ながらのルート相談や装備などについてもスタッフがアドバイスを行っています。
登る前の情報収集と登った後のお土産。2回立ち寄りたくなるショップです。
THE NORTH FACE GRAVITY HAKUBA
住所:長野県北安曇郡白馬村北城5930-1
電話:0261-85-2855
営業時間:11:00~19:00(5~11月)、12:00~20:00(12~4月) 不定休
楽しかったハイクの瞬間を「#白馬村」でシェア

今回の山旅では、愛機であるフィルムカメラで撮影していた加藤さん。旅の思い出も、いまはSNSで気軽にシェアできます。
同じ場所、同じ被写体であっても、光や時間帯、撮る人によってまったく違う表現となり、それが共有されていくことで、何倍にもその場所の魅力が引き出されていく。あなただけの山旅の瞬間をぜひ「#白馬村」でシェアしてくださいね。
▼今回紹介したお店の地図はこちら
秋の白馬も写真を撮りたくなる風景が広がる!

今回の白馬山旅は7月下旬の夏シーズン。8月下旬ごろまでは次々に変わる花の八方池を楽しめます。その次にやってくるのが、9月中旬〜10月中旬の秋シーズン。錦繍に彩られた八方池や白・赤・緑の三段紅葉など、夏とはまた違った魅力で迎えてくれます。
山旅シーズンはまだ始まったばかり。のんびりとした山歩きに、最高のシーズンを迎える白馬へぜひ!
Sponsored by 白馬村観光局