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夏山だからこそ気をつけたい!登山のハイシーズンに潜む「5つのリスク」(3ページ目)

④急な気象変化|予報だけでなく、雲や雨の変化を見逃さない

山の天気は変わりやすいです。自分が登っている場所の天気だけ見ていると、あっという間に天気が変わって窮地に陥ることがあります。

天気が移り変わってくる山の西側や日本海側、沢の中では上流の雲の変化にも注意を払い、今後の天気の変化を予測しながら行動しましょう。

風の温度変化や暗い雲が予兆の「落雷」

落雷

出典:PIXTA

夏山では午後になると積乱雲が発達しやすくなります。行動中は雲が発達していないか、暗い雲ができてきていないか意識して行動しましょう。急に冷たい風や生暖かい風が吹いたり、急に湿気た空気が流れてきたら、いよいよ雷が来るという合図です。

遠くで雷が起きている場合でも、高山の場合には横から飛んでくることがあるので油断しないように。避難場所が近くにないこともありますので雷が来る徴候を早めに発見して避難することが大切です。

もし雷雲の中に入ってしまったら、なるべく低いところで小さくなってやり過ごしましょう。30分もすればたいていの雷雲は通過するので、腹を据えて気長に通り過ぎるのを待ちましょう。

無理に通過すると流される危険もある「増水」

普段は右のような涸れ沢も左のように激流となることがある

撮影:林真史(普段は右のような涸れ沢も左のように激流となることがある)

増水した川を無理に渡ろうとして流される事故は、梅雨から台風の時期を中心にしばしば発生しています。急峻な山では上流で大雨が降ればすぐに沢が増水してきます。

大雨の後で登山道に滝となって降り注ぐ沢水

撮影:筆者(大雨の後で登山道に滝となって降り注ぐ沢水)

登山道が沢に沿っていたり、沢を横断する箇所がある場合には、行って大丈夫か、最新の現地情報を元に慎重に判断しましょう。行ってみて渡れないとなった場合は待つか引き返すかして、くれぐれも無理に渡らないように。

⑤ハチ|有毒生物による死者数NO.1

ハチ

出典:PIXTA

山で気をつけなければならない動物はいくつかありますが、夏の里山では特にハチ(スズメバチ)に注意が必要です。刺されてただ痛いだけで済めばまだ良いのですが、アレルギー反応(アナフィラキシーショック)が起きてしまうと生死に関わります

実際に刺される前には周りを飛ばれるなど威嚇行動があります。この時点で気づかずにさらに巣に近づいたり振り払ったりしてしまうと攻撃されてしまいます。静かにその場を離れましょう

夏山だからこそのリスクを知って、楽しく登山を!

登山を楽しむ人

撮影:筆者

夏山で気をつけることをひと通り見てきましたが、いかがでしょうか。改めて見ると、どれもが特別なことではなく、注意深く行動することで回避できる可能性があるリスクです。見落としていたことがあれば、少しずつで良いのでぜひ気を配ってみてくださいね。

まずは誰もが登る夏山にもこういった「リスク」があるということを意識しましょう。繰り返し意識しながら登ることで、対策にしっかり気を配りながらも、余裕を持って周りの景色を楽しみながら登ることができるようになっていきます。そんな姿をイメージしながら、夏山シーズンを楽しんでいただけたらと思います。

 

 

 

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