下山中、足裏が痛すぎて……もうダメ
いつもよりも長い距離を歩く登山。登りは問題なかったのに、下山中じわじわと足裏に違和感が……
最後の最後には一歩地面に踏み込むたびに、筋肉痛のような痛みが走り、泣きそうになりがら下山した。
そんな経験、ありませんか?
ひどい場合は歩けなくなってしまったり、バランスを崩して転倒のリスクが高まったりと、実は侮れない足裏痛。
なんとかこの痛みを打破したいですよね。
そこで今回は、登山者を対象としたトレーニングプログラムの開発を行っている安藤真由子さんに足裏痛の原因とその対処法について伺いました!
痛みに悩んでいた方、必見です。
体育学博士。健康運動指導士。低酸素シニアトレーナー。日本山岳ガイド協会認定登山ガイド。安藤さんについてもっと知りたい人はこちら。
そもそも足裏が痛むのはなんで?部位別に原因を知ろう!
人間の全身は大小200個あまりの骨で構成されていますが、実はもっとも多いのが足底。片足だけで26個、両足を合わせれば全身のうち約4分の1の骨が足底に集中しているんです。
この骨を支えているのが画像にも示している足底筋(そくていきん)。足を構成する骨と関節の、底屈と背屈(曲げ伸ばし)を行う筋肉です。
歩行時の衝撃を吸収するクッションの役割をしていますが、硬くなってしまうと機能が低下することも。ダイレクトにほかの筋肉や腱に負担がかかるようになるため、小さな断裂が起こります。これが痛みの原因になるのです。
足底筋の痛む場所によって、歩行の癖がわかる!?
今回は足裏を大きく3つの部位に分けて、痛みの原因をみていきましょう。
画像の通り、歩行の癖によってダメージを与えてしまうことが多いのです。
つまり、足裏の痛みをなおすには
この2つがとても大切なんです!
それぞれの改善法について詳しくみていきましょう。
《1》足裏に負担をかけない歩き方をマスターしよう
まずは自分の歩行の癖を把握しましょう。足裏の痛みやすい部位が明確な人は先述の画像を参考に。不明確な人は、普段履いているシューズの靴底をチェックするのが近道です。前後左右ですり減り方に偏りや不自然な減り方があれば、歩行の改善が必要かもしれません。
足裏に負担をかけないためには、
・つま先からかかとまで、靴底全体で着地(フラットフッティング)
・上体を起こして、重心をまっすぐに歩く
・静かに次の一歩を踏み出す
・歩幅を小さくする
この4つのポイントを意識しましょう。
重心がぶれやすい斜面の歩き方のコツは?
斜面に対してきちんと靴底全体で地面を捉えつつ、上半身は地球の重心に逆らうことのない「鉛直」の姿勢を維持すること。意識するだけでも、前のめりや後傾姿勢はある程度解消できます。スリップや転倒を防止する安全な歩行のためにも、この体勢を身に付けましょう。
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《2》足裏の硬い筋肉をほぐす
歩き方によって負担をかけてしまうこともそうですが、普段動かしていないと、足裏の筋肉はどんどん硬くなってしまいます。つねにやわらかくほぐしてあげることで、ある程度足裏の痛みは改善可能。
まずは自分の足底筋がどのくらい硬くなっているのかを確認してみましょう。
チェック方法は、足の指でじゃんけんができるかどうか。とくにチョキがうまくできない人は、足裏の筋肉が硬まっている証拠です。日頃からこの足底筋のケアを行うことで柔軟になり、じゃんけんもスムーズにできるようになります。
まずは部位に限らず、足裏全体をケアしてみましょう。