登山中の足裏痛からおさらば!《つま先・かかと・土踏まず》痛む部位の原因と対処法をチェック

2021/08/13 更新

いつもよりも長い距離を歩く登山。登りは問題なかったのに、下山中じわじわと足裏に痛みが出てきた経験はありませんか?ひどい場合は歩けなくなってしまったり、バランスを崩して転倒のリスクが高まったりと、実は侮れない足裏痛。今回は、登山者を対象としたトレーニングプログラムの開発を行っている安藤真由子さんに足裏痛の原因とその対処法について伺いました!痛みに悩んでいた方、必見です。


アイキャッチ画像出典:PIXTA

下山中、足裏が痛すぎて……もうダメ

出典:PIXTA(じわじわと痛む足裏)
いつもよりも長い距離を歩く登山。登りは問題なかったのに、下山中じわじわと足裏に違和感が……
最後の最後には一歩地面に踏み込むたびに、筋肉痛のような痛みが走り、泣きそうになりがら下山した。

そんな経験、ありませんか?

ひどい場合は歩けなくなってしまったり、バランスを崩して転倒のリスクが高まったりと、実は侮れない足裏痛。
なんとかこの痛みを打破したいですよね。

そこで今回は、登山者を対象としたトレーニングプログラムの開発を行っている安藤真由子さんに足裏痛の原因その対処法について伺いました!

痛みに悩んでいた方、必見です。

提供:安藤真由子さん
安藤真由子さん
(株)ミウラ・ドルフィンズ /(株)スマートコーチング所属
鹿屋体育大学・山本正嘉教授のもと登山の運動生理学を学び、2005年同大学院修士課程修了。同年より三浦雄一郎氏が代表を務めるミウラベースキャンプの低酸素室にて、登山者を対象としたトレーニングプログラムの開発と提供を行う。2003年、自転車競技(ロード)のワールドカップ・オーストラリア大会に日本代表として参戦。 体育学博士。健康運動指導士。低酸素シニアトレーナー。日本山岳ガイド協会認定登山ガイド。安藤さんについてもっと知りたい人はこちら

そもそも足裏が痛むのはなんで?部位別に原因を知ろう!

出典:イラストAC、編集:washio daisuke
人間の全身は大小200個あまりの骨で構成されていますが、実はもっとも多いのが足底。片足だけで26個、両足を合わせれば全身のうち約4分の1の骨が足底に集中しているんです

この骨を支えているのが画像にも示している足底筋(そくていきん)。足を構成する骨と関節の、底屈と背屈(曲げ伸ばし)を行う筋肉です。

歩行時の衝撃を吸収するクッションの役割をしていますが、硬くなってしまうと機能が低下することも。ダイレクトにほかの筋肉や腱に負担がかかるようになるため、小さな断裂が起こります。これが痛みの原因になるのです。

足底筋の痛む場所によって、歩行の癖がわかる!?

今回は足裏を大きく3つの部位に分けて、痛みの原因をみていきましょう。


出典:PIXTA、編集:washio daisuke ※画像をクリックすると拡大します
画像の通り、歩行の癖によってダメージを与えてしまうことが多いのです。
インソールや登山靴を変えることで、改善できる可能性もありますが、根本の原因を直さなければ再発してしまうこともあります。
つまり、足裏の痛みをなおすには

この2つがとても大切なんです!

それぞれの改善法について詳しくみていきましょう。

《1》足裏に負担をかけない歩き方をマスターしよう

かかと外側がすり減った筆者の靴・余程ガニ股&急ぎ足で歩いているのでしょうね
撮影:washio daisuke(かかと外側がすり減った筆者の靴。外側に重心がかかっているのが一目瞭然ですね。)
まずは自分の歩行の癖を把握しましょう。足裏の痛みやすい部位が明確な人は先述の画像を参考に。不明確な人は、普段履いているシューズの靴底をチェックするのが近道です。前後左右ですり減り方に偏りや不自然な減り方があれば、歩行の改善が必要かもしれません。

足裏に負担をかけないためには、

・つま先からかかとまで、靴底全体で着地(フラットフッティング)
・上体を起こして、重心をまっすぐに歩く
・静かに次の一歩を踏み出す
・歩幅を小さくする

この4つのポイントを意識しましょう。

重心がぶれやすい斜面の歩き方のコツは?

安定した歩き方
撮影:washio daiske (上半身は鉛直に!)
斜面に対してきちんと靴底全体で地面を捉えつつ、上半身は地球の重心に逆らうことのない「鉛直」の姿勢を維持すること。意識するだけでも、前のめりや後傾姿勢はある程度解消できます。スリップや転倒を防止する安全な歩行のためにも、この体勢を身に付けましょう。

▼歩き方をマスターしたい人はこちらの記事もチェック

《2》足裏の硬い筋肉をほぐす

歩き方によって負担をかけてしまうこともそうですが、普段動かしていないと、足裏の筋肉はどんどん硬くなってしまいます。つねにやわらかくほぐしてあげることで、ある程度足裏の痛みは改善可能。

まずは自分の足底筋がどのくらい硬くなっているのかを確認してみましょう。

足裏じゃんけん
撮影:washio daisuke・撮影協力:Mt.TAKAO BASE CAMP(足裏じゃんけん)
チェック方法は、足の指でじゃんけんができるかどうか。とくにチョキがうまくできない人は、足裏の筋肉が硬まっている証拠です。日頃からこの足底筋のケアを行うことで柔軟になり、じゃんけんもスムーズにできるようになります。

まずは部位に限らず、足裏全体をケアしてみましょう。

足裏全体のマッサージ

足の甲のマッサージ
撮影:washio daisuke・撮影協力:Mt.TAKAO BASE CAMP(足の甲のマッサージ)
足の甲に浮き上がっている足指の骨。その骨と骨の間を手の指で押してあげたり、骨同士を交互に上下に動かすことで、骨と骨の間の筋肉が柔軟になります。

タオル掴み
撮影:washio daisuke・撮影協力:Mt.TAKAO BASE CAMP(タオル掴み)
また、タオルを使った方法も。足の下にタオルを敷き、足指を開きながらタオルを掴んで徐々に近くへ引き寄せていきます。なるべく足の裏全体を動かすイメージで、タオルを蛇腹のように折り畳んでいきましょう。

それでは、部位別のマッサージ方法をご紹介。痛む場所は個人によっても違うので、自分の弱い部分を重点的にほぐしてあげるといいでしょう。どれも自宅でも簡単にできるものなので、習慣化してみてくださいね。

つま先が痛くなる人にオススメのマッサージ

足指のマッサージ
撮影:washio daisuke・撮影協力:Mt.TAKAO BASE CAMP(足指のマッサージ)
足の力を抜いた状態で、足指の一本一本をマッサージしましょう。一本の足指も複数の骨で出来ており、骨と骨との間には筋肉が。指を上下左右に動かしたり回してあげながら、骨をほぐすイメージで行うといいでしょう。

かかとが痛くなる人にオススメのマッサージ

かかとのマッサージ
撮影:washio daisuke・撮影協力:Mt.TAKAO BASE CAMP(かかとのマッサージ)
かかとの両サイドを、手の指でグッと押さえつけてあげましょう。アキレス腱からかかとに向かって、指でもみながら筋肉ほぐしてあげるイメージで行うといいでしょう。

土踏まずが痛くなる人にオススメのマッサージ

足裏のマッサージ
撮影:washio daisuke・撮影協力:Mt.TAKAO BASE CAMP(足裏のマッサージ)
ゴルフボールのような固い球体を、裸足で踏んでみましょう。その状態で足を前後に動かしてグリグリするのがオススメ。特定の痛い箇所があればグッと踏みつけてもOKです。

登山中に足裏が痛くなったら……いざというときの応急処置法

足裏の違和感は早めに対処しましょうね♡
撮影:washio daisuke(足裏の違和感は早めに対処しましょう)
登山中の足裏の痛みは、突然起こるのではなく、徐々に痛くなっているはず。我慢しきれなくなるまで放置するのは禁物です。違和感があったら、靴を脱いでなるべく早く応急処置をしましょう。

足裏を伸ばす&ツボを押す

いったん登山靴を脱いで、まずは応急処置を
撮影:washio daisuke・撮影協力:Mt.TAKAO BASE CAMP(いったん登山靴を脱いで、まずは応急処置を)
まずは登山靴の中で縮こまって、いびつな状態になってしまった足を解放してあげましょう。足指をそらしたり、足指をグー・パーと動かします。

痛む場所が明確であれば、その部位を指で押してほぐしてあげるのも有効。硬くなった筋肉および筋膜が、柔軟性を取り戻して楽になりますよ。

下山前の予防も効果的

撮影:YAMA HACK編集部(山頂からの絶景を楽しんだ後は、足裏の痛み対策もしっかりと!)
下山前に痛みやすい部位をマッサージして、あらかじめほぐしておくこともオススメです。

足裏の痛みを防止して快適な登山を!

出典:PIXTA
登山というスポーツの基本になる「足」。長時間・長距離の歩行で酷使する分、しっかりケアしてあげることが大切ですね。また部位ごとの痛みの原因を知ることで、不自然な歩き方のクセに気付き「痛みにくく・安定した」歩行が身に付くという一石二鳥の効果も!

今回ご紹介したケアや対策を実施して、快適な登山を楽しんでくださいね。

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washio daisuke

登山の総合プロダクション・Allein Adler代表。 登山ガイド・登山教室講師・山岳ライターなど山の「何でも屋」です。 得意分野は読図(等高線フェチ)、チカラを入れているのは安全啓蒙(事故防止・ファーストエイド)。 山と人をつなぐ架け橋をめざしています。

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