マメハンミョウは、本州から九州まで分布しており、その大きさは12〜20mm程度。頭部が赤く、背中の白黒のストライプ模様が特徴的な昆虫です。
幼虫期は、イナゴやバッタなどの卵を食べる肉食性。成虫になるとシロツメクサなどの野草を食べる草食性で、ソラマメを育てているような畑やマメ科植物の多く生えるエリアに生息し、農業害虫としても知られています。
ただツチハンミョウと同じく、特別密度高く生息するタイプの虫ではありません。
食べたら死ぬ!?強烈な毒性
マメハンミョウも、カンタリジン成分を含んだ黄色い毒液を関節から分泌します。以前は、マメハンミョウを乾燥させて粉にし、食事に混ぜることで暗殺に使われたという怖い説も…。
1〜2匹ほどで致死量に至るという恐ろしいマメハンミョウですが、微量使うことでかつては薬として活用されていたこともあります。
もし遭遇しても、触れることはもちろん間違っても口にしてはいけません。
毒液が引き起こす怖い被害
ツチハンミョウやマメハンミョウが分泌する毒成分のカンタリジンが皮膚についても、直後の自覚症状はありません。
しかし、数時間後には火傷のような赤くヒリヒリとした痛みを伴うようになり、ただれたり水ぶくれなどの症状につながる場合もあります。
見つけても決して触れない
ツチハンミョウは毒を持つ危険な虫ではありますが、普段は地面を歩き回り飛ぶことがないので、向こうから襲いかかってくることはありません。
そのため、こちらから触れない限り被害に遭うことはないでしょう。もし見つけても、珍しい姿に興味本位で触らないようにしてください。
もしもの時はそっと排除
「手をついた柵」、「座ったベンチ」に危険生物がいて被害に遭う…こんなケースも珍しくはありません。できれば、登山時にベンチや柵などに触れる際、危険生物がいないかよく確認する習慣を持ちたいですね。
ツチハンミョウが有毒で触れてはいけないことを知っていると、事前に事故を予防することができます。
万が一、偶発的にツチハンミョウがウェアなどについた場合は、体液がつかないようにそっと取り除きましょう。
毒液に接触した時の応急処置手順
登山中に、運悪くツチハンミョウに触れてしまった時の応急処置の手順をご紹介します。
しっかり処置することで予後も変わってきますので参考にしてください。
①患部を水洗い
黄色い体液がついてしまったら、すぐに患部を水でよく洗い流してください。体液がついたままでいると、炎症症状が現れるため、できるだけ素早くしっかりと洗い流すことが大事な応急処置になります。
②抗ヒスタミン薬を塗布
よく洗い流したら、ステロイド配合の抗ヒスタミン薬を患部に塗りましょう。こうした薬剤を塗布することによって、ただれや水ぶくれなどの症状の軽減が期待できます。
③重い症状の場合は病院へ
上記の応急処置をしても、ただれや痛み、水ぶくれが酷い場合には、下山後に病院を受診するようにしましょう。基本的に命の危険につながることがないとはいえ、無理は禁物です。
出会っても触らなければ大丈夫!うっかりに気を付けて
こわい毒液を分泌するツチハンミョウですが、飛ぶことができないので、向こうから襲いかかってくる心配はありません。
そのため、出会ってもこちらからちょっかいを出さなければ心配無用。ツチハンミョウを知っているだけで、未然に事故を防ぐことが可能です。珍しい…とうっかり触らないように注意しましょう!