タカラトミーアーツさん、やってくれましたね
突然ですが、流しそうめんはお好きですか?
流れゆくそうめんを箸で突き合う白熱した行事──流しそうめんは日本の伝統的な夏イベントのひとつです。
そして2021年、満を持してタカラトミーアーツより最強のおもちゃが発売しました!
それが……
\流しそうめんPocket/
これひとつあればいつでもどこでも流しそうめんができるという携帯型流しそうめん装置。流水を作るモーターパーツ、薬味入れ、そばちょこがセットになっています。
そして注目すべきは、タカラトミーアーツ公式がアウトドアでの使用を想定している点です!
これは……登山×流しそうめんが実現する時が来たのでしょうか。
また流しそうめんPocketのPR動画がスタイリッシュなので要チェックです。私は思わず吹き出してしまいました。
これがポータブル流しそうめんPocketだッ
早速、我が家に流しそうめんPocketがやってきました。すぐに山へ連れ出します。
箱の中には白色の筒状の物体が。ケースがそばちょこと薬味ケースとなっており、中にモーターパーツが入っているようです。洗練されたデザインに開発者の流しそうめん愛を感じます。
ライターと比べたサイズ感がこちら。POCKETの名前通り小型で持ち運びしやすい大きさです。
手のひらにちょこんと乗ります。『見た目はただの食器セット、中身は流しそうめん専用機器!』というギャップがこれまた良いです。
中身を展開してみました。左から薬味ケース、そばちょこ、モーターパーツと至ってシンプルです。
モーターパーツを動かすために単三電池が2本必要となります。
ちなみに単三電池2本をセットした状態での総重量は211g。例えるならば一般的な缶コーヒー+αほどの重さでしょうか。
シリアスな登山でない限り許容範囲の重量かと思いましたが……そもそもシリアスな登山で流しそうめんをすることはないですものね。
さぁ、山頂でそうめんを流しますよ~!
山頂で流しそうめんをしてみた
意気揚々と流しそうめんの準備を開始!……したのですが、山の中で流しそうめんをするにあたり、いくつかの課題が見えてきました。
よし麺を茹でるぞ……って水足らんがな
乾麺のそうめんを持参した筆者。調理は茹で工程からスタートします。
本来ならば一束あたり1Lのお湯でたっぷりと湯がくのがベストといいますが、今回持参した水は合計500mL。途中で何度か飲んでしまったこともあり、少々心許ない水量しか手元にありません。
まあいいや、とそうめんを投入するの図。このときの筆者は「茹でさえすればこっちの勝ちよ」と思っています。あくまでも前向きです。
そして茹で上がった様子がこちら。人口密度ならぬ麺密度が高いゆで汁となりました。
ここで改めて、茹で工程からスタートする場合の必要水分を確認しましょう。
①麺を茹でる用の水
②そうめんを流す用の水
③麺汁を希釈する水
全500mLしか持参していないとなれば、200mL+200mL+100mLで割り振るも、厳しいのは火を見るより明らか。
流しそうめんってこんなに水を必要とするものなんですね……。計画不足でした。
流れるか?いやこれは「滞りそうめん」では…?
さあ、筆者の無計画さが露見した今、雲行きが怪しくなってまいりました。
取り出したるはメスティン。こちらの中でそうめんを流していく予定ですが、四角という形状に始める前から一抹の不安を感じます。
「強力モーターなら流れるはずだ。いや流れるんじゃない、流すんだ!」
煮え立った麺をメスティンにセット。そして……!
流れませんでした。
流れない原因として考えられるのは、やはりメスティンの形状でしょう。容器を丸形に変えてみます。これで……!
やっぱり流れませんでした。
これじゃ流しそうめんんじゃなくて、滞りそうめんだよ。泣き言を漏らしながら試行錯誤します。
モーターの動力に対して、水が少なく容器が小さい。一方で麺が多すぎるようです。見た目からして今の状態は真夏の東京サマーランドの流れるプール、芋洗い状態です。
流す麺を減らし、祈るような気持ちでモーターのスイッチをオン。すると……
流れた…!麺が流れたーッ!
「ああ〜、流れた!やったぁ」
山頂で流しそうめんを眺めながらひとり感動に浸っている大人がいましたら、それは私です。薬味をつゆに投入し、流れゆく麺をつまみます。
【わかった】これで次回からもっと流しそうめんが楽しくなる
さて、楽しめた一方で多くの反省が残ったひとり流しそうめん登山。帰宅したのちに、改めて反省会を行いました。
絶対正義、茹で工程不要の「水でほぐすだけでOKな麺」
そもそも山で麺を茹でさえしなければ、水不足にも悩まされることがありません。
つまり活躍するのは、茹で工程不要・水でほぐすだけで食べられる麺製品です。事前に調達し保冷しつつ山頂まで運べば、お湯を沸かす必要がなくなるため、水分の節約にもなる上に時間短縮にもつながります。
筆者はこの事実に気付いたときに、あまりの単純明快な答えにヒザから崩れ落ちてしまいました。
現地で麺を茹でるのなら、レトルトお吸い物・味噌汁があると◎
現地で麺を茹でるのならば、茹で汁の処理に困ることでしょう。実際、筆者はゆで汁にめんつゆを投入し、そば湯のようにして飲み干したのですが、味は飽きお腹はたぷたぷになるため、工夫の必要性を感じました。
もしゆで汁が発生するようであれば、別の味のレトルトスープやフリーズドライ食品を持参するのがおすすめです。ゆで汁は若干塩気が帯びるため、コーヒーなどの食後の飲み物への活用は少々厳しそうでした。
難易度低めの山と相性がいいかも〜
タカラトミーアーツといえば、今までも究極の卵がけごはんを作る「究極のTKG」や、自宅でタピオカ風ゼリーを作れる「タピッてグー!」など、食品×おもちゃを組み合わせた斬新な商品が印象的でした。
そして今回登場した「流しそうめんPocket」はハンディ型でアウトドアにも対応し、食の楽しみを広げてくれるきっかけにつながります。
「流しそうめん登山」をするならば流しそうめんが主眼となるため、
■山の難易度は低めに
■麺汁を飲むのでコース上にトイレがあると良い
を意識してフィールド選びをすると良いでしょう。
さて、次はどの山で流しそうめんをしようかな。
何度も登って飽きてしまったあの山でも、なんだか胸がわくわくしてしまうんです。そう、流しそうめんPocketを持ってさえいれば。