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何回も登ってるんだから、遭難するわけないっ!

「絶対に迷うはずがない」と。
ただそんな彼が

彼が遭難してしまった理由は何だったのでしょうか。
それは

これはあくまでも仮想のお話。ただ、もしかしたら明日は我が身かもしれません!
「自分は大丈夫」は、大丈夫じゃないかも
山の経験値が高くなればなるほど、知識や自信がついていきます。「自分は大丈夫」と思っていても、もしかしたらそれって慢心かも……。どんなに準備をしていても、遭難は誰にでも起こりうることなのです。今回インタビューした平田さん(仮名)は、登山歴15年。日本だけでなく海外の未踏峰にも挑戦している登山者です。そんな彼が当日判断を誤り、遭難してしまいました。
平田さんはどんな対策をしていたら、よかったのでしょうか。当日の状況とともに、「遭難のリスクを最小限に抑える」ために実行するようになったことを伺いました。
馴染みのある山だから。「迷う」なんて思ってもいなかった

「ちょっとした油断」は、なぜ起きてしまったのでしょうか。
遭難した原因は何でしたか?

同行者の「こっちだね」という言葉に疑いを持たず、自分も誤った選択をしてしまいました。お互い経験と信頼がある分、「この人が間違えるわけない」と思ったんです。
もちろん地図とコンパスで方向確認を随時していました。ただ今思うと「大丈夫だろう」という慢心により、「確実に判断すること」が疎かになってしまっていたんだと思います。
携帯にGPSアプリを入れていましたが、上手く座標をキャッチできていなかったので、確認をせずザックに入れっぱなしでした。そのため、正しいと思い込んだまま誤った道へ進んでいってしまったんです。
1番に考えたのは家族のこと。2番目に仕事のこと。

救助を呼ぼうにも電波がない。そんな状況のなかで、同行者とともに冷静に状況を整理して、最前の策を考えました。その時の心情と対応について伺います。
自分が遭難したとわかった時、どんなことを考えましたか?

ただそうすると、「すぐに家へ帰るため」が先行して、ついムリな判断をしてしまいそうに。的確な判断ができないと思ったので、ただ自分が生きて帰ることだけに集中しました。
具体的にどんな行動をとりましたか?


「ヒトココ(※ココヘリ の旧名称)持っていますよね!?」と救助隊の方にいわれてハッとしたんです、これのおかげだったのかと。
事前に家族へ山岳捜索サービスであるココヘリのIDと下山予定日を伝えていたので、いち早く救助の連絡をしてくれていたんです。何かあったときのお守として身につけていましたが、まさかこれに助けられるとは。
「本当に見つかるんだ」という感動と救助隊が来てくれたことに対しての安堵の気持ち、そして迷惑をかけてしまって申し訳ないという気持ちでいっぱいでした。
家族も随時連絡を受けていたようで、状況を確認できて安心できたそうです。本当に持っていてよかったと心から思いました。
山へ向けて、家を出た瞬間から「遭難している」つもりで

あらためて自分の知識や技術、装備の不足を実感したという平田さん。登山に対してどんな意識や準備が変わったのでしょうか。具体的な対策について伺いました。
遭難後、山登りに対して変わったことは何ですか?

自分がどんな状況になっても、対応できるように「スタートから遭難しているつもりで」ありったけの準備をしておく。その大切さに気づいて、以前よりも積極的にできるかぎりの装備を用意するようになりました。
必ず準備するようになったものを教えてください。

・ココヘリ
・GPS
平田さん:知識や技術の見直しに加えて、遭難対策の装備としては、この2つを必ずもつようにしています。今回もしも足を怪我して動けなくなっていた場合、ココヘリを持っていなかったら見つかっていなかったかもしれません。
また、スマートフォンのGPSアプリに加えて、単体機器も用意するように。機器には疎い私でしたが、登山のGPSツールを探すと本当に性能がいいものばかりで驚きました。
どんな状態になっても生きて帰れる知識や技術はもちろん、装備も常にアップデートすることで、遭難のリスクは最小限に抑えられるのではと思います。
登山者として、できる限りの備えを

自分の知識や技術はもちろん必要ですが、そのほかにも安全管理のための装備は日々進化しています。リスクを最小限にするためにも、装備を積極的に取り入れていみてはいかがでしょうか。
自分のためにも、大切な家族のためにもありったけの備えをして登山へ出かけたいですね。
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