「ブッフブルギニヨン」って何だ?!山ごはんの定番<無印良品>のレトルトをシェフが実食レビュー(2ページ目)

 

本場のレシピは?(森さん)
主材料は羊または仔羊の肩肉、バラ肉、首肉など煮込み料理に向いた部位とカブやジャガイモ、ニンジンといった季節の野菜です。だし汁やワインを使わずに水で煮込むのですが、ポイントは肉が柔らかくなるまでじっくり煮込むことですね。
一般的には鍋ごとオーブンに入れて1時間くらい煮込みます。野菜に合わせて下処理の方法や、調理時間を変えるとよりプロ風の仕上がりになりますよ。

 

オーブンで1時間とは!煮込むといっても鍋ごとオーブンに入れるとは、日本の「煮込む」とまったく次元が違います。

スープを掬う

撮影:筆者

それでは実食です。

森さん
クセもなく食べやすいものに仕上がっているのではないでしょうか。煮込み料理としておいしいと思います。ただ、トマトや他のうまみ要素が強すぎて羊肉の味がほとんど感じられない点は、本場の料理とは少し違うように思います。

筆者が実際に食べてみたところ、ほのかに羊肉の風味が漂うトマト煮込みといった味わいでした。バリバリのラム肉好きにとっては物足りないと思いますが、「あれ、ちょっとオシャレな味がしますな」といったワンランク上の仕上がりとなっています。

ロコモコ|「ハンバーグのせごはん」とは言わせない

ロコモコ

撮影:筆者

こちらはカフェなどでも見かけることが多い「ロコモコ」。実はハワイ発祥の料理。

ロコモコはごはんの上にハンバーグと目玉焼きをのせて、デミグラスソースやグレイビーソースのような茶色いとろみのあるソースをかけた料理です。ハワイの日系人の間で生まれたのではないかといわれています。(解説:森さん)

へぇ〜、日本人とも縁があるお料理なんですね。だから今回紹介する中でも、食べ慣れている、味の想像がつきやすいという安心感があります。無印の商品名も「ハンバーグの煮込み」ではなく、「ロコモコ」と唯一現地の名前のままなのに納得。

本場のレシピは?(森さん)
アメリカでは、肉を焼いた焼き汁に小麦粉でとろみをつけてグレービーソースをよく作りますので、はじまりはそれをそれをそのまま使ったのではないかと思いますが、缶詰などのデミグラスソースでもよいと思いますよ。

 

ロコモコ丼

撮影:筆者

それでは実食です。

森さん
なかなか再現度は高いかと思います。ハンバーグの柔らかさがちょうどよく、弾力が残るように作られているのではないでしょうか。 ソースは本場の料理に比べるととろみ加減が少ないように感じましたが、ごはんと混ぜやすいですし、とてもおいしいと思いました。

森さんのコメント通り、ハンバーグが本格的でボリューム感もばっちりでした。ハンバーグの中まで熱が入るように、湯煎でじっくりと温めるとよりおいしく食べられるでしょう。「ただのハンバーグ乗せご飯じゃん」とは言わせません。れっきとしたハワイ料理、ロコモコです。

カチャトーラ|言葉の響きから、すでに陽気なイタリアン

カチャトーラ

撮影:筆者

かちゃとぉら……なんだか踊り出しそうな雰囲気の料理名ですね。イタリアっぽいといえばイタリアっぽい陽気な語感ですが、どういった意味でしょうか?

 

Alla Cacciatora(アッラ・カッチャトーラ)はイタリア語で「猟師風」という意味です。 肉を焼いた後に香草などを加えて軽く煮込んだ料理を指します。トマトを使って煮るものや、酢の味を効かせて白く仕上げるものなど、バリエーションが豊富です。 鶏やうさぎの肉を使うのが一般的で、仔羊を用いることもあるんですよ。(解説:森さん)

 

たしかに最近は日本のレストランでも「猟師風煮込み」と書かれたメニューを見かけます。ずばり作り方のコツは?

 

本場のレシピは?(森さん)
煮込み料理風の仕上がりではあるものの、肉をしっかり焼くのがポイントです。 充分に火を通して、肉の旨みを凝縮させてから、少なめの液体の中で軽く煮て、煮汁をからめて仕上げます。骨付き肉を使えば、出し汁を使わずに水だけで煮ても、味を出すことができます。

 

おいしさを引き出すために、しっかりと肉を焼いた後に煮込む。家のキッチンではともかく、焼く&煮込むというのは山では再現が難しい。燃料だってバカになりません。

カチャトーラとパン

撮影:筆者

それでは実食!

森さん
鶏のトマト煮込み料理と捉えると非常に完成度が高いですね。特にオリーブの風味がいきていると思いました。
仕方がないかもしれませんが、レトルトにすることで鶏肉がパサパサしていたのが少し気になりました。あと私はカチャトーラと言われるともう少し酸味が強いイメージですね。

言うなれば「THE本格的でおしゃれな鶏のトマト煮込み」でしょうか。具材もゴロゴロ大きく入っており、トマトの酸味もほどよくそそります。これはカリカリのパンに乗せて食べるとたまらん山ごはん部門の優勝候補でしょう。

ブッフブルギニヨン|難読料理は「ブルゴーニュの牛」?

ブッフブルギニヨン

撮影:筆者

ぶぶ、ぶっふぶるぎによん……。カチャトーラ以上に名前の圧が強いこの料理。ひと息で発音できるか微妙です。

こちらはフランス料理のひとつです。ブッフ(bœuf)は「牛」、ブルギニヨン(bourguignon)は、「ブルゴーニュの」という意味の形容詞。すなわち、ブルゴーニュ地方風の牛肉の煮込み。牛肉の塊を赤ワインで煮込み、煮汁をソースにします。
付け合わせには、拍子木切りにした塩漬け豚ばら肉のソテーや小玉ねぎのグラッセ、シャンピニョンのソテー、ヌイユと呼ばれる手打ちの生麺を添えるのが定番です。(解説:永田さん)

 

付け合せが「シャンピニョン」。またもや難解ですが、これはキノコのことだそうです。

 

本場のレシピは?(永田さん)
バラ肉や肩ロースなどの塊の牛肉と香味野菜を炒め、小麦粉でとろみをつけ、材料が浸るくらいの赤ワインで煮込みます。鍋に蓋をして2~3時間くらいかけてじっくり煮込みます。煮汁は漉してソースに仕上げ、肉を戻して少し煮てなじませたらでき上がりです。
調理上でのポイントは肉の表面をしっかり焼いて、焼き色をつけること香味野菜をじっくり炒めて甘みを引き出すことです。赤ワインだけで煮込むこともありますが、出し汁(フォン・ド・ヴォ)を加えるとよりおいしくなりますよ。

 

うおぉ、2〜3時間煮込むと。これはダッチオーブンをもちこむキャンパーならまだしも、山の調理器具では到底作れません!

ブッフブルギニヨンを食べる

撮影:筆者

それではお待ちかねの実食です。

永田さん
香ばしい香りがしっかりとあり、完成度は高いと思います。 「赤ワイン煮」と名付けるには赤ワインの風味があまり感じられませんが、牛肉の煮込みとしておいしいと思います。市販のルーやデミグラスソースなどで作ったビーフシチューとの違いがしっかりと感じられてよいですね。

永田さんが言うように、これは確かに完成度の高い牛肉の洋風煮込みです。そしてお値段に対する肉の量が凄まじい。こんなにいいの? 無印さん。

一方で永田さんの指摘通り、赤ワインの風味が足りないようにも感じます。お酒好きの人は赤ワイン片手に、お酒要素を補完しながらいただくことをおすすめします!

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