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【ガイド監修】雪山に行くなら覚えておきたい!もしもの時に備えた「雪洞」の作り方(2ページ目)

覚えておきたい、掘るときの”コツ”

使わない道具は雪に立てておく

道具を雪面に置かない

撮影:筆者

雪の上では、物を不用意に置くと埋もれて分からなくなってしまったり、雪面を滑り落ちていったりすることがよくあります。雪面に刺さるものは刺して立てておく、そうでないものは雪面を踏み固めたりシャベルで掘ったりして平らなところを作り、そこに置きましょう。

雪はブロックのまま掘り出す

雪を掘るコツ

撮影:筆者

雪は積もった形のまま掘り出す方が手間がかかりません。バラバラに崩れてしまうと体積も増えてしまい一度にすくえません。写真の例では、向こう側にショベルで切れ目を入れ、横側に切れ目を入れ、最後にすくい取っています。
ブロック状の雪

撮影:筆者(すくい取った雪の塊)

ショベルの歯が立たないときは鋸で切れ目を入れる

雪面に切れ目を入れた様子

撮影:筆者

深く掘っていくと雪が締まっていてショベルの刃が立たないことがよくあります。そんなときには鋸で切れ目を入れてからショベルで掘ると、塊のまま掘り出すことができます。

大きな雪洞を掘るときはツェルトなどで掘った雪を運び出す

大きな雪洞を掘るときには掘る場所と出入り口が離れてしまうので、できるだけ掘った雪をまとめて運び出した方が効率的です。ツェルトなどに乗せて運ぶとよいです。

雪洞で注意しておきたい事

換気口を作る、目印を立てる、入口を塞ぐ

大事なポイント

撮影:筆者(雪洞の上に木の枝で×印を作りました。赤布など目立つものをつければより良いです。)

寝ている間に酸欠や一酸化炭素中毒にならないように、念のため、木の枝などで換気口を開けておきましょう。
また、スキーや山登りで下って来た人が知らずに雪洞の上に乗らないように、雪洞の上に目印(あるいは障害物)を立てておきましょう。

雪洞暮らしで気をつけること

雪道の中で過ごす人々

撮影:由井義仲

・万が一、雪洞が潰れたりして閉じ込められたときのために、スコップは必ず雪洞の中に入れて過ごしましょう。
・酸欠や一酸化炭素中毒のリスクを避けるため、また屋根から水が垂れてきて装備が濡れないように、荒れていてとてもではないが外では炊事できないというとき以外はなるべく外で煮炊きしましょう。中でやる場合もなるべく出口付近でやると良いです。

撤収するときはショベルで雪洞をつぶしましょう

撤収

撮影:筆者(雪洞を潰した後の雪面)

無事に一夜を過ごした雪洞を後にするのは名残惜しいですが、雪洞を潰しましょう。そのままにしておくと、雪洞の出口側に大きな段差が残ってしまい、特にスキー・スノーボーダーにとって危険です。
また、雪洞の空洞は雪がだんだん融けてきたときに天然の落とし穴になってしまいます。後で通る人の安全も考えて後始末しましょう。

練習すれば1時間ほど!万が一に備えて練習してみましょう

笑顔の筆者

撮影:筆者

雪洞は練習すれば、ひとり用なら1時間あれば掘れます。予め雪洞泊で山行を計画して、テントを持たず軽量化することもできます。
また物置の棚を作ったり土間を作ったり、自分の好みに自分の一夜の「家」を作る楽しみも。時期によってはクリスマスやお正月の飾りで彩るのも乙ですね。
まずは練習がてら、雪洞を掘って泊まることだけを目的に一夜を楽しんでみるとよいでしょう。

雪の山の楽しみと自由を広げてくれて、万が一の時にはお世話になるかもしれない雪洞、この冬に挑戦してみてはいかがでしょうか。
※未経験者だけでの雪洞泊チャレンジは危険なので、経験者と一緒に挑戦するか、いつでも中断できる状況で行ってください。

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