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「発信すること」が山の楽しみの1つに

そんな多様化する登山の楽しみで特に活発になっているのが、「自分の登山を発信すること」。各種SNSでの発信を通して、多くの人が山好き同士の交流を楽しんでいます。
そこで今回、『かほの登山日記』という人気YouTubeチャンネルを運営するかほさんに、東京都最高峰の雲取山を目指しながら「自分の登山を発信すること」の楽しさや苦労について聞いてみました。
かほさんのプロフィール
「喜んでもらう」✕「動画」。
好きなコトの掛け合わせが原動力

平日にも関わらず、10組以上の人に声をかけられており、その人気っぷりがうかがえました。
編集部 大迫
コロナなどで取材が延期になるなど、いろいろありましたがやっと取材ができますね!
かほさん
一番早く連絡をいただいたので、楽しみにしてました。よろしくお願いします。
自分の好きなことで、喜んでもらえるのがうれしい

編集部 大迫
チャンネル登録者数からも、多くの人が動画を楽しみにしていることがわかります。
今日も何人かいましたが、よく声をかけられるんですか?
今日も何人かいましたが、よく声をかけられるんですか?
かほさん
そうですね。「いつも見てるよ~」とか「応援してます」など、あたたかい言葉をかけていただきます。
写真を撮ることで視聴者さんに喜んでもらえるのも、素直に嬉しいです。
写真を撮ることで視聴者さんに喜んでもらえるのも、素直に嬉しいです。
編集部 大迫
一緒に写真を撮った方に話を聞いたんですが、こんな風におっしゃっていました。
プロのガイドでもない一般女性が、少しずつレベルアップしていく様子に親近感が湧きます。
失敗したり、間違えたりする様子もありのまま動画に組み込まれていることや、撮影時に周りの様子を気にしながら声が小さくなったりするようすなど、素人感(手作り感)がリアルさを演出しており、共感を得られやすいのだと思います。
これからも素のままの動画を期待しています。
編集部 大迫
You Tubeのコメント欄も「かほさんの頑張る姿で、私も頑張れます」など、ポジティブな内容が多いですね。
かほさん
テレビの仕事をやっていた理由も「多くの人に楽しいことを届けたい」と思っていました。
なので、視聴者さんに喜んでもらえるのはありがたいです。
なので、視聴者さんに喜んでもらえるのはありがたいです。
編集部 大迫
かほさんの動画を通じて、登山をやっていない視聴者さんにも山の魅力が伝わっているところは、山の魅力を多くの人に伝えたい私たちも凄いと感じています。
かほさん
登山も動画もどちらも自分が好きなことなので、登山をやる人はもちろん、やったことがない人にも楽しんでもらえているのは励みになりますね。
登山が仕事になったら、楽しさが増えた

編集部 大迫
かほさんって、めちゃくちゃ山に登ってますよね?
かほさん
そうですね。夏の時期は週2~3日くらい登っていました。
やっぱり山に登る動画の視聴回数が多いので、視聴者さんもそういう映像を求めているんだろうなと思います。
やっぱり山に登る動画の視聴回数が多いので、視聴者さんもそういう映像を求めているんだろうなと思います。
編集部 大迫
いくら山が好きでも体力的にきつかったり、仕事になってくるとプライベートの時のように純粋に楽しめなくなりませんか?
かほさん
体力は正直しんどいこともあります(笑)が、そんな時はしっかり休みます。
それに、山は仕事にしたことで楽しめなくなったどころか、楽しみが増えました。
それに、山は仕事にしたことで楽しめなくなったどころか、楽しみが増えました。
編集部 大迫
どういうことですか?
かほさん
趣味で登っていた時は、ただ自分が楽しいというだけでした。
でも、今は動画できれいな景色や山での体験を見てもらうことも楽しみになったんですよ。
でも、今は動画できれいな景色や山での体験を見てもらうことも楽しみになったんですよ。
編集部 大迫
「山に登る」という自分だけの楽しみに、「動画を見て喜んでもらう」という人と関わる楽しさがプラスされたんですね。
かほさん
あと、仕事として”責任感”を持って山に登ることで、動画の編集も突き詰められているんだと思います。
「求められるものは何か?」発信者としてのルール

しかし、発信を長く続けて影響力が出てくると、楽しいだけではうまくいかないこともあるようです。
無理をせずに、万全を期す

編集部 大迫
視聴者さんが増えて影響力もでてくると、安全への配慮に関しても責任が生まれます。
例えば、歩きながらの撮影はある程度危険が伴ってくると思うのですが・・・。
例えば、歩きながらの撮影はある程度危険が伴ってくると思うのですが・・・。
かほさん
そうですね。
自撮りしながら歩く時は、撮影していない時よりも足元に注意しながら歩いています。
実は、カメラで撮影している時よりも、撮影していない時のほうがコケたりしてますね(笑)。
自撮りしながら歩く時は、撮影していない時よりも足元に注意しながら歩いています。
実は、カメラで撮影している時よりも、撮影していない時のほうがコケたりしてますね(笑)。
編集部 大迫
その他、気をつけていることはありますか?
かほさん
悪天候時は、映像的な撮れ高のこともありますが、やはり安全面の理由で行かないようにしています。
あと体調面に関してだと、昔は深夜バスを使って弾丸で行くこともありました。
でも今は、多少お金が高くついても新幹線を使ってホテルで前泊するなどして、万全の体調で山に登れるようにしています。
あと体調面に関してだと、昔は深夜バスを使って弾丸で行くこともありました。
でも今は、多少お金が高くついても新幹線を使ってホテルで前泊するなどして、万全の体調で山に登れるようにしています。
編集部 大迫
登山前夜にも行程を書き出すなど、やるべきだけど多くの人がサボりがちなことも、きちんとやっていましたね。
かほさん
安全面でも体調はもちろん大事ですし、映像を見て楽しんでもらうためにも体調管理には気をつけています。
視聴者さんが私の動画に求めているのは、元気な姿だと思うので。
視聴者さんが私の動画に求めているのは、元気な姿だと思うので。
求めてくれる人のために、発信していきたい

編集部 大迫
表舞台にたって動画を届けるということは、いろんな意見を言われると思います。
中には、思いやりのない言葉を向けられることもあると思うんですが・・・。
中には、思いやりのない言葉を向けられることもあると思うんですが・・・。
かほさん
そうですね。
昔、心無い言葉を向けられて、そのことばかり考えてしまい、動画の編集ができないことがありました。
昔、心無い言葉を向けられて、そのことばかり考えてしまい、動画の編集ができないことがありました。
編集部 大迫
しかし今現在、かほさんは発信を続けています。
どうやって気持ちを切り替えたんですか?
どうやって気持ちを切り替えたんですか?
かほさん
友達に相談した時に言われたんです。「誰のために発信しているの?」って。
もちろん間違いの指摘や要望は受け止めて改善する努力をします。
でも、石を投げつけてくる人のことばっかり気にしてちゃいけないって気づけました。
もちろん間違いの指摘や要望は受け止めて改善する努力をします。
でも、石を投げつけてくる人のことばっかり気にしてちゃいけないって気づけました。
編集部 大迫
つまり、かほさんが発信しているのは、動画を見てくれる人に喜んでほしいから。
だから、喜んでくれる人たちのことだけを考えようということですか?
だから、喜んでくれる人たちのことだけを考えようということですか?
かほさん
はい。
私を求めてくれる人のために、時間や労力を使うべきだと思ったんです。
それに石を投げてくる人も増えたんですけど、それ以上にあたたかい言葉の花束で応援してくれる人が増えたことに気づけました。
私を求めてくれる人のために、時間や労力を使うべきだと思ったんです。
それに石を投げてくる人も増えたんですけど、それ以上にあたたかい言葉の花束で応援してくれる人が増えたことに気づけました。
編集部 大迫
ネガティブなことに囚われず大切なことに気づけたのは、とてもいい経験ですね。
いろんな方法で楽しさを発信していきたい

今後の活動については、どのように考えているのでしょうか?
人を巻き込んで、いろいろなことを実現する力をつけたい

編集部 大迫
登録者数10万人を越えて、YouTubeで生活していくための1つの目安を越えたと思います。
次はどこを目指すんですか?やはり、登録者数を増やしていくことですか?
次はどこを目指すんですか?やはり、登録者数を増やしていくことですか?
かほさん
生活もかかっているので、運営のために数字的な部分は大切です。
でも、数字だけ求めていては楽しさがなくなってしまうので、チャンネル運営者と個人としてうれしいことは別で考えるようにしています。
でも、数字だけ求めていては楽しさがなくなってしまうので、チャンネル運営者と個人としてうれしいことは別で考えるようにしています。
編集部 大迫
数字は大事だけど、視聴者さんが喜んでくれることをやる!ということですね。
YAMA HACKにとっても、メディアの運営をするため客観的なデータは大事です。
しかし、根本の部分は読んでくれている人の役に立ったり、新発見につながったりしたいという気持ちなので、かほさんの考えにはとても共感します。
YAMA HACKにとっても、メディアの運営をするため客観的なデータは大事です。
しかし、根本の部分は読んでくれている人の役に立ったり、新発見につながったりしたいという気持ちなので、かほさんの考えにはとても共感します。
かほさん
会社員時代も、ずっと企画に関わる仕事をしてきました。
なので、動画というフォーマットを大切にしながら、視聴者さんに楽しいと思ってもらえることを考えてやっていきたいんです。
なので、動画というフォーマットを大切にしながら、視聴者さんに楽しいと思ってもらえることを考えてやっていきたいんです。
編集部 大迫
今は、登山動画や山ごはん動画がメイン企画ですが、今後はどういうものを考えていますか?
かほさん
1つは今も少しずつやっているんですが、山小屋の様子を伝える企画をやりたいです。
山小屋ってまだまだ見えていない部分もあると思いますし、もっとその魅力を知ってもらう一助になれたらと思います。
山小屋ってまだまだ見えていない部分もあると思いますし、もっとその魅力を知ってもらう一助になれたらと思います。
編集部 大迫
視聴者側としても、山小屋がどういうところか具体的にわかると、不安もなくなりますね。
かほさん
もう1つは、下山後の観光。温泉やグルメなど、山の周辺の情報も知りたいという声もあるので、そこもやっていきたいです。
編集部 大迫
ただやりたい!だけではなく、「喜んでもらいたい」という軸が通ってますね。
登山の面でも、チャレンジしたい!

かほさん
とてもチャレンジングですが、七大陸最高峰にも挑戦してみたいです。
もっと高いところにも行ってみたくて。
もっと高いところにも行ってみたくて。
編集部 大迫
一般の登山者であるかほさんがチャレンジする姿には、共感する人も多いと思います。
かほさん
登山レベルはもちろん、多くの人を巻き込むという点でも、私にとっては挑戦なんです。
編集部 大迫
登山が好きな理由として「自分でどうやったらできるかを考えるところ」と言っていた、かほさんらしい!
その他、日本の山はいかがですか?視聴者さんからリクエストとかあるんじゃないですか?
その他、日本の山はいかがですか?視聴者さんからリクエストとかあるんじゃないですか?
かほさん
そうですね。
まだ登ったことがない山がたくさんありますし、「地元の山に来て」や「この山に登って」と多くの要望をもらうので、日本全国を駆け回りたいですね。
もちろん今は、コロナの情勢にも配慮しながらですが。
まだ登ったことがない山がたくさんありますし、「地元の山に来て」や「この山に登って」と多くの要望をもらうので、日本全国を駆け回りたいですね。
もちろん今は、コロナの情勢にも配慮しながらですが。
発信することで
登山の楽しみがどんどん広がっていく

しかし、そういった部分だけでなく、視聴者さんに楽しんでもらうため細やかな撮影の工夫や「もっといろんなことを実現するための力も欲しい」と力強く語る姿に感じた、プロとしての頼もしさが印象的でした。
今は、誰でも簡単に情報を発信できます。
そんな中で「自分の登山の姿を発信することで、いろんな人に喜んでもらう」という、責任感を持って山を楽しむかほさんがどんな活躍をするのか楽しみです。