北アルプスの名峰「穂高岳」に挑戦したい!
北アルプスの玄関口ともいえる上高地。観光スポットとして有名な河童橋から北の空を見上げると、清流の奥に岩肌の稜線が確認できます。これが日本百名山のひとつ「穂高岳」です。
標高約3,000mの高所から岩稜帯が続き、荘厳な山容が北アルプスの中でも圧倒的な存在感を放ちます。登山者なら一度はあの稜線に立ってみたいと思うでしょう。
穂高岳は4つある?
一般的に穂高岳とは、長野県と岐阜県にまたがる山塊を総称した穂高連峰のことを指します。
その中で穂高の名を冠した山は4座あり、北から南に向かって「北穂高岳(3,106m)」「奥穂高岳(3,190m)」が一列に並び、そこから南東に「前穂高岳(3,090m)」、南西に「西穂高岳(2,909m)」がそびえています。
私でも行ける?ズバリ難易度はどれくらい?
4つの穂高岳は3,000m級と日本の山の中でも標高が高く、中でも奥穂高岳は富士山や北岳に次ぐベスト3の高さを誇ります。麓から見ても厳しさが伝わってくるほど切り立った岩稜を歩くためには、体力や技術はもちろん、相応の経験も必要です。
まずは信州山のグレーディング表で、それぞれの難易度を確認しましょう。
どの山も高難易度!体力はもちろん、技術も必要
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山名 | 北穂高岳 (きたほかただけ) | 奥穂高岳 (おくほたかだけ) | 前穂高岳 (まえほたかだけ) | 西穂高岳 (にしほたかだけ) |
体力度 | 7 | 7 | 4 | 5 |
技術的難易度 | D | C | D | D |
体力度:
1〜10まであり、数字が大きくなるほど体力が必要。4と5は1泊以上が適当。7は1〜2泊が適当とされています。技術的難易度:
A〜Eまであり、Eに向かうほど難易度が増す。Cは不安定なガレ場、ハシゴ、くさり場があり、Dはさらに手を使う急下降場所や転落・滑落の危険箇所が多くなります。
いずれも技術的難易度はトップレベル。一歩間違えば、滑落や転落などで一大事故が起きる可能性が高いことがわかります。三点支持のマスターはもちろん、高度感がある岩場での上り下りに慣れていることは必須。泊まり装備を背負って山道を歩く体力も必要です。
グレーディング表で難易度を確認したら、今まで登ったことがある山をチェックして、今の自分のレベルとそれぞれの穂高岳のレベルを比較しましょう。
▼詳しくは、信州 山のグレーディングをチェック
ヘルメットは必須!必要な装備や服装をチェック
紹介するルートすべてには岩稜帯が現れるため、転倒や落石から頭を守るヘルメットは必須。服装は枝や岩肌に引っかけないように体にフィトしたスリムなものを選び、登山靴は細かい足場に立ち込みやすいソールの硬いモデルを選びましょう。
穂高岳を制覇する、最初の一歩はピストンから
せっかく穂高岳へ行くのであれば、4座すべてを縦走で一気に登りたい!と考える人も多いはず。しかし穂高岳はそれぞれの登頂難易度が高い上に、西穂高岳と奥穂高岳に横たわる岩稜帯を筆頭に、それぞれのピークを繋ぐコースは事故も多く、一段と険しさが増します。
そのため、初めて穂高岳へ向かうなら重い荷物をデポしてサブザックで山頂へアタックできるように、テント場や山小屋をベースにしたピストンがおすすめです。
ここでは4つの穂高岳それぞれの魅力と共に、最初の一歩にふさわしいおすすめのピストンコースを紹介していきます。