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山での不安がなくなる!?プロに聞いたリスク管理に紐づくある体力の鍛え方とは(2ページ目)

近藤さん

撮影:YAMA HACK編集部

近藤さん
例えば、自分は今寒いと感じているから上着を着るとか喉が乾いたから水を飲むなど、自分の感じたことの改善のために行動すること。
編集部 宮下
当たり前のようだけど、確かに意識をしていないと気づけないかも。

近藤さん
僕のお客さんでも登るのに夢中で自分のちょっとした変化に気づかない人が多くいるんだよ。だからそこを気づかせてあげて、自分の弱いところを知って対応することが大切なんだ。

編集部 宮下
自分でも気付きにくい変化とは、生理的や精神的なものも含まれますか?私は山で寝られないことが多くて、翌日がいつもきついです。
近藤さん
まさにそう。山で感じるストレスにどのくらい「気付けるか」がポイントだね。

仲間と山でのストレスポイントを共有してみる

登山のストレス共有

作成:YAMA HACK編集部

近藤さん
お客さんと一緒に登山へ行く時は、言葉で伝えたり、行動で見せてあげたりとお客さん自身に気づきを与えることを大切にしているんだ。

編集部 宮下
ガイドさんと一緒じゃないと気づくのは難しいですか?
近藤さん
そんなことないよ。ポイントは、自分がどんな状態かを常に意識して、何に違和感を感じているかを覚えておくこと。
グループ登山するときに、自分が感じた「違和感」を共有しあうと他の人から気づかされて学べるよ。

編集部 宮下
他の人が感じたことを意識することで、自分の新しい気づきを得られますね。
近藤さん
あとは対応することが大切だよね。実は防衛体力を鍛えると、ストレスはコントロールできるようになるんだ。

山でのストレスを減らすための防衛体力って?

近藤さん 写真

提供:近藤謙司さん

編集部 宮下
防衛体力?持久力とか筋力とかではなくてですか?
近藤さん
体力には持久力や筋力などの「行動体力」と精神的や生理的なストレスに対応する「防衛体力」があって、2つを均等に持つことが大事なんだよ。

防衛体力は4種類のストレスに対応する力

ストレス要因

作成:YAMA HACK編集部

近藤さん
防衛体力とは、「精神的」「物理的」「生理的」「生物的」ストレスに対応する力のこと。
編集部 宮下
4つも種類があるんですね。
近藤さん
人間はビタミンなどを使ってストレス処理をする。そうすると本来山を登るためのエネルギーが不足してしまうから、持久力や筋力も落ちてしまうんだ。
編集部 宮下
なんと!防衛体力はどうやって鍛えればいいのか気になります。

鍛えるには、山にたくさん登るのが1番

出典:PIXTA

近藤さん
防衛体力を鍛えるには、山にたくさん登るのが1番!経験をつめば積むほどその耐性がつくから、年齢が高い人は自然に身についていることが多いんだ。
編集部 宮下
例えば年齢を重ねて行動体力が落ちているはずなのに、山をスイスイ登るおじさんやおばさんがいるのは防衛体力を持っているからなんですね。
近藤さん
そう。だからいろんな経験をして、経験値をアップさせれば自然と鍛えられるよ。
編集部 宮下
あれ、でも高いところや難しいエリアの緊張感や恐怖感は、たくさん登って鍛えられるものなんでしょうか。

山の不安や怖さに打ち勝つには、安心材料を用意しておく

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