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発売から5年経っても色褪せない『ソーラーフォトン2』。たった”849g”のダブルウォールテントの実力とは?(2ページ目)

他にも「イイね!」と感じた特長4点

ここまでのチェックで、ほぼ私の理想のテントと思えた『ソーラーフォトン2』。
使っていた中で、「こういうのもイイね!大切だよね!」と感じた部分もたくさんありました。

1:最小限のメッシュパネル

インナーテント

撮影:PONCHO

日本の山の環境は湿度が高く、雨も多い。だからダブルウォールテントで軽量化を図るのに、インナーテントにメッシュパネルが多用されるモデルだと、レインフライの内側に発生した結露がテント内に落ちてくることもあります。
また春、秋の高山は気温が氷点下になることもあるのでメッシュパネルが多いと、寒さにやられることも多くなります。だから積雪期以外の3シーズン、2000m以上の高山を中心にテント泊ハイクをするなら、メッシュパネルは少なめの方が快適です。

ソーラーフォトン2 メッシュパネル

撮影:PONCHO

その点でソーラーフォトン2は、出入り口と足元にメッシュパネルが備わっているだけで、インナーテントのほとんどはナイロンパネル。さらに前室部のレインフライは地面ギリギリまで覆うデザインなので、風や冷気の侵入は最低限。暑い夏には逆にレインフライの出入り口を開ければ、メッシュパネルから心地よい風を通すこともできます。

結露もしにくい構造&通気性のよい素材で、寝袋が濡れて凍えたり、朝起きてバックパックや寝袋がびしょ濡れでテンションが落ちてしまう・・・なんて心配もなさそうです。

2:低く張れるレインフライ

低く張れるレインフライ

撮影:PONCHO

レインフライは、前室だけでなく、インナーテント全体ををしっかり覆う、低く張るデザインになっています。

実際に、今回のテスト時に土砂降りの強雨、暴風に荒れた豪雨を受けましたが、テント内への水の浸入は皆無でした。地面に張り付くようなレインフライは、超軽量テントにありがちな短めではなく、風雨に対する耐性はかなり強いそうです。
また見た目も、スポーツカーや戦闘機のようでカッコ良い!

3:レインフライ、インナーテント共に、超速乾

テラノヴァ ロゴ

撮影:PONCHO

極薄の素材、かつ撥水性も高い生地のようで、雨に濡れたソーラーフォトン2を天日干しすると、ほんの10分程でさっぱり乾いてしまいました。
正確に時間を計ったり、他のテントと比べた訳ではありませんが、これまで使ってきたテントと比較すると、感覚的に圧倒的な早さで乾いて、ちょっとびっくりしました。
これは水分を吸い込みにくいということでもあるので、雨に濡れた際の重量増も最小限でしょう

4:しなやかで環境負荷の低いポールを採用

環境負荷の低いポール

撮影:PONCHO

テントポールには多くのトップテントメーカーが採用している韓国テントポールメーカー”DAC社”のポールを使用。モデルは「Featherlite NSL 8.7mm GREEN」と刻印されています。
軽さと強度に長けたポールで、GREENは”製造段階での環境負荷を抑えたこと”を意味するものです。自然のなかで遊ぶ私たちは、道具選びにおいて、率先して地球環境へのダメージが少ないものを選ぶ責任があると思います。
テラノヴァ社の、ただ超軽量なものをつくっている訳ではない「モノづくりの姿勢」、素晴らしいですね。

使って思った、あったらいいなぁ~改善希望3点

ココまで、ベタ誉めな『ソーラーフォトン2』。しかし完璧ではありません。
コレがあれば、こうならなぁと感じた部分もあるので、報告しておきましょう。

1:テント内部に吊り下げフックorループ希望

テント内部に吊り下げフックorループがない

撮影:PONCHO

テント内には、小物を収納するポケットが出入り口付近に装備されています。でもライトを掛けたり、細引きを渡して洗濯物を干すためのフックやループがないのが、ちょっと不便。特にライトを掛けるフックだけでもあれば、テント空間が広い分、使い勝手が上がるのになぁと感じました。

2:ポールの収納袋に、もう少し余裕がほしい

ポールの収納袋 ぴったり

撮影:PONCHO

Y字型のテントポールは、長さ約40㎝程に収納できます。バックパック内に収めるには少し長いので、テント本体の収納袋から取り出し、サイドポケット等に入れておくのがおすすめ。

ただし、このテントポールの収納袋サイズがやや小さいのが難点。ポールを押し込み、ストラップを強く引けば収まりますが、もう少し大きいサイズだと収納が楽になると感じました。。

3:耐久性のあるペグも標準装備してほしい

ペグ

撮影:PONCHO

見た目は心許ないけれども、固い地面や岩と岩の間に挿したりと、意外と使える針金状のチタン製ペグを標準装備。1本の重さはなんと1g!軽さだけを求めればこの超軽量ペグでよいかもしれません。
しかし、今回のテストでは強風予報が出ていたので、手持ちのDAC社製のV字ペグを追加。標準装備のチタンペグはサブで使いました
もしかしたらチタンペグだけでも問題ないのかもしれませんが、この細さは不安を拭えません。できればジェラルミン製のVペグも4本くらい標準装備してくれると、実際的だと思うのですが、どうでしょう?

『ソーラーフォトン2』を選ぶ理由

ソーラーフォトン2

撮影:PONCHO

最後に『ソーラーフォトン2』のスペックを改めてまとめておきます。

ソーラーフォトン2

サイズ:長辺290×短辺最大130×高さ最大130㎝
収納サイズ:Φ15×40㎝
重量:最大849g
レインフライ:Watershed R/S 7D Si 1700mm
フロアシート:Watershed R/S Si2  3000mm

超軽量テントというと、快適性を犠牲にして軽さを優先させるイメージが強いと思います。でも、山というある意味で過酷な環境で寝るスペースは、身体と気持ちが安らぐことも重要。
その点で『ソーラーフォトン2』は、軽さと強度、そして居住性のバランスがとてもよいテントだと感じました。

ソーラーフォトン2 サイド面

撮影:PONCHO

ライバルとなるのは『ビッグアグネス/フライクリークHV UL2 EX』、『ニーモ/ホーネットストーム 2P』、『ヘリテイジ/ハイレヴォ 2人用』かな、と思います。『ソーラーフォトン2』が2人用なので、いずれも2人用を挙げましたが、1人用モデルと比較してもそのスペックは見劣りしません。むしろ居住性の高さは際立っているといえます。
テント泊登山に使える半自立型、ダブルウォール、3シーズンテントの現在の最高峰は、『ソーラーフォトン2』で間違いないと断言します。そして私のほぼ理想のテントです。

それでは皆さん、よい山旅を!

テラノヴァ/ソーラーフォトン2の詳細はこちら

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