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【高山だけが登山じゃない】身近な「低山」の楽しみを裏山探検隊で見つけるぞ!(3ページ目)

低山時間を楽しくする「小道具」を持っていこう

低山 秘密
撮影:YAMA HACK編集部

お昼の時間になったので、ここでひと休み。山頂を目指すための行動時間が長い高山とは異なり、短いルートでの計画がしやすい低山では、休憩時間を長く設定しやすいです。また行程も日帰りとなれば、多少重たい荷物を背負っても大丈夫

そこでモリカツさんに、愛用の道具とともにに「低山での過ごし方」を教えてもらいました。

話を聞いた場所は森勝さんが見つけた秘密のポイント。登山道から少し脇道を入ったところにあるので、人目を避けて休憩ができます。こういう開けた場所を地図で探したり、脇道で当たりをつけて発見するのも、低山の魅力のひとつです。

ひと手間かかる茶器で一服。ポータブル茶の間作り

茶器
撮影:YAMA HACK編集部(茶器は中国メーカー<Boundless Voyage>の商品。椅子は<ヒルサウンド>の「BTRスツール」。テーブルは<アクシーズクイン>の「シノギチャブダイ」)

まず森勝さんのバックパックから出てきたのは、なんとチタン製の茶器。さらに三脚の椅子と木製のちゃぶ台をセットすれば「くつろぎスポット」の完成です。山でお茶といえばコーヒーが思い浮かぶのですが、ゆっくり日本茶を飲むなんて新鮮です。

さらに、いまいるような人目につかない場所があれば、ひとりで静かに休憩できます。

小型ピクニックシートはつかの間のリビング代わり

低山 ピクニックシート
撮影:YAMA HACK編集部(敷物は<コクーン>の「タイフーンブランケット ミニ」)

椅子とちゃぶ台がなくても、例えばピクニックシートがあればそれだけでも快適な休憩スペースを作ることが可能です。整備が行き届いてない低山にはベンチや椅子がないこともしばしば。そんな状況でも、これがあるだけでお尻を汚さずに済みますし、荷物を広げてもOK。

いまは手の平サイズに収まる商品が複数メーカーから発売されています。もちろん携帯座布団も忘れずに。

ハンモックがあればお昼寝だってできるぞ

ハンモック
撮影:YAMA HACK編集部

さらにハンモックを楽しむのもいいですね。低山は樹林に囲まれているので、ハンモックを設置できる場所が多い点が標高が高い山との違いです。

ただし山道のすぐ近くは他の登山者の迷惑になることがあるので注意が必要。できるだけ人目につかない場所で楽しむといいでしょう。ゆらゆら揺られながら寝過ごしてしまっても、人里がすぐ近くにあるから安心ですよ。

油断は禁物!低山だからこそ知っておきたい安全策

モリカツさんの話を聞きながら低山を歩いていると、なんだか散歩でもしているかのように気軽に低山を楽しむことができます。

ただし危険がないとはいえません。注意点とその対策をチェックしましょう。

下調べで「セーフゾーン」を把握しよう!

低山 概念図
撮影:YAMA HACK編集部(今回歩いたルートの概念図。歩くコースと方角、セーフゾーンだけをシンプルに書くのがコツ) ※画像をクリックして拡大

トラブルを回避するためには下調べが大事になります。いまはインターネットで簡単に最新情報を収集できるので、歩いている人の有無や危険箇所がないかなどを調べましょう。いちばん安全なのが、事前にセーフゾーンを歩いて、下山可能かを調査すること。目で見て確認するのが大切です。

そして自分が歩くエリアの概念図を作成します。東西南北があって、歩く尾根(コース)の方角や「セーフゾーン」の場所などを紙に書き出します。上のような簡単な概念図でも、一度自分の手で書くことで方角をしっかり頭で覚えることができます

低山 セーフゾーン
撮影:YAMA HACK編集部(街がある方角がわかっていれば道に迷っても落ち着いて行動できる)

セーフゾーン」とは道路や人里など、目指して行けば命の危険が少なくなる方角のこと。今回は東に道路が走っており、南に人里がありました。もし山の中で道に迷っても、とりあえず東か南に向かえば安全地帯に出ることができます。

こまめにコンパスで方角確認をしよう

低山 コンパス
撮影:YAMA HACK編集部(愛用しているコンパスのメーカーは<東京磁石>)

道迷いを回避するために、まめにコンパスを見る癖をつけましょう。モリカツさんのおすすめは小型コンパスを手首などに付けて、いつでもチェックできるようにすること。

歩きながらはもちろん、休憩地から出発するときなど、進行方向の方角が間違っていないかを確認します

後ろを振り返って、歩いてきた道を確かめる

低山
撮影:YAMA HACK編集部

遭難を防ぐ方法として、来た道を戻るという手もあります。でも、いざ戻ろうとして後ろを振り返っても、見覚えのない景色で帰り道がわからないことがよくあります。

分岐点や脇道にそれる場合などは、特に念入りに後ろを振り返って戻る道の景色もチェックしましょう。

もしもに備えて道具も準備

低山 道具
撮影:YAMA HACK編集部(コットンの表面をナイフで削ると綿ができる。これが火種になりファイヤースターターで火を付けることが可能)

ここ最近は台風の被害で道が崩れていることが多いといいます。そんな場面では手がかりにできるロープがあると安心です。

また、いまやGPSで現在地を確認したり救助要請したりなど、スマートフォンは必需品。モバイルバッテリーも忘れずに用意しましょう。

モリカツさんは休憩時間のときに、ファイヤースターターで火を付けたり、ロープワークの練習をするとのこと。これは万一に備えて持っていても、普段から練習していないといざというときに使えないからだそう。

低山遊びの極意とは、自分だけの「庭」を山に持つこと!

低山 自分だけの地図
作成:森勝さん ※画像をクリックして拡大

紹介してもらったコツを押さえて低山を歩いていると、ほかにも多くの発見があります。石碑やベンチ、椅子といった人工物から、寺社仏閣の縁起からたどる土地の歴史などさまざまです。そして歩いた道のログを取り、見つけたモノを地図上でポイントしていると、そのうちに自分だけの地図ができ上がり、まるでそこが庭のような感覚になるんだとか。

今回歩いたエリアでモリカツさんが作った地図を見せてもらうと、「妖怪ポスト」「秘密基地」「見晴らしの良いベンチ」など気になるポイントが散りばめられており、なんだか宝の地図」を眺めているようでワクワクします

「低山って眺望もないし、楽しみ方がイマイチわからない…」なんて思っているひとも、「裏山探検」感覚で近所の山に登ってみると、いろんな発見があるかもしれませんよ!

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