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【高山だけが登山じゃない】身近な「低山」の楽しみを裏山探検隊で見つけるぞ!(2ページ目)

「身近にある山=低山」もワクワク探検に変わる!

低山 森勝さん
撮影:YAMA HACK編集部

ライター
吉澤
毎日低山に行ってるようですが、どんなところが魅力なんでしょうか?

モリカツ
さん
まず僕が低山(里山)で遊んでいるのは、子どものころに楽しんだ「秘密基地作り」の延長なんです。

子どもだから水も地図も傘も持たずに山に入って遊んでいました。低山って、本当はそれくらい気軽に歩き回れる場所なんです。

ライター
吉澤
気合を入れて向かう登山とは違うようですね。具体的に低山ではどんなことをして遊んでいるんですか?

モリカツ
さん
寺社仏閣を見に行ったり、三角点を探したり、古地図に記されている道がいまでも残っているか確かめたり、鉄塔を探索したり。楽しみ方はいろいろあります。

ライター
吉澤
いままで見向きもしませんでしたが、低山にはいろいろな要素があるんですね。

モリカツ
さん
ほかにも秘密の休憩スポットを見つけたり、その土地の歴史を知ったりなど、「発見」や「気付き」があるのが低山のおもしろさではないでしょうか。
ライター
吉澤
でも低山って意外に遭難が多いと聞きます。初心者が気軽に歩くには危険では?
モリカツ
さん
難しく考える必要はありませんよ!子どものころを思い出して、「裏山探検」のようにとらえるといいと思いますよ。

大人でもいつもと違う道=裏道を探検気分で歩きたくなる。裏山探検はその延長です。

探検の相棒は「地図」。でも登山地図じゃないよ

スマホの地図
撮影:YAMA HACK編集部(スマホのアプリの地図を活用)

山を歩くには、まず地図が必要。
普段有名な山を歩くときには、昭文社の『山と高原地図』のようにルートやコースタイム、休憩場所などがわかりやすく記されたものを使っているひとも多いのでは。でも低山はカバーされていないことが多いです。これがまず低山歩きのハードルの高さ。

ライター
吉澤
そもそも低山ってルートの探し方がわからない人が多いと思うんです。
モリカツ
さん
まずは「地形図」を用意しましょう。

地形図とは国土地理院が発行している主に等高線と地図記号が記されている地図のこと。全国を網羅しており、登山道は「徒歩道」として記載されていることが多いです。地形図を開いて「歩けそうなルート」を探します。

モリカツさんが活用しているのは、スーパー地形」というスマートフォンのアプリ。ひと昔前までは紙地図を購入する必要がありましたが、アプリで簡単に確認することが可能です。これで地形図を開いて「歩けそうなルート」を探します。

またこのアプリは地形図だけではなく、「今昔マップ」や「植生図」といったさまざまなレイヤーがあるので、地図を見ること自体が楽しくなります。

低山 アプリ
出典:スーパー地形図アプリ(地形図がチェックできるアプリならなんでもOK)
ライター
吉澤
「歩けそうなルート」とはなんですか?? 登山道(=徒歩道)を歩くのではないんですか?
モリカツ
さん
低山には整備されている登山道のほかに、実は秘密の道がたくさんあるんです

そういう未知の山トレイルに目星を付けて、「もしかしたらこういうルートでも歩けるかも?」と想像するのも、低山のおもしろさのひとつです。

ライター
吉澤
なんだか、わかるようでわからないような…。実際のフィールドで教えてください!

モリカツ
さん
ではいつも行く山に探検に行きましょうか!

「登山者ほぼゼロ」の低山。道を探して探検だ!

やってきたのはモリカツさんがよく行くという高尾駅の南に位置する里山エリア。高尾山口駅から大勢が登る、いわゆる「高尾山」とは違って、登山者の姿はほぼゼロ。ここで低山の歩き方を学びます。

地図1

出典:国土地理院地図、編集:吉澤英晃(中央に位置する権現谷の周囲を歩く予定) ※画像をクリックして拡大

この地形図の中心には「徒歩道(いわゆる整備された登山道)」が見当たりません…。一体どこに道があるのでしょうか?

境界線がある尾根には道があるかも?

地図2
出典:国土地理院地図、編集:吉澤英晃 ※画像をクリックして拡大

ここでチェックしたいのが、県境や市区町村の「境界線」です。これらが尾根上にある場合、そこには道がある可能性が高いと言います。

モリカツ
さん
所有権の関係で土地の区別をわかりやすくするために、境界線上は切り開かれていることが多いんです。

境界
撮影:YAMA HACK編集部(今回は町田市と八王子市の境界標が登山道にありました)

実際に向うと確かに道があった

低山
出典:国土地理院地図、編集:吉澤英晃 ※画像をクリックして拡大

今回はエリア内にある神社へ行くことを目的に、このようなルートで低山を歩きます。スタート地点から「郡市の境界線」がある尾根上を歩き、周回して再びスタート地点に戻ってくる計画。

低山 踏み跡
撮影:YAMA HACK編集部

目星を付けた尾根の末端(スタート地点)に到着すると、登山口という標識はないにもかかわらず、本当に踏み跡がありました。この先に何があるのでしょうか?

モリカツ
さん
何が現れるかわからないワクワクを楽しみながら歩くのも低山のおもしろさのひとつです!

周りの緑にも興味を持ってみよう

撮影:YAMA HACK編集部

歩いていると道を挟んで右と左で生えている木の種類が違うことに気付きました。自然とこうなったのでしょうか?

モリカツ
さん
左右で土地の所有者が違うので、こういう植生の違いが現われるんです。ちなみに左は針葉樹林で、右は薪炭林(しんたんりん)ですね。

※薪炭林(しんたんりん)とは薪や炭の原料となる木材を採取するために作られた林のこと。ナラなどが生えている

低山 ホウの木
撮影:YAMA HACK編集部

へー、と賢くなったつもりになりながら先へ進むと、今度はほかの木と比べて葉が大きな「朴(ホウ)の木」に出会いました。この木だけ異様に目立っています

モリカ
ツさん
このエリアでは境界線の目印にホウの木を植えることが多いようです。ほかに背の高いモミの木も目印にされています。
低山 モミの木
撮影:YAMA HACK編集部/編集:吉澤英晃

教えてもらったことを気にしながら歩いていると、遠くの尾根にモミの木を発見! あそこにも土地の境界線あって道が存在するのかもしれません。

モリカツ
さん
「今度はあの尾根を歩いてみようかな〜」なんて、次の計画を考えながら歩くのもおもしろいですよね。

ピークはないけれど、意外と眺望はある!

低山 展望
撮影:YAMA HACK編集部

こうやって「低山の仕組み」を知ると楽しくなります。ウキウキしながら歩いていると、ちょっとした展望スポットに到着しました。遠く望むのは新宿副都心。低山でもこんなに見晴らしのいい景色を眺めることができるんですね。

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