アイキャッチ画像出典:PIXTA(谷川岳)
登頂では満足できない!縦走コースで満喫したい「日本百名山」

例えば、北アルプスで人気の日本百名山・白馬岳〜五竜岳〜鹿島槍ヶ岳をつなぐ後立山連峰を縦走する場合、どんなに健脚な登山者でも最低3泊4日は必要。ルート自体の難易度もさることながら、スケジュール調整も至難の技ですよね。日本百名山を縦走したいけど、まとまった日数を確保するのは難しい。そんな場合の選択肢はおのずと日帰り登山に絞られてきます。
関東甲信など比較的近場にある日本百名山1座であれば日帰りも可能ですが、往復の移動を考慮すると往復ルートでとりあえず登頂してしまおうと妥協してしまうもの。けれどもせっかくの日本百名山、単なるピークハントだけでなく縦走コースでその山の魅力を存分に満喫したいですよね。今回はちょっと奮発して特急や新幹線を利用することで、首都圏から日帰り可能な日本百名山の縦走コースをご紹介します。
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【1】日光白根山|ロープウェイ〜弥陀ヶ池〜菅沼

コース概要
ロープウェイ(60分)→避難小屋(110分)→日光白根山( 50分)→弥陀ヶ池(90分)→菅沼登山口
交通アクセス
- 往路:
北千住駅〜東武日光駅・東武線特急で約100分/東武日光駅〜湯元温泉:東武バスで約85分/湯元温泉〜日光白根山ロープウェイ・関越交通バスで約37分/日光白根山ロープウェイ・ゴンドラキャビンで乗車約15分 - 復路:
菅沼登山口〜湯元温泉・関越交通バスで約13分/湯元温泉〜東武日光駅・東武バスで約70分/東武日光駅〜下今市駅・東武日光線で約9分/下今市駅〜北千住駅・東武線特急で約90分
コースのポイント

関東地方および関東以北で最も標高の高い山(2578m)として知られる日光白根山。山頂からは神秘的な青い水をたたえた五色沼などの火口湖や、美しい円錐形の男体山の麓に広がる戦場ヶ原の草原、中禅寺湖など素晴らしい眺望が広がります。
標高約2000mのロープウェイからの往復コースが一般的ですが、下山を菅沼に向かうことで神秘的な弥陀ヶ池からの日光白根山など縦走ならではの絶景を楽しめますよ。
ただし上記の通り交通アクセスが複雑でバスの便数も限られているため、山頂までの登りでコースタイムを切れないようなら往路を下山してください。
【2】谷川岳|天神尾根〜西黒尾根

コース概要
天神峠(45分)→熊穴沢避難小屋(45分)→天狗の留まり場(45分)→オキノ耳(10分)→トマノ耳(10分)→オキノ耳(70分)→ラクダのコル(130分)→林道(10分)→谷川岳ロープウェイ
交通アクセス
- 往路:
JR東京駅〜JR上毛高原駅・上越新幹線で約80分/上毛高原駅〜谷川岳ロープウェイ・関越交通バスで約50分/谷川岳ロープウェイ〜天神峠・ロープウェイ&ペアリフトで約30分 - 復路:
谷川岳ロープウェイ〜上毛高原駅・関越交通バスで約50分/JR上毛高原駅〜JR東京駅・上越新幹線で約80分
コースのポイント

往年のアルピニストたちがさまざまなドラマを繰り広げた谷川岳ですが、ロープウェイ〜天神尾根経由のコースは樹林帯や笹地の尾根と比較的平穏な風景が続くため、意外におとなしい山と感じることも。
そこで、登りを日本三大急登の一つでもある、標高差1200m以上を誇るクラシックルート・西黒尾根にチャレンジしてみましょう。複数の鎖場や浮石もある岩稜など、行動には注意が必要ですが、クライマー憧れの一ノ倉沢を望みながら、アルペンムードを堪能することが可能。谷川岳の魅力をより深く感じ取ることができる縦走コースです。
※西黒尾根は上級者向けの登山道です。特に下りは危険個所が多いため、最初は登りから挑戦しましょう。