都会とローカルをアウトドアで繋ぐ場所。原宿の新店を訪れて感じた<スノーピーク>のこれから

2020/07/08 更新

6月12日にオープンに東京・原宿駅前にオープンした『スノーピークランドステーション原宿』。既存のアウトドアショップの雰囲気とは違い、入るとすぐにカフェのカウンターがあり、アウトドア道具とともに日本各地の特産物を手に取れる場所。そしてスノーピークが考える、これからのアウトドアのあり方を体験できるショップでした。


アイキャッチ画像:PONCHO

神宮の森散歩ついでに寄りたい『スノーピーク ランドステーション原宿』

新しくなった原宿駅のすぐ目の前に誕生した商業施設『WITH HARAJUKU』。その地下1階に、6月12日にオープンした『スノーピーク ランドステーション原宿』のレセプションに参加してきました。

撮影:PONCHO
『WITH HARAJUKU』は原宿駅に面した側が1階ですが、ビルの裏側は土地が低く、『スノーピーク ランドステーション原宿』は地下1階といっても裏側から見ると2階にあります。しかも竹下通りから1本入った裏路地に面しているので、とても静か。

一瞬「ここは原宿なの?」と思える不思議な場所にありました。

提供:スノーピーク
原宿、竹下通り、表参道というと、多くの人で賑わう都会のイメージ。

しかしこの街は明治神宮の森が原宿駅のすぐ脇から広がり、都会にいながら、豊かな森歩きができる貴重な場所でもあります。そしてスノーピークが原宿にショップを開いた理由のひとつは、この街に明治神宮の森があったからだそうです。

その土地とあなたのつながりを産むもの。

ランドステーション原宿店のディレクションを担当した山井隆介さんは、こう教えてくれました。

「明治神宮の森は、100年前は荒れ地でした。そこに100年以上持続可能な野生の森をつくろうとできたのが、この森です。当時の人々の夢を想いながら歩いてみれば、それだけでこの土地と特別なつながりができると思うんです」

撮影:PONCHO
アウトドアの遊びは、自然の中で過ごすこと。しかしそれだけではなく、アウトドアで得た感覚、自然の中で感じた想いを、都会、街に戻ってきた日常の中でも、大切にすること。どこにいても、自分のまわりにある小さな自然であっても、そこに豊かさを見つけてみること。そうしたことも、アウトドアを遊ぶ楽しみといえます。

そんなアウトドアを通した「出会い」や「発見」を、スノーピークが掲げる方向性で言葉を置き換えると、ランドステーション原宿店のコンセプトでもある、「日本のローカルの魅力を発信する案内所」になるのでしょう。

お土産は、地方へと誘う扉

撮影:PONCHO
ショップに入ってすぐに目に付く大きなディスプレイには、こんな言葉がありました。

その土地とあなたのつながりを産むもの。

そして左側には、こんなコピー。

お土産は、まるで扉だ
その土地に生きる人たちの手が、
そこにしかない風土や歴史からつくる扉だ。
むこう側にあるのは、
あなたがずっと探していた場所かもしれない。
東へ西へ、北へ南へ。
スノーピークが旅をしながら集めた扉たち。
さて、今日あなたはどれを開けるのだろう。

撮影:PONCHO
それらの言葉の間に並ぶアイテムは、ランドステーション原宿店限定商品、日本のローカルを意識したアイテム、スタッフが日本各地をキャンプしながら見つけたというお土産です。これらはすべて、店内で購入できるものです。

カフェを中心に、店内を回遊しながら次の旅の計画を練る

撮影:PONCHO
また、ショップの中心にはテイクアウトのカフェスペースがあります。

エスプレッソドリンクや、柚子・林檎などのフレーバーを楽しめる抹茶ドリンクに加え、クラフトビール、朝日酒造とスノーピークが共同開発した日本酒「久保田 雪峰」「爽醸 久保田 雪峰」といったアルコール飲料も販売しています。

「それらを片手に買い物を楽しみ、スタッフと情報交換をしながら、キャンプや登山の計画を練ることに加えて、キャンプ場や山を囲む自然とともに生きているさまざまな人と出会い、その土地の人が愛し、誇っているさまざまなよいものを見つけに出掛けてみてもらいたいです。そう思える道具、ウェアや小物、お土産が、ランドステーション原宿には揃っています」と山井さんは言います。

都会とローカルを繋ぐ想いが込められた内装

提供:スノーピーク
お店の内装にも、そうしたコンセプトを反映させたそうです。

「入り口部分の床は土、奥には杉板を敷きました。杉板は新潟・魚沼産で、雪が残る時期に野ざらしにしたものを使っています。また天井は敢えて配管をむき出しにしました。これらによって、床は日本の自然、天井はスノーピーク創業地であり金属加工で知られる新潟・燕三条、そして日本の地場産業を表現。それらに挟まれた空間が、スノーピークのプロダクトを手に取り、都会と地方=ローカルが繋がるコミュニケーションが生まれる場になってもらえたら、いいですね」

これまでのアウトドアのイメージにとらわれないモノづくり

提供:スノーピーク 創業者の山井幸雄氏。谷川岳が好きだったという。
最近はキャンプのイメージが強いスノーピークですが、当初はアイゼンやピッケル等の登山用品が中心。燕三条の金属加工の高い技術を活かした登山道具は評判となりました。

その後、80年代に現会長の山井 太さんが入社。間もなく、システマチックでラグジュアリーなキャンプ道具を多く開発。90年代のオートキャンプブーム、そして昨今のグランピングブームを牽引してきました。


撮影:PONCHO
そして今年社長に就任した山井梨沙さんは、アパレル業界で働いてきた経験を活かし、既存のアウトドアウェアとは一線を画す、日本が誇る伝統技術や職人の手仕事、そして日本の文化、風土を活かしたアウトドア用の着物やLOCAL WEARを提案しています。もちろんそれらのアパレルもランドステーション原宿店で購入できます。

さらに幅広い人たちに、野遊びを楽しんでもらう道具を

そうしたスノーピークのこれまでを踏まえ、執行役員で、商品開発の責任者でもある吉野真紀夫さんに、これからのスノーピークのモノづくりについて質問をしてみました。

撮影:PONCHO
「登山、キャンプ、そして近年は日本のよさを活かした、アウトドアでも街でも着られるウェア、さらには街づくりも手掛けています。より軽く、質の高いもの目指した道具は、例えばギガパワーストーブ 地のように98年の発売以来ロングセラーを続け、クッカーはウルトラライトを志向する方に注目され、今も愛用してもらっています。

今後はこれまでのモノづくりのDNA、エッセンスを継承しつつ、キャンプや登山用というだけでなく、公園でピクニックをする時に、お母さんやお子さんでも使いたくなるような幅の広い道具にも注力していきたいと思っています。とはいえカジュアルなアウトドアブランドを目指している訳ではなく、『人生に、野遊びを』というスノーピークのスローガンの通り、自然に触れる喜びを感じられる、使う人、使う場所を限定しない、幅の広い道具です」

スノーピークらしいアイデアに期待

撮影:PONCHO
今回、ランドステーション原宿店を訪れて、既存のアウトドアショップにはないアイデアを多く見つけられました。

中でも道具好きとして見逃せなかったのが、陳列棚に使われていた「ソリッドステーク」というスノーピークを象徴するアイテムです。頑健さが特長のソリッドステークを補強に使うなんて、さすがです!

撮影:PONCHO
カフェスペースで見つけたのは、ソリッドステークを柱にした、コーヒーのドリッパーの台。これがいい感じにアウトドアの雰囲気を演出していました。それほど難しい作りではないので、アウトドア好き、キャンプ好きの間で、真似して自作する人が増えるんじゃないかと、想像します。

撮影:PONCHO
こうした固定観念にとらわれないアイデアこそが、スノーピークの真骨頂。

自由な発想で、日本的なウェアを手掛けるなら、歩き遍路で着用する白衣をスノーピーク的な解釈を施した登山ウェアなんてどうですか?と商品開発の責任者の吉野さんに問うと、「ありですよね。日本向けだけでなく、アメリカをはじめ海外向けの販売に力を入れているので、可能性はあると思います」とのこと。

日本ならではのアウトドア道具に、さらに期待が高まります。

撮影:PONCHO
Snow Peak LAND STATION HARAJUKU(スノーピークランドステーション原宿)
東京都渋谷区神宮前1丁目14番30号 ウィズ原宿B1F
営業時間 10:00〜20:00
定休日 不定休 ※ウィズ原宿の休館日に準ずる
電話番号 03-5843-1794

それでは、よい山旅を!


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PONCHO
PONCHO

登山、トレイルラン、自転車、キャンプ、旅をテーマに雑誌、WEBで企画、執筆する編集・ライター。低山ハイクとヨガをMixしたツアー・イベント『ちょい山CLUB』を妻と共に主催する山の案内人。

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