接客時間は45分ということで、具体的な商品や質問がはっきりしていたほうが有意義な接客を受けられそうですが、「最近のお勧めアイテムは?」とか「ひと通り店内を見てみたい」といったザックリとした要望でもOKとのことです。
店からの返信メールにある指定のURLをクリックすると、ブラウザ上でZoomが開きます。で、指定のIDとパスワードを打ち込むと別ウインドウが開いてミーティング画面。実に簡単です。
ちなみに、今回の体験取材用に私が選んだ質問は、今話題のMSRの高効率バーナー「ウインドバーナー」について。ウェブサイトや雑誌の記事を読んで基本的な商品知識はあるが、まだ実際に使ったことはない、と事前に伝えています。
土屋智哉さん本人のマンツーマン接客はじまる
意外とあり?!メリットデメリットを検証
ハイカーズデポのオンライン接客は、とりあえずの試験運用ということもあり、ノートPCとスマートフォンという身近な機材でスタートしています。
カウンターで接客できる小さめのアイテムはノートPCでじっくりと、店内をぐるりと回って見せるときや、バックパックやツェルトのなどディテールをさまざまな角度から説明するときには、スマートフォンに切り替えて、ハンディカメラ代わり使います。
商品を見せるのに、スマホのカメラをフル活用
土屋さんが言うように、サイズ感がわかりやすいという点は、オンライン接客の大きなメリットに思えます。小さなアイテムは手に持って見せ、たとえばバックパックは土屋さんが背負って見せ、ツェルトでは中に入って寝転んでみたり……。
実際の人が使っている様子を見ることで、サイズ感をイメージしやすいんですね。また、わかりにくい部分はアングルを変えてもらったり、カメラを近づけたり遠ざけたりと、要望通りに工夫して見せてくれます。
アイテムの特徴や使い方などはオンラインストアでもわかりやすくまとめられた画像や動画がありますが、オンライン接客の場合は、わかりにくい部分をいちいち巻き戻す必要もないし、わからない点は瞬時に要望できる。それも大きなメリットに思えます。
でも「ぶらぶら買い物」の楽しさは……
では、オンライン接客でできないこととはなんでしょうか。
ひとつは当然ながら、商品に触れることができない点です。なので、手に持ったときの重さや、手触り、質感といったあたりがわからない。実際の店頭だったら、意外に重要な選択肢になる要素ですね。
また、目的が明確でないショッピングが苦手です。「なにかおもしろいモノ、ないかな?」と、店内をぶらぶら見て回る楽しみってあるじゃないですか。それができない。
もちろん、手持ちのスマートフォンで店内をくまなく見せてもらうことは可能です。けれども、店内を見て回るペースや、気になった箇所をじっくり見たいときはその都度指示しなければならないので、いわゆる「ぶらぶら」ショッピングとは、ニュアンスが違ってくるわけです。
オンライン接客のメリット・デメリットをおさらい
というわけで、「オンライン接客」体験取材のまとめです。
緊急事態宣言明け、実店舗営業を再開
5月25日に東京都の非常事態宣言が解除された翌週、ハイカーズデポを訪ねてみました。この日(6月3日)東京都による「ステップ2」移行を受けて、店舗営業を再開する直前でした。
店舗営業を自粛していた2ヶ月間は、3人いるスタッフのうち、遠方のふたりは在宅で主にウェブ関連の仕事、店に近い土屋さんともうひとりで毎日店舗に出勤していたとのこと。電話とメールの問い合わせも多く、また、春夏商品の入荷時期で、毎日のように荷受けが続いたそうです。