ついに2桁台へ突入したこの企画……
OD缶って「山に行ってからガス切れしていると怖い(=温かいものが食べられない)」という恐怖で、とにかく振ってみて「あ、少なそう?」と思うと、新しいものを持っていきますよね?
でもまさかの10食を超えたいま、晴れてガスが切れた日に振り返ると「家にやたら使いかけのOD缶がたまる」という登山者あるあるに対して、有益な記事になるのでは……と、すでに飽きている気持ちを鼓舞してがんばります。
11食目:山パスタの2大問題について考える
とはいえ、さすがにレシピも尽きてきました。これまでの記事を振り返って、何を作っていなかっただろう?と調べたところ、「パスタ」がありました。
実は以前山でパスタを作ろうとしたことがあるのですが、ガス切れの不安から茹で時間が短くなるという「水漬けパスタ」を試したところ、山頂ででき上がったのは「なんだかパスタっぽい名残はあるけど、9割はどろどろした小麦粉のサムシング」。カロリーは同じ、カロリーは同じ……と自己暗示にかけて、やっと完食できたくらいにまずかったのです。
心当たりがあるといえば、「早ゆで1分のパスタ」だったということ。今回は普通のパスタでちゃんと試してみます!
大きいサイズの密閉袋ならば、折らずに最低限の水で戻せます。漬け始めたのは、朝8時。在宅勤務でも規則正しく12時からランチをとっているので、漬け時間は約4時間です。
山用でなく、うちの食料庫には「たらこスパゲティーの素」が常にあります。たらこは余れば冷凍すればいいのですが、面倒くさいのでレトルトに頼っています。
一抹の不安とともに茹で始める
このまま食べられそうなくらいに、ふにゃふにゃの4時間漬けパスタ。パスタというよりうどんっぽい色合いです。水もにごり汁みたいで、どうみても成功しそうにないビジュアル。後ほど触れますが、「パスタの茹で汁問題」があるので、水はひたひた最低限で茹でていきます。
ふきこぼれないように沸騰状態を保っていると、あることに気づきました。
水で白くふやけていたパスタが、どんどん本来の黄色いパスタ色になっていきます!! 気づいてカメラを取り出したときにはすでに変化済みでしたが、赤丸の部分がまだ白いのを確認できますでしょうか? なるほど、こうやってパスタになるのか……。
茹で時間は3分。ネットで調べた1分よりはかかりましたが、これは茹で汁(水分)をとばすため。最後は火を強めにし、焦げつかないように混ぜました。
粉っぽいパスタを食べながら、考えたこと
たらこソースを和えれば、完成!!
外出自粛になりスーパーから一時消えたパスタ。やっぱり麺類は「あー毎日毎食ごはん作るの、面倒くさい!!!」というときの救世主だなとしみじみ。
そして、今回パスタを作る際に考えてみたかったのが、先に挙げた「ガス節約の時短問題」。これに関しては、前に失敗した問題(早ゆでパスタを浸水させるとどろどろになった)は解決できたと思いました。普通のパスタなら問題なく、時短料理ができそうです。
もうひとつは「パスタの茹で汁どうするの?問題」。
山では茹で汁を捨てるのはマナー違反とされているのですが、茹で汁を出さずに作って食べたパスタは……正直ねっとりと小麦の味がして微妙な味。
このマナーはいつからどんな根拠で周知されるようになったのかを、ガイドの友人に訊いてみたところ、昔はラーメンの汁などを普通に捨てているのも珍しい風景ではなかったそう。ただやっぱり入山するひとが多い山では、テント同士の間隔も狭く、またそういった行為をする人が増えることで環境にもより負荷がかかる。それでマナーとなっていったのではないかと。グレーなことも多い、山のあれこれ。考えてみるきっかけになりました。
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