【徹底比較!】パタゴニア新作レインウェア「トレントシェル3L」vs「レインシャドー」

2020/05/22 更新

この春、人気アウトドアブランドの<パタゴニア>から新作レインウェア3種類が登場!スペックを見比べてみたところ、なにやら「トレントシェル3L」と「レインシャドー」のスペックが似ていて、違いがよくわからない……。ということで、それぞれの特長を探るべく、実際にを山で着用して検証しました。その結果、<パタゴニア>らしいたくさんの製品へのこだわりが見えてきました!2つの高機能レインウェアのそれぞれの特長に迫ります。


アイキャッチ画像撮影:ぶん

パタゴニアの人気レインウェアがパワーアップして新登場!

パタ新レインウェア3種 この春、人気アウトドアブランド<パタゴニア>から新たなレインウェアが登場しました。

商品ラインナップは以下の3種類です。

・パタゴニアの定番レインウェア「トレントシェル」の新モデル「トレントシェル 3L」
・日本の山岳環境に適応したレインウェアとして人気を博した「クラウドリッジ」の後継モデル「レインシャドー」
・森林限界以上の高山で活躍するアルパインモデル「カルサイト」

そのなかでも、今回ピックアップして紹介するのは「トレントシェル 3L」と「レインシャドー」の2点。
なぜこの2つなのかというと、両者のスペックを見比べた際に気になる点があったからです

「トレントシェル3L」と「レインシャドー」のスペックが似てる!

編集:ぶん(寸法はメンズMサイズを参照)
この2つ、スペックを比べてみるととても似ているんです。

素材はどちらもパタゴニアの独自規格「H2Noパフォーマンス・スタンダード(以下、H2No)」の3層構造を採用し、重量やサイズ感も大きな違いは見当たりません。
価格は「レインシャドー」が5,000円ほど高い設定に。
そのほかにも、公式サイトには細かな機能が書かれていますが、文章だけなのでいまいちピンときません……。

ライター
ぶん
この2種の違いとは一体?!これは実際に試してみるしかない!

ということで、それぞれの特長を発見すべく「トレントシェル3L」と「レインシャドー」を入手し、山で着用してみました。

「トレントシェル3L」&「レインシャドー」の共通点から検証

戸倉山
撮影:ぶん
3月下旬、長野県南部にある戸倉山(標高1,681m)の往復3時間のコースでテストを実施。
当日の天候はどんよりした曇り空で、気温は8℃前後でした。

山頂を目指しながら「トレントシェル3L」と「レインシャドー」を定期的に着替え、両者の機能に着目しながら足を進めました。

まずは、「トレントシェル3L」&「レインシャドー」に共通する機能から紹介していきます。

【着用感】ゆとりがあってレイヤリングしやすい

着用感
撮影:ぶん(モデルは身長169cm、体重60kg)
「トレントシェル3L」はジャケット・パンツともにXSサイズ、「レインシャドー」はジャケットがSサイズ、パンツはXSサイズを着用。

どちらもシルエットはゆったりめで、ウェアの下に各レイヤー(ドライレイヤー、ベースレイヤー、ミッドレイヤー)を着込んだ状態でも、キツくなることなく身に着けることができました。
タイトなシルエットの場合は着用に手間取ることも多いですが、どちらもゆとりがあるため、スッと着ることができます

【動きやすさ】ストレスフリーで、快適に足が進む

パタ動きやすさ
撮影:ぶん
「シャカシャカして動きにくい」などの悩みも多いレインウェアですが、この2つのウェアは行動時のストレスがないのもポイント。
3層構造の生地により裏地に滑らかさが生まれ、汗でベタつく感覚もありませんでした。
撮影:ぶん
パンツの裾には2つのボタンが付いていて、2段階に絞り調整できる仕様に。
登山靴にフィットさせることで、泥や水の侵入を防いだり、パンツがダボっとすることによる転倒や引っかけなどのリスクを軽減します。

とても動きやすいウェアなので、防寒・防風のアウターレイヤーとしても活躍が期待できるでしょう。

【防水・撥水性】水の浸み込みを一切感じさせない

パタ撥水性
撮影:ぶん
山では雨が降らなかったので、自宅でウェアに水をかけてみました。
どちらも気持ちいいほどに水を弾き、水滴がコロコロと転がり落ちていきます。ウェアに残った水滴も数回軽く振れば飛んでいき、常にドライな状態に。ほぼ新品の検証ではあるものの、高い防水・撥水性を備えていることがうかがえます。

【携行性】ポケッタブルでコンパクト収納

撮影:ぶん(写真はトレントシェル3Lを収納したもの)
両モデルとも、左サイドポケットに押し込むことでポケッタブル収納が可能。
荷物をなるべくコンパクトにまとめたいときや、雨は降らないけどレインウェアを持っておきたいときなどに便利な機能です。
※パンツはトレントシェル3Lのみポケッタブル収納可
ここからは、「トレントシェル3L」と「レインシャドー」、それぞれのディテールや特長に迫っていきたいと思います。

【トレントシェル3L】大幅改良により、ワンランク上のレインウェアに進化!

撮影:ぶん
「トレントシェル3L」を着てみて、「今までよりもめちゃくちゃパワーアップしてる!というのが率直な感想。
筆者は旧商品のトレントシェルを着たことがあるのですが、それとはまったく異なる、1つ上の次元のウェアに仕上がっている印象です。

「トレントシェル3L」の特長を詳しくみていきましょう。

1.滑らかな着心地で不快感なし

従来の2.5層(※)から3層構造へとアップグレードされたトレントシェル3Lは、肌面に滑らかな生地を裏打ちすることで、今まで以上の快適な着心地を実現。汗ばんだ場合も内部がベトつくことなく、行動中のストレスを感じさせません。
また、メンブレンの高い透湿性により、汗は的確に処理され、内部のムレを軽減してくれます。
※)2.5層とは2層構造(上図の裏生地がないもの)のメンブレンの内側に薄い保護コーティングを施したもの

2.立体的に調整可能なフィット感抜群のフード

撮影:ぶん
トレントシェル3Lの中でも「特筆すべき」と思ったのが、フードのフィット感の良さ。

フードは頬周辺にある左右のドローコードと後頭部のドローコード3点で調整。これらを引っ張り自分の頭部に合わせていきます。それに加え、フォーム入りのツバにより前方の視界が保たれ、安定したフィット感を生み出します。これによりフードを被った状態でも安全な視界が保たれ、水の侵入を防ぎ、雨の登山をサポートします。

また、公式情報には書かれていませんが、フードは深めの設計になっているので、ヘルメットを装着した状態でも突っ張ることなく着用できました。

3.鼻下まで覆える高襟デザイン

撮影:ぶん
襟は鼻下まで覆うこともでき、これも特徴的。
冬用のアルパインウェアなどではこのような高襟デザインが多いですが、レインウェアでここまでの高さのあるモデルは珍しいのではないでしょうか。
口元をウェアで覆いフードを締めることで、強風時などに「バラクラバ(※)」代わりとしても活躍も期待できます。
※バラクラバとは、頭部や顔面の防寒・保温を目的とした「目出し帽」のこと。主に冬山で使用されることが多い。

4.利便性の高いパンツ

撮影:ぶん
パンツは利便性の高さが魅力。
ウエスト部分はゴム素材なので、履けば自然にフィットし紐で微調整が可能です。ズレ落ちてくる心配をすることなく、登山に集中できます。
撮影:ぶん
ジッパー付きのポケットが左右に2カ所に備わっています。レインパンツにはポケットがないモデルもあるので、2つのポケットはとてもありがたい。スマホや小物を入れるのにも十分な大きさです。

また、ポケット内はメッシュ素材になっており、ジッパーを解放しておけば簡易的なベンチレーターとしても使えるでしょう。

5.カラーバリエーションも豊富でタウンユースにも◎

トレントシェル3Lジャケットはメンズ9色、ウィメンズ8色のカラーを展開。街にも馴染みやすいシンプルなデザインなので、山と街の兼用アウターとしてもおすすめです。

トレントシェル 3L ラインナップ

パタゴニア|メンズ・トレントシェル 3L・ジャケット

パタゴニア|メンズ・トレントシェル 3L・パンツ

パタゴニア|ウィメンズ・トレントシェル 3L・ジャケット

パタゴニア|ウィメンズ・トレントシェル 3L・パンツ
続いては「レインシャドー」のレビューです。

【レインシャドー】行動時の動きが考えられた、快適で動きやすいウェア

撮影:ぶん
「登山の動きがよく考えられているな」と感じたのがレインシャドー。

“高温多湿で多雨な日本の山岳環境に適したレインウェア”として登場した「クラウドリッジ」のDNAを引き継ぎ、動きやすく快適な登山をアシストしてくれるウェアだと感じました。

それでは、レインシャドーの特長を詳しくみていきましょう。

1.動きやすさを追求した伸縮性のある素材

撮影:ぶん
レインシャドーには伸縮性のある素材が採用されています。そのストレッチ性と動きやすい立体裁断構造により、岩場や急登などでの腕脚の曲げ伸ばしでもウェアが体に追従するようなスムーズな動きが可能です。

岩稜帯の山など、アクティブに行動する登山での活躍に期待できます。

2.ザックを背負った際の動きが考えられた設計

登山ではザックを背負う場面が大半。しかしザックを背負うことで「ウエストベルトでポケットが隠れてしまった」「肩が上がらなくてフードの調整が大変」などの経験を持っている方も多いのではないでしょうか。
レインシャドーはザックを背負った際の動きが考えられており、登山者の「使いやすさ」が重視されています。

<ベンチレーター>
撮影:ぶん
ジャケットの脇下にあるベンチレーターは、胴体側に大きく開く設計に。

<フード調整用のドローコード>
撮影:ぶん
フード調整用のドローコード紐は耳寄りの位置に配置。重いザックを背負いながらの調整でも、腕の負担を軽減します。

<サイドポケット>
撮影:ぶん
サイドポケットは大きく開閉可能です。ただし、今回試したザックではウエストベルトでポケットの半分以上が隠れてしまいました。前作の「クラウドリッジ」は胸に近い位置にサイドポケットがあったので、レインシャドーももう少し上にあってもいいかも、と感じました。
※)わかりやすい比較対象としてトレントシェル3Lと並べていますが、トレントシェルが「使いにくい」という訳ではありません。

2.撥水加工されたジッパーで水の侵入を防止

レインシャドー表生地
撮影:ぶん
ジャケットには左右の腰ポケットと左胸ポケットが3カ所に配置されています。
ジッパー類はいずれもDWR加工(耐久撥水)されており、徹底的に水の侵入を防ぎ、衣類内を快適な状態に保ちます。
パンツには右太もも部分に1箇所のポケットを配置。こちらもDWR加工されており、水の侵入を防止します。

4.着脱しやすいレインパンツ

撮影:ぶん
パンツの両サイドには、太ももの位置まで大きく開閉できるジッパーが備わっており、靴を履いたままの着脱も容易です。
またジッパーはダブルタイプになっていて、上部だけを解放することで、ベンチレーターとしても活躍。
「蒸し暑いけど、レインパンツを脱げない」というときに重宝するでしょう。

レインシャドー ラインナップ

パタゴニア|メンズ・レインシャドー・ジャケット

パタゴニア|メンズ・レインシャドー・パンツ
パタゴニア|ウィメンズ・レインシャドー・ジャケット
パタゴニア|ウィメンズ・レインシャドー・パンツ

【結論】「アウトドア万能選手のトレントシェル3L」と「登山特化選手のレインシャドー」

検証結果を元に、それぞれの特長やおすすめ使用シーンをまとめてみました。
編集:ぶん

トレントシェル3Lとレインシャドー。あなたはどっちを選ぶ?

パタ <パタゴニア>から新たに発売されたレインウェア、「トレントシェル3L」と「レインシャドー」。
検証を経てわかったことは、両者は一見似ているものの、それぞれ考え方(コンセプト)はまったく異なるということ。

 

どちらも非常に高機能なレインウェアであることは間違いありませんので、あとは自分の登山スタイルに合っているのはどちらかで選んでみましょう。

いずれにしても、これらのレインウェアを着れば、雨のアウトドアの世界はもっと広がるはず。皆さんのこれからの登山をサポートしてくれる心強い相棒となるでしょう。

 

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ぶん

日本アルプスに囲まれた、長野県の伊那谷生まれ。登山好きな母親に連れられ、山を駆け巡って育つ。アルパインクライミングや沢登り、冬山縦走など、ちょこっとスパイスの効いた登山が大好き。

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