モンベルの新作寝袋『シームレスダウンハガー』を、早速テストしてみました!

2020/04/28 更新

この春注目のダウン寝袋が<mont-bell(モンベル)>から新発売! 封入されたダウンの偏りを防ぐために施される隔壁を省き、縫い目を最小化。それによりダウンが持つ保温力を最大化したという寝袋をテストしてみました!


アイキャッチ画像:PONCHO

『シームレスダウンハガー』は世界初の隔壁レスのダウン寝袋

この春、モンベルから『シームレスダウンハガー』シリーズというダウン寝袋が新発売されました。

撮影:PONCHO
『シームレス』とは、縫い目がないという意味ですが、この新しいダウン寝袋にないのは、寝袋内を隔てて封入したダウンの偏りを防ぐ『隔壁』です。

この隔壁をなくしたことで、ダウンの保温力を最大化、縫い目も少なくなり冷気の侵入を抑制、同時に軽量コンパクト化も促進。元々評価の高いモンベルの寝袋が、さらに進化したのです。

そこで今回はその『シームレスダウンハガー』シリーズから、「シームレス ダウンハガー900 #5」と、さらに防水透湿性素材を本体に採用した「シームレス ドライ ダウンハガー900 #3」に、実際に包まって感じたことをレポートします。

と、その前に『シームレスダウンハガー』と通常の寝袋の違いを解説しましょう。

いや、ちょっと待って!そもそも 『隔壁』ってなに?

提供:モンベル
中綿にダウンを封入するダウン寝袋。ダウンは綿毛のようなもので、大きな袋状の中に入れると、多いところと少ないところの偏りができがちです。

寝袋は、ダウンの膨らみによる空気の層が保温力を生み出します。だからダウンが少ない場所は、空気の層が小さく、冷えます。そこでダウンの偏りを防ぐために、通常の寝袋は袋の中に壁をつくり、箱のような構造にしてダウンが偏るのを防いでいます。その壁が『隔壁』です。

だから、この隔壁をなくしてしまったら、ただの袋になり、ダウンが偏り、保温力が低下してしまうはずなのですが・・・。

隔壁の代わりに偏りを防ぐのは『蜘蛛の糸』

提供:モンベル
ダウンの偏りを防ぐためにモンベルが考案した方法は、『蜘蛛の糸』です。

蜘蛛の巣のように、糸にダウンを絡みつかせれば、隔壁がなくてもダウンの片寄りを防げるかもしれない」。

そう考えてダウンを絡めとる特殊な糸を開発。「スパイダーヤーン」と名付けたこの糸をスリーピングバッグ内部に張りめぐらせることで、全体に一定量のダウンを均一に保持することに成功したのです。

そして、その隔壁をなくしたことで生まれるメリットが、いくつかあります。

シームレス=隔壁をなくしたメリットは大きく3つ

1)高品質ダウンの保温力を最大化

提供:モンベル
先に解説したのボックス構造のイラストでわかる通り、隔壁によって寝袋内が小さな箱状になっていると、ダウンの膨らむスペースがどうしても抑えられてしまいます

でも上のイラストのように隔壁がなくなれば、ダウンは寝袋内で大きく膨らみ、大きな空気の層を生みだし、ダウンが持っている保温力を最大限に発揮できます。

2)縫い目が少ないので、冷気の侵入を防ぎ、保温性もアップ


 
提供:モンベル
隔壁は寝袋の生地に縫い留められているものです。その縫い目からは、冷気が侵入してきたり、暖気が逃げてしまうこともあります

ですが、隔壁がなくなり縫い目も少なくなったので、保温力を低下させる原因のひとつが改善されることになります。

縫い目=小さな針の穴から入る冷気、抜ける暖気なんて、大したものではないと思うかもしれませんが、これが氷点下の世界ともになると大きな違いがあるのです。

3)スパイダーヤーンが冷える部分を抑制

提供:モンベル
ボックス構造によっては、背中側のダウンが圧力の掛かっていない部分に偏ってしまい、保温力が低下することも考えられました。

しかしスパイダーヤーンは、圧力が掛かっても一定量のダウンを保持できるので、背中の凹凸に応じて空気の層をつくり、保温力をある程度維持できているんじゃないかと思われます。これ、保温力アップの画期的な方法です。

実際に『シームレスダウンハガー』に入って寝てみました!

シームレス化は大きさではなく、軽さに貢献

撮影:PONCHO
左が「シームレス ドライ ダウンハガー900#3」、右が「シームレス ダウンハガー900#5」です。

隔壁と縫い目をなくし、スパイダーヤーンを採用したことで、どれくらい収納サイズがコンパクトになったのだろうかと期待していましたが、同社のダウンハガー800の同番手とまったく同じ収納サイズでした。

しかし重量は下記の通り。
<#5>
シームレス ダウンハガー900:401g
シームレス ドライ ダウンハガー900:453g
ダウンハガー800:439g
 
<#3>
シームレス ダウンハガー900:494g
シームレス ドライ ダウンハガー900:541g
ダウンハガー800:573g
シームレス化とさらに高品質な900フィルパワーのダウン採用の効果が、はっきり見られます。


偏りよりも、フワフワが増えた感じがします!

撮影:PONCHO
隔壁がない。その、これまでの寝袋との違いは、実際に寝てみてもわかりませんでした。

ただこの寝袋、快適温度が8℃に設定された#5ですが、私が所有しているダウンハガーの#3くらいのロフト高、包まれ感を得られました。

スパイダーヤーンがダウンを捕まえて、逃がしていないからか、背中まわりのフワフワ感か高くなっているように感じます。

ストレッチシステムは内側に採用されています!

撮影:PONCHO
モンベルの寝袋の代名詞といえるストレッチシステム。『シームレスダウンハガー』シリーズでは、身体に接する内側がストレッチする仕様です。とはいえ表地も斜め方向に伸びる素材なので、写真のように膝を曲げることができます。

さらに伸びるだけでなく、より身体に密着することで、寝袋と身体の隙間を埋めて保温力を高めくれています。寝袋内側の冷たい部分が、すぐになくなることで、その効果を感じられました。

寝袋自体の性能もアップしています!

撮影:PONCHO
写真左は「シームレスドライの#3」、右は「シームレス#5」。どちらにも共通していえるのは、寝袋自体の性能が大幅にアップしています。

頭部を包むフードは、番手以上のフワフワ感があるので、アジャスターコードを引くと、コレまで以上に隙間なく顔まわりを包み込みます。

また寝袋本体脇に備わったジッパーは、寝袋内で動いても勝手に開かないオートロックジッパーとメーカーは解説していますが、それよりも開閉がスムーズで、生地を噛むようなことがまったくなかったことに驚きました。ストレスなく眠りにつけるのは、本当にありがたいです。

長く使うとわかるのが、シームレスの本当のよさかも

撮影:PONCHO
今回は1日、寝袋に包まっただけなので確認できていませんが、この『シームレスダウンハガー』シリーズの本当のよさは、寒冷期の長期の山行で、呼気や身体から放出された湿気によってダウンのロフトが失われるような状況でこそ、よくわかるように思いました。

「シームレス ドライ」は防水透湿性素材をシェルに使用しているので、そもそも濡れや湿気に強いですが、それでも長期間の山行では、ダウンがドライさを保てないこともあるでしょう。

撮影:PONCHO
フード、首回り、そしてつま先のフットボックスは、ダウンが湿気ってロフトを失い、冷えを感じやすい部分です。

でも隔壁がなく、ボックスで隔たれていないこのシームレスダウンハガーなら、寝袋をバサバサっと振って、湿気ったダウンとドライなダウンを入れ替えて、温かさを戻すことができるかもしれません。

長期間使って、例えばつま先のボックス内のダウンが劣化してペラペラになって保温力を失う・・・なんてことも防げそうです。一部のダウンだけを劣化させずに済むので、耐久性のアップにも期待してしまいます。

撮影:PONCHO
同じ対応温度域の寝袋と比較すると軽く、より保温力を維持できる『シームレスダウンハガー』シリーズ。

寒がり、冷え性なハイカーはもちろん、シングルウォールテントで軽量化したものの結露が心配というハイカーにも、そしてそろそろ寝袋を買い替えようかなぁと考えているなら、他に類を見ないシステムを採用した、世界初のシームレスダウン寝袋は、検討の価値、間違いなく大です!

シームレスダウンハガーの詳細はこちらそれでは、よい山旅を!


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PONCHO
PONCHO

登山、トレイルラン、自転車、キャンプ、旅をテーマに雑誌、WEBで企画、執筆する編集・ライター。低山ハイクとヨガをMixしたツアー・イベント『ちょい山CLUB』を妻と共に主催する山の案内人。

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