あなたの知識は自己流では…?
学生山岳部や社会人山岳会などに所属していれば、先輩から後輩に技術や知識は伝承されていくもの。けれども、そうした団体に所属経験のある人は少ないですよね。
ひとりで、あるいは山仲間と登山する中で得たあなたの技術や知識、ひょっとすると自己流で間違っているかも知れません。
「万が一に備えて、正しい技術や知識を身に付けたいけど、誰に聞いたらわからない…」
「自分の登山スキルをレベルアップさせたいけど、何をしたらいいのかわからない…」
そう感じている人にオススメしたいのが、今回紹介する「ガイド登山」です。
「ガイド」とは
一般的に何らかの資格認定試験や更新研修をパスしている人々。単に登山の引率だけでなく、正しく最新の登山技術や知識を、山の“現場”で教えてくれる存在です。
一緒に歩くだけじゃない!ガイドから学べる技術や知識
一般的に「ガイド」という言葉からは「道案内」すなわち引率を連想されがちです。しかし、ガイドの第一の使命は「クライアント(=顧客)の安全管理」。後述する「登山の安心にも直結」の項でご紹介する様々な気配りで、あなたの登山をサポートします。
さらに、それ以外にも…
・装備の使い方・パッキングなど初心者向けの基礎的なアドバイス
・読図・ロープワーク・テント設営などの技術的なレッスン
・動植物の生態系や地質・地形などの自然解説
など、そのガイドの個性や得意分野にあわせた技術や知識を学ぶこともできます。
さらにガイドは様々な山や天候を経験してきた“山のベテラン”でもあります。
例えば、テーマが読図の講習会だからと言って読図のことだけしか教えてくれない訳ではありません。
・「あそこに見える山は●●岳」などの展望の解説
・歩き方・ザックの背負い方などの正しい基礎知識
・栄養補給・水分補給の目安や、トレーニングなどのアドバイス
・ガイドが体験した山でのエピソード
など、ガイドの様々な引き出しから経験値を“盗む”ことができるのも魅力です。
ガイド同行は登山の安心にも直結
引率や技術、知識の手ほどきはもちろんですが、登山の安心感が高まるのもガイド同行の魅力。では、具体的にガイドは登山中にどのようなサポートをしてくれるのでしょうか。
正しいルート選択による道迷い防止
GPSアプリの普及がめざましい昨今ですが、道迷い遭難は後を絶ちません。ガイドは基本的にメジャーな山であっても直前に下見を行い、ルート状況などを把握してから引率に臨みます。
また、それぞれの山域に拠点を置くガイドであれば地元の山は知り尽くしており、更に安心度が高まるでしょう。
正しいペース配分やギアの使い方による疲労・事故防止
登山に慣れていない人も多い”夏の富士山”などでは、自分の実力以上のペースで歩いてしまい、途中で疲労困憊している登山者も多く見かけます。ガイドはクライアントの年齢や体力に合わせた歩幅・歩行ペース・休憩タイミングで引率してくれるので、必要以上に疲労することなく快適や登山を楽しむことができます。
さらに心強いのが、レインウェアを着るべきタイミング、アイゼンを装着すべきタイミングなどを的確に指示してくれること。様々な天候や状況での登山を“桁違いの場数”踏んでいるガイドだからこそ、その判断も的確。事故防止にもつながります。
危険箇所ではロープを使った安全確保も
アルプスの岩稜などはもちろん、大雨などの影響で、登山道が思いがけず崩落していることも。そんな時にガイドは、“フィックスロープ”という、ルートに持参のロープを張っての安全確保や、“ショートロープ”と言う、ガイドとクライアントをロープで連結しての安全確保で、クライアントが滑落するのを防止する策を講じます。ロープワークは覚えるのも実践するのも難しいテクニック、間違った方法での安全確保はかえって危険。そんな時に心強い存在になるのもガイドです。
自分に合った「ガイド」を探すには…?
”色々勉強になる・安心して登山できる”とはいえ、ガイド登山を体験したことがない人が多いのも事実。
「ついていけるか心配…」「ガイドさんって厳しくて怖そう…」という不安や、費用や探し方がわからない、といった問題まで、理由はさまざまです。
学びたい知識・技術や挑戦したいルートなどによって、適したガイドは異なります。それぞれのガイドの得意分野やフィールドを知った上で探すのは難しいもの。
あなたのお住まいから遠い地方在住のガイドでは難しいのですが、できれば事前にガイドと対面して会話ができると安心ですよね。では、どんな形でガイドに会えるのでしょう。