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【まさかこんなところに…】里山に眠る“戦争遺跡”を訪ねたらとんでもないところだった!(3ページ目)

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駐車場の様子

高蔵山森林公園の駐車場

道中は比較的しっかりとした登山道ですが、足元には充分気を付けながら登りましょう。途中、廃道が交錯するようなところが有りますが、明瞭な踏み跡を外さないよう要注意です。
解説する前薗さん

石垣や廃道について解説するNPO法人「北九州市の文化財を守る会」の前薗さん

山側に築かれた古い石垣や、路傍に転がる標石などが目に入ります。「実は、これらも戦時中に築かれたものやその残骸。廃道のような道も、実は日本陸軍が拓いた堡塁への馬車道なんです。」と語るのは、同伴して下さったガイドの前薗さん。ついつい通り過ぎてしまいそうな些細なものも、その歴史を伺うとロマンがあります。
突如現れる堡塁

突如現れる堡塁。冬は草がなくなるのでこれからの時期に行くのがおすすめ

堡塁があるのは、地図でいうと高蔵山々頂の南側の少し低くなった場所。現在は特に利用されていないため、自然と一体になっています。初めて訪れる方は、森の中に突如現れる堡塁との出会いに衝撃を受けるはず。さながら、某アドベンチャー映画のような瞬間です。
光が差し込む弾薬庫

光が差し込む弾薬庫跡

弾薬庫として利用されていた空間の内部は、少しひんやりとした空気。入口から差し込む光が印象的です。弾薬庫の上には砲台があったり、周辺には浄化槽やトイレの跡があったりと、確かに当時の営みの形跡を感じることができます。
浄化槽と前薗さん

浄化槽の跡

ほとんど手入れのされていない高蔵山堡塁。自然の中に埋もれそうになりながらも、その姿からは長い時間をじっと耐えてきた戦争遺跡としての重みを感じることが出来るでしょう。
駐車場情報
■高蔵山森林公園 駐車場


住所|福岡県北九州市小倉南区大字沼
駐車台数|数台
料金|無料
トイレ|なし

砲台山

尾根上に残る遺構群

尾根上に残る遺構群

足立山の西南西にある、442メートルの小さなピークが砲台山。太平洋戦争時に、戦闘機を撃墜するための高射砲が設置されていた、比較的新しい遺構です。麓の妙見神社の参拝者用駐車場が利用できますが、必ず社務所に届け出ましょう。山頂までは1時間程度の道のりです。
兵舎と思しき跡

兵舎と思しき跡

山頂手前の尾根上には、何やら構造物の痕跡が各所に残っています。偶然通りかかった地元の方のお話によると、「兵舎の跡」とのこと。その他にも、石に刻まれた文字や、コンクリートで築かれた台座のような跡が森の中に見え隠れし、いつの間にか宝探しのような感覚に。
明るい雰囲気の山頂

明るい雰囲気の山頂付近

山頂付近は展望こそありませんが、広場のようになっており、明るい雰囲気。登山者も少なく、お弁当を広げてのんびりするのも良いですね。
小文字山から小倉の夜景

小文字山からの夜景

砲台山から北へ1時間30分ほど足を延ばして、小文字山(こもんじやま)方面への縦走も可能。山頂からは小倉の街の大展望が期待できます。そして、実は小文字山は夜景の隠れた名所。その美しさは「新日本三大夜景」として有名な皿倉山をも凌ぐとの声も。標高が低いこともあって目前に広がる夜景の臨場感はこの山ならではでした。
ナイトハイクをする際は、足立公園・メモリアルクロス駐車場を起点にすると1時間もかからずに山頂へ行くことが可能。また、夜の山道が不安だという方は地元でアウトドアアクティビティのガイドを催行している「太陽の力」のナイトハイクツアーがおすすめ。ガイドさんによる最高の演出で、夜景を一層満喫できること間違いなし!

■高蔵山・砲台山・小文字山コースマップ
コースマップ

提供:YAMAP

駐車場情報
■足立山妙見宮 参拝者用駐車場(砲台山登山口)


住所|福岡県北九州市小倉北区妙見町17−2
駐車台数|数台
料金|無料(社務所で駐車場利用申請書記入のこと)
トイレ|あり
■小文字山登山口 駐車場(メモリアルクロス前)

住所|福岡県北九州市小倉北区妙見町17−2
駐車台数|約10台
料金|無料
トイレ|なし

里山の新たな楽しみ方!歴史を再発見する山旅に出かけよう

妙見神社と足立山、砲台山の分岐点

戦時中は軍都としての役割を果たした北九州。その周辺に築かれた下関要塞は、現在でも奇跡的にその姿を保っています。その様態は様々で、例えば矢筈山キャンプ場はちょっとしたコーディネートで唯一無二の素敵な空間として使われていたりします。キャンプ場や公園として利用される遺跡がある一方、まさに歴史に埋もれてしまいそうな遺跡も。時間の重みを感じますね。

いつもとは少し違った目的で、里山登山の楽しみの新たな切り口として各地を訪れてみると、新たな発見があります。もしかすると、あなたの身近な里山にも、思いがけず魅力的な歴史が眠っているかもしれませんね。

Sponsored:北九州市・下関市
取材協力:北九州市立矢筈山キャンプ場運営委員会
NPO法人北九州の文化財を守る会

取材協力:太陽の力

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