超初心者向け!雪山デビューにはスノーシューハイクがピッタリ
技術が必要そうな雪山登山はちょっとハードルが高いなぁ・・・と、冬の山へ出掛けるのを躊躇している人も多いのではないでしょうか。そんな雪山超エントリー層は、まずはスノーシューハイクを体験してみるのがおすすめ。とは言っても、「どこに行ったらできるの?」、「冬の山に行っても、本当に大丈夫?」といった不安や疑問もありますよね。
そこで今回は、ツアー開催あり、レンタルもOK、公共交通(電車・バス)だけでアクセス可能な雪山初心者におすすめの山を紹介します。雪山登山へのステップアップにもつながるかもしれないので、Let’s チャレンジ!
雪上を自由に散歩できるのが、スノーシューハイク!
スノーシューは、雪の上を上手に効率よく歩くためのアイテム。履くことで浮力が増し、足が雪に埋まることなく、ふかふかの新雪の上も散策することができます。
また、スノーシューハイクは雪山登山と違って、必ずしもピークハントを目指すわけではありません。動物の足跡を見つけたり、雪が積もると普段は届かない木の枝などに触れることができたり、雪の中ならではの魅力を楽しみながら歩くことがメイン。雪を固めたテーブルを囲んで温かい飲み物で休憩したり、貴重な時間を過ごせますよ。
スノーシューハイクを始めるには、何が必要?
雪上を歩くための「スノーシュー」はレンタルもあります
スノーシューは大きく分けて、登山用と平坦地用の2種類があります。登山用は急登に対応できるヒールリフターがついていて、価格はやや高め。平坦地用はサイズが大きく浮力が高いため歩きやすく、価格は手頃なものから高額なものまで幅広いラインアップ。用途に合わせて選択しましょう。
初心者向けツアーなどの場合、スノーシューのレンタルはツアー料金に含まれていることが多いもの。まずは体験してみて、それから装備を揃えればOK。また、最近では宅配レンタルサービスも充実しているので、最初のうちはレンタルでも十分対応できますよ。
靴や小物はどんなものを用意すればいい?
身体の末端を冷えから守るための防寒小物は、自分で揃えたいアイテム。グローブ、ニット帽など耳の隠れる帽子、ネックウォーマー、それにゲイターなどがあるといいでしょう。靴下も保温性の高いものがベター。また、雪の反射光から目を守るためのサングラス(ゴーグルでも可)もあると便利です。
また、足元は防水性のあるハイカットの登山靴であれば、普段の山行で使用してるものでOK。流行りのスノーブーツの場合は、防水性があり、アッパーやソールがしっかりとした作りで、紐で締め上げて脚にフィットさせられるタイプがベストです。なお、長靴は冷えてしまうのでNG。これらのアイテムも、ツアーによってはレンタル可能(有料)な場合もあるので、事前に確認してみましょう。
さらに、冬山用のウェアがあればいいのですが、夏山登山で使っているものを上手に使えば対応できます。まず、吸湿速乾性に優れたインナーにフリースなどの保温性のあるものを着用します。さらにレインウェアを重ね着するなど、手持ちのウェアを活用して上手にレイヤリングしましょう!
夏山とは全然違う!スノーシューハイクの注意点
夏山と雪山では同じ山でも全く違う表情となります。冬の澄んだ空気の中、白銀に輝く山々はまさに絶景。
その反面、池や窪地に薄く氷が張っていたり、小川の上に雪が積もっていることも多く、踏み抜く危険もあります。天候の急変や道迷いなどのリスクも高く、初心者は必ず経験者と行動することが鉄則。その点、ツアーならガイド同行で安心でき、いろいろと学べるのも魅力です。
▼夏山と冬山はこんなに風景が変わります!
超初心者向け!お手軽スノーシューハイクを楽しむ山7選
今回は、雪山超初心者でも気軽に楽しめるような山をセレクトしました。ツアーの開催や用具のレンタルがあり、公共交通機関だけでアクセスしやすい、関東甲信越・関西エリアの山をご紹介!
群馬県 谷川岳・一ノ倉沢
日本百名山・谷川岳は雪山登山のメッカ。ただし、初心者が山頂を目指すのは危険なのでやめましょう。初心者におすすめなのは、標高差1,100mで日本三大岩場のひとつ・一ノ倉沢を目指すコース。アップダウンが少なく、危険なところもないので初めてのスノーシューハイクにぴったり。
スタート地点の土合橋でスノーシューをつけ、雪の積もったミズナラやブナの原生林の中を歩いて行きます。谷川連峰に囲まれた雄大な雪原ハイクを楽しめば、やがて一ノ倉沢へ。目の前に現れる凍てついた岩壁は、大迫力で見る人を圧倒します。明確なルートがあるわけではなく、雪原を自由に歩いていくため土地勘のある人やツアーに参加するのが◎。
【ツアー情報】
■開催期間:2023年1月14日(土)~3月19日(日)土日祝日開催
■集合場所:谷川岳ドライブイン
■集合場所へのアクセス:上毛高原駅より谷川岳ロープウェイ行バス乗車、土合駅前下車。徒歩8分。
■主催:みなかみ山岳ガイド協会
■問い合わせ:みなかみ山岳ガイド協会
長野県 志賀高原・旭山
上信越高原国立公園を中心に位置する志賀高原は、年間を通して多くの人が訪れる観光スポット。冬季には多彩なスノーシューコースが登場する人気のエリアです。中でも冬の琵琶池から旭山を目指すコースは、山頂から志賀高原の山々や北信五岳が楽しめる絶景コース。
スタート地点の志賀高原山の駅から、琵琶池へいったん下り、旭山へと登山開始。踏み跡がしっかりついている場合が多く、地図さえあれば迷う心配はありません。静寂につつまれたダケカンバの森の中を歩くので、運が良ければカモシカやノウサギに出会えるかも!帰りは一沼を経て、サンバレーバス停から志賀高原山の駅までバスで戻りましょう。
【ツアー情報】
■開催期間:2023年1月14日(土)~3月26日(日)
■集合場所:志賀高原自然保護センターほか(ツアーによる)
■集合場所へのアクセス:JR長野駅より直通バスで70分。長野電鉄湯田中駅より路線バスで30分。志賀高原山の駅下車。
■主催:志賀高原ガイド組合
■問い合わせ:志賀高原自然保護センター
長野県 入笠山
標高1,955mの入笠山は、長野県伊那市と諏訪郡富士見町にまたがる南アルプス前衛の山のひとつ。山頂からは360度の大パノラマが広がり、空気の澄んだ冬には南アルプスや八ヶ岳、富士山はもとより、遠く北アルプスをも望むことができます。山の北東側に富士見パノラマリゾートがあり、ここを起点にスノーハイクをするコースが初心者向け。
まずは、ゴンドラでゲレンデの最上部までアクセスし、山頂を目指しましょう。アップダウンはあるものの、コース上に難しい箇所はなく、ルートもわかりやすいのが特徴。途中の入笠湿原ではソリ遊びも楽しめます。また、登山口の富士見パノラマリゾートではスノーシューはもちろんのこと、ウェアまでレンタルできるので身軽に出かけられるのも嬉しいポイント。
【ツアー情報】
■開催期間:2022年12月29日(木)〜2023年2月28日(火) ※1月11日(水)〜1月23日(月)は休業
■集合場所:富士見パノラマリゾート スノーアクティビティセンター
■集合場所へのアクセス:JR富士見駅より無料シャトルバスにて10分
■主催:富士見パノラマリゾート
■問い合わせ:富士見パノラマリゾート スノーアクティビティセンター(080-9640-1811/9:30〜16:00)
長野県 白馬岩岳
白馬岩岳は、長野県白馬村内で唯一の独立峰で標高1,289.7m。その白馬岩岳に位置するスキー場「白馬岩岳スノーフィールド」には、数多くのスノーシューコースがあります。
中でも、白馬岩岳スノーフィールドのゴンドラを利用して、山頂へ登るコースは大人気。ゴンドラを降りたゲレンデの先に展望台があり、雪山未経験者でも気軽に登ることができます。手軽でありながら、広い山頂エリアからは、北アルプスなどのダイナミックな眺望が楽しめます。また、スノーフィールド内の他のコースも、真っ白に染まった森の中を散策でき、冬の自然に癒されるでしょう。
【ツアー情報】
■開催期間:例年1月上旬~3月下旬(積雪状況による)
■集合場所:白馬岩岳スノーフィールドゴンドラ山麓駅インフォメーション前
■集合場所へのアクセス:JR白馬駅もしくは八方バスターミナルよりシャトルバス乗車
■企画・実施:白馬山麓ツアーズ
■問い合わせ:白馬山麓ツアーズ
長野県 斑尾山
北信五岳の一座で、日本三百名山のひとつにも数えられている標高1,382mの斑尾山。長野県の中でも有数の豪雪地帯であり、スキーやスノーシューなどのスノーアクティビティーも盛んです。
斑尾高原スキー場のリフトを乗り継いで標高1,301mからスノーシューハイクに出発。山頂を目指して、樹氷に囲まれた急斜面をゆっくりと登っていきます。山頂付近は樹木が多く眺望は良くありませんが、木々についた霧氷がキラキラと輝く冬ならではの風景に感動したら、山頂からさらに西へ尾根伝いに、眺めの良い大明神岳山頂へ向かいましょう。ただし、この尾根には雪庇やクレバスなどもあるので、注意が必要です。
大明神岳山頂からは、飯綱山、黒姫山、戸隠連峰、妙高山などを望み、その眼下には野尻湖が水をたたえるダイナミックな景色が広がっています。ピークハント以外にも山麓には常設コースが設けられているので、初心者でも安心してスノーハイクに挑戦してみましょう。
【ツアー情報】
■開催期間:1月中旬~3月下旬ごろ(予定)
■集合場所:まだらお高原「山の家」
■集合場所へのアクセス:JR飯山駅より路線バス乗車30分。山の家前下車。
■主催:斑尾高原・遊歩会
■問い合わせ:斑尾高原・遊歩会(0269-64-3464)
長野県 黒斑山
浅間山の麓にある高峰高原ビジターセンターを起点に、フォトスポットの「トーミの頭」を通って黒斑山に登頂するガイドツアーが開催されています。山頂からは、浅間山の外輪山が一望。
ビジターセンターでは、スノーシューやブーツ、ストックなどのレンタルも行っているほか、コース案内や危険箇所などの情報も提供してくれます。
【ツアー情報】
■開催期間:2022年12月24日(土)~2023年3月26日(日)
■集合場所:高峰高原ビジターセンター
■集合場所へのアクセス:JR佐久平駅より路線バスで約65分(JR小諸駅より約50分)。高峰マウンテンリゾート下車。新宿駅から直通の高速バスもあり。
■主催:特定非営利活動法人 浅間山麓国際自然学校
■問い合わせ:特定非営利活動法人 浅間山麓国際自然学校
滋賀県 比良山系
滋賀県の琵琶湖西岸に連なる比良山地。その中部に位置し、日本三百名山に数えられる蓬莱山は、標高1,174m。山頂一帯には山岳リゾートで有名な「びわ湖バレイ」があり、冬季はゲレンデとして営業しているためアクセスも良好です。
比良山地にも数多くのスノーシューコースがありますが、びわ湖バレイのゴンドラと打見リフト、ホーライリフトを乗り継いで一気に蓬莱山山頂まで上がり、小女郎池を目指すコースがおすすめ。山頂からスタートするため標高差がほとんどなく、初心者でも難しくありません。それでいてピークハント、雪の稜線歩き、琵琶湖の眺望と変化に富んだコースを手軽に楽しめるのが魅力的。稜線から眺める冬の琵琶湖はまさに絶景です。
【ツアー情報】
■開催期間:例年12月下旬~3月下旬
■集合場所:ゼログラビティー滋賀事務所(滋賀県高島市勝野1400 びれっじ7号館)■集合場所へのアクセス:JR近江高島駅より徒歩5分
■主催:ZeroGravity
■問い合わせ:ZeroGravity
まずは美しい雪山を体験しよう!
白銀の森や樹氷、澄み切った空気の中で広がる山々の絶景を楽しんだり、夏には踏み込めない森の中を歩いたりと、スノーハイクは魅力がいっぱい。雪山はハードルが高いという方でも、スノーシューを履いて雪の森などを歩くだけで、素晴らしい冬ならではの自然を堪能できます。まずは気楽に、スノーシューハイクで雪山の魅力を体験してみてください!