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登山も旅のうち?ハイカーにも人気<旅道具トラヤ>の不思議な道具の秘密を聞きました(2ページ目)

ずぼらさんもパッキングしやすい、可変サイズのバックパック

196 JOURNEY

提供:TORAYA EQUIPMENT

「196 JOURNEY」というバックパックも不思議です。ロールダウンする大きな開口部を持ったダッフルバッグに、ショルダーストラップを装備させたような構造。パッキングのしやすさ、取り出しやすさを考えた結果、こうした構造になったそうです。

しかも25~40ℓまで収納物に応じたサイズ変更が可能。これひとつで普段使い、そしてデイハイク、山小屋泊、テント泊までできてしまうのです!

TORAYA 商品

撮影:PONCHO

ところで、「365 」のパンツも「196 JOURNEY」のバックパックも登山用の道具ではありません。

トラヤは、屋号にもあるように旅道具のメーカーです。「旅という大きな括りのなかにあるアクティビティのひとつが登山」という考え方のようです。それなのに、いや、だからこそ、他とは違う、既存にはない道具を求めるハイカーが『トラヤ』の道具を愛用しているのです。

それにしても、なんでちょっと変わった道具が多いのか? オーナーでありデザイナーの浦壁利裕さんに、話を聞いてみました。

思わず旅に出たくなる、機能的で遊び心のある道具って?

浦壁さん

撮影:PONCHO

名もなき山や街の道を巡る。日常の延長にも旅はあります

━━旅道具にこだわったブランドですが、浦壁さんご自身はどんな「旅」をしてきたのでしょうか?
浦壁:山が好きで登ったり、江戸時代の旅文化が好きで、そうしたものを感じられる土地を訪れたりしています。でも他人が驚くような、何年も掛けて世界中をまわるようなことは、したことがありません。そうしたちょっと大袈裟な旅よりも、もっと日常的な旅の方が興味があるんです。

例えば高い山ではなく、地元の名も知られていない山、遠くの土地よりも、小さな街の何でもない路地裏巡りとかです。さらにいえば、通勤や通学だって、捉え方次第、自分の目線次第で、旅を感じられるものになりますよね。なにも会社を辞めたり、長期休暇を取らなくたって、できる旅はあると思うんです。

製作をするスタッフ

撮影:PONCHO

━━自由な旅の発想は、生み出される道具にも表われています。

浦壁:私たちのつくる道具は、機能を追究するだけでなく、使っていくことで段々と体に馴染み自分の道具になっていくように、遊び心や余裕というものを大事にしています。

人によっては、最初は使いにくいと感じるかもしれません。そのため、直接会って道具の長所短所を伝え、体に合うものを選んでもらい、時にお互いの旅の話をして、長く大事に使ってもらえるモノを届けたいと考え、対面販売にしました。だからショップへの卸しやネット販売はしていないんです。

2019年秋からオープンファクトリーを開始

店舗内 作業スペース

撮影:PONCHO

━━2019年秋からはじめたオープンファクトリーも、対面販売のような出会いを求めたのでしょうか?
浦壁:ものづくりの楽しさを感じてもらえるよう、私たちの道具がどのようにつくられているのか見てもらいたいと思い「入ル」というファクトリーを始めました。訪れた人が実際にものづくりをできるように、道具やパーツも用意しています。

━━道具を買うだけでなく作ることを体験することで、どう使うかという目線も変わりそうです。
浦壁:旅人がふらりとやってきて、気ままに休憩したり、壊れた箇所を自分で直したりできるというのもいいかなと思っています。このスペースを通じてこれまで出会えなかった方との交流の場になることも期待しています。

浦壁さん

撮影:PONCHO

━━どこまでも旅人目線でのものづくり、販売を、心掛けているんですね!
浦壁:自分たちがつくった道具のユーザーに「旅が楽しくなる、旅したくなる」と言ってもらえたらいいなぁと思い、日々コツコツと旅道具をつくっています。

それから、アウトドアやガレージブランドに馴染みのない方たちにも、「トラヤ」の道具をきっかけに旅することの自由さや楽しさを知っていただいて、自分らしい旅を楽しむ人がもっと増えるといいなと思います。そして、旅を日常の文化にしていくことが私たちの大きな目標です。

つくり手と使い手が出会ってうまれるモノ

TORAYA EQUIPMENT 看板

撮影:PONCHO

旅人である浦壁さん夫婦が手づくりする旅道具は、旅人だからこそわかりえる使い勝手、シンプルさが魅力です。それらは、対面販売というある種の旅で、つくり手と使い手が出会うことで生まれます。縫製担当の奥様は「注文された方の顔や教えてくれた旅の様子を思い浮かべて縫うことも」あると話していました。まさに出会いによって、生まれる道具です。

効率ばかりが優先される今の時代ですが、旅や登山といった趣味の道具は効率主義とは対極にあるもの。「トラヤ」のようにつくり手と使い手の想いが重なり生まれた道具は、とても魅力的に感じられます。

それでは皆さん、よい山旅を!

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