山でも便利? 想像の上をいく斬新なウェアやザックが!

そこで注文を受けた商品をひとつひとつ縫製しているのが、今どき珍しい対面販売、受注生産にこだわる<TORAYA EQUIPMENT / 旅道具トラヤ>(以下トラヤ)です。
元グラフィックデザイナーの夫と某テントメーカーの縫製職人だった妻が営む旅道具メーカーですが、その道具は、どれもこれも「当たり前」ではないものばかりなんです。
大きなポケットがアイコン。サイズ自在な万能パンツ


ルーズなシルエットは、体型を選ばず、男性、女性といった性別も関係なく履ける万能性を装備させるための機能なのです。

この収納力のあるポケットは「思い立った時に手ぶらで散歩に出掛けられるように」と装備されたそうです。しかもそのポケットは、本体を収納できるパッカブル仕様。だから山小屋、テント泊のリラックスウエアとして携帯するハイカーが多いそう。
また素材違いの「365 JUMP」はポリエステルを使用。軽やかな着心地、吸湿速乾性、撥水性、そして動きに対応したストレッチ性も装備し、山歩きの行動着としても機能します。
ずぼらさんもパッキングしやすい、可変サイズのバックパック

しかも25~40ℓまで収納物に応じたサイズ変更が可能。これひとつで普段使い、そしてデイハイク、山小屋泊、テント泊までできてしまうのです!

トラヤは、屋号にもあるように旅道具のメーカーです。「旅という大きな括りのなかにあるアクティビティのひとつが登山」という考え方のようです。それなのに、いや、だからこそ、他とは違う、既存にはない道具を求めるハイカーが『トラヤ』の道具を愛用しているのです。
それにしても、なんでちょっと変わった道具が多いのか? オーナーでありデザイナーの浦壁利裕さんに、話を聞いてみました。
思わず旅に出たくなる、機能的で遊び心のある道具って?

名もなき山や街の道を巡る。日常の延長にも旅はあります
━━旅道具にこだわったブランドですが、浦壁さんご自身はどんな「旅」をしてきたのでしょうか?浦壁:山が好きで登ったり、江戸時代の旅文化が好きで、そうしたものを感じられる土地を訪れたりしています。でも他人が驚くような、何年も掛けて世界中をまわるようなことは、したことがありません。そうしたちょっと大袈裟な旅よりも、もっと日常的な旅の方が興味があるんです。
例えば高い山ではなく、地元の名も知られていない山、遠くの土地よりも、小さな街の何でもない路地裏巡りとかです。さらにいえば、通勤や通学だって、捉え方次第、自分の目線次第で、旅を感じられるものになりますよね。なにも会社を辞めたり、長期休暇を取らなくたって、できる旅はあると思うんです。

━━自由な旅の発想は、生み出される道具にも表われています。
浦壁:私たちのつくる道具は、機能を追究するだけでなく、使っていくことで段々と体に馴染み自分の道具になっていくように、遊び心や余裕というものを大事にしています。人によっては、最初は使いにくいと感じるかもしれません。そのため、直接会って道具の長所短所を伝え、体に合うものを選んでもらい、時にお互いの旅の話をして、長く大事に使ってもらえるモノを届けたいと考え、対面販売にしました。だからショップへの卸しやネット販売はしていないんです。
今秋からオープンファクトリーを開始

浦壁:ものづくりの楽しさを感じてもらえるよう、私たちの道具がどのようにつくられているのか見てもらいたいと思い「入ル」というファクトリーを始めました。訪れた人が実際にものづくりをできるように、道具やパーツも用意しています。
━━道具を買うだけでなく作ることを体験することで、どう使うかという目線も変わりそうです。
浦壁:旅人がふらりとやってきて、気ままに休憩したり、壊れた箇所を自分で直したりできるというのもいいかなと思っています。このスペースを通じてこれまで出会えなかった方との交流の場になることも期待しています。

浦壁:自分たちがつくった道具のユーザーに「旅が楽しくなる、旅したくなる」と言ってもらえたらいいなぁと思い、日々コツコツと旅道具をつくっています。
それから、アウトドアやガレージブランドに馴染みのない方たちにも、「トラヤ」の道具をきっかけに旅することの自由さや楽しさを知っていただいて、自分らしい旅を楽しむ人がもっと増えるといいなと思います。そして、旅を日常の文化にしていくことが私たちの大きな目標です。
つくり手と使い手が出会ってうまれるモノ

効率ばかりが優先される今の時代ですが、旅や登山といった趣味の道具は効率主義とは対極にあるもの。「トラヤ」のようにつくり手と使い手の想いが重なり生まれた道具は、とても魅力的に感じられます。
それでは皆さん、よい山旅を!
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