「激安」な軽量テントを発見!
皆さまはテントをいくつお持ちでしょうか。テント好きな私は、厳冬期対応テントやULシェルターなど7張の天幕を保有しており、うち3張は1kg以下のULテントです。
世界中のガレージブランド各社が工夫を凝らした個性溢れる軽量テントは、見ているだけでも楽しく、さらに使い勝手を想像するとワクワクしてしまいます。
いまだに定期的にチェックしていますが、今回、「激安」なうえ、とても「使い勝手が良さそう」な軽量テントをAmazonで発見!
3シーズン対応で950g、なんと約1万円!

激安軽量テントの多くは、軽量と謳いながらも 2kg前後のものが多いなか、このテントは950gで確かに軽量です。
GeerTop製 Pyramid Ⅱ はどんなテント?

中国を生産拠点とし、LAやロンドン、バンクーバー、ハンブルグ、中国に倉庫を持ち、グローバルな製品供給網を構築。 創業者の実経験を通した製品開発と生産を行なっている会社のようです。
そして、このテントのスペックはというと…
収容人数 | 1人 |
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重量 | 900g |
収納サイズ | φ11x40cm |
生地 | フライ=15D耐水シリコーンコートナイロン ボトム=20Dダブルシリコンコートナイロン |
耐水圧 | フライ=PU3,000mm ボトム=PU5,000mm |
ベンチレーション | 2箇所 |
前室 | 1箇所 (210L×Max: 90W) |
インナーテント寸法 | 210L×Min:60/Max:120×115H |
幕営マストアイテム | トレッキングポール(目安:125~130L) ペグ×8(または×6+石×2) |
その他 | 大型メッシュサイドポケット×2 吊下げランタンフック×1 |
表記上では、山岳使用を前提としてみても、スペック的に充分。 また、過去にオリジナルテント作製にあたり作図したデザインにそっくりだったため、発見から1分後にはクリック・注文完了していました。
軽量テントはいろいろ引き算されている、気になる実力やいかに!?

例えば、居住性の悪さ (狭さ)、前室がない不便さ、オールメッシュで寒々しいインナーテント、フロアレスでは降雨時の心許なさや林間での虫の侵入などなど、軽量化と快適性の高水準な両立は困難なため、何かを犠牲にすることになります。
が、このテントはスペック的に、それら不便さの多くをクリアできそうだと思えたことが購入に至る決定打でした。はたして、実際はどうなのでしょうか?
さっそく下界で試し張り、これはなかなか…!
設営は至ってカンタン&スピーディー


安心感の高い居住空間

そしてこの快適性は、日本の厳しい山岳事情では「包み込まれて守られている安心感」というところから少し離れてしまいます。


耐水性・耐風性は未知数



ヘッド部の立ち上がり角度が急なのが気になりますが、ピラミッド型で基本的には風を受け流しやすい形状。ストック頂点部分を握りかなり強めに全方位に揺さぶってみましたが、強度の高いアルミ製トレッキングポールの場合、安心感がありました。
試し張りをしてみた結果は好感触。「もしかしたら、アルプスでも使えるのでは…」ということで、早速検証へ向かうことに!
いざ、北アルプスのテント場へ!

そこで今回選んだのが、北アルプスの爺ヶ岳と鹿島槍ヶ岳のあいだにある冷池山荘のテント場です。

時期は9月下旬、だいぶ冷え込み始め、すでに初氷の観測も。 レビュー時の天気予報は、初日は晴れ、深夜から雨予報で風も少し出るとのことで、絶好の検証日和です。
それでは、早速使用後のインプレッションを紹介していきます!
【ココが良かった!】 期待以上! 軽量さと快適性の“好”バランス
①軽量&携行性

ぎっちり遊びなく収納されていると、パッキング時に形状追従性がなく場所をとるので、これはありがたいポイントです。
②広い前室と一体型インナーテント

また、形状的にはどちらかというとフロアレスシェルターに近いですが、インナーテント (フロア) があるのはやはり快適。 虫の侵入も防げるので、特に林間のテント場では大活躍しそうです。
③居住性の良さ

④耐水性も問題なし

⑤ダブルベンチレーションで結露が少なめ

【ココが気になる!】 スペックだけでは分からなかった盲点
①広い幕営スペースが必要

テント場到着は8番目、この場所がもっとも広めでしたが、縦でおよそ250cmほど、横で210cmのスペースが必要。 テント場によっては場所選びに難儀しますし、早着しないと場所確保に不安があります。
②内側から前室フライのファスナーを閉めるのが大変

③イヤン、かなり透けます!

④130cmまで無段階調整が可能なトレッキングポールが必要

さて、メリット・デメリットがそれぞれありましたが、この激安テントの山岳使用の是非は…?
【総評】1万円の激安ULテントは…

今回の検証では山岳で使えない決定的な課題は見当たりませんでした。耐風性については充分に検証できたわけではありませんが、前述のとおり、稜線や風抜けが良いテント場でも天気と風向きを選んで幕営すればリスク低下ができ、また、林間のテント場の場合は使用にあたり不安はありません。
約1万円という激安さ、そして950gという軽量さでこれだけの快適性を実現している点において、非常に魅力的なテントであり、個人的にはかなり気に入ってしまいました。今後このテントをメインにテント泊を楽しみたいとワクワクしています。
この記事が、居住性の良い激安な軽量テントを探しているネオULハイカーさんの参考になれば幸いです。
それでは皆さま、どうぞ良いハイクを!