フォージの熱成型は、2段階にわけて行ないます。
はじめにインソールのみ外してフィットさせ、その後にシューズ全体を合わせる、という流れです。
シューズから抜き取ったインソールを見せてくれる浅野さん。インソールの色は、ブランドイメージのオレンジ。
あらかじめ立体的になっていて、とくにアーチの部分はとても盛り上がっています。
はじめはインソールを熱成型
抜き取ったインソールは、マシン内に収められていた「フットベットレジスター」に挟み込みます。挟み込んだ後は重ね合わせて閉じ、スウィッチを入れると加熱開始!
EVAコンパウンドとサーモプラスチックでできたインソールを柔らかくしていきます。レジスターは85℃まで温度が上昇し、最終的には簡単には手で持てないほど熱々になるのです。
加熱時間は8分。しばらくじっと待ちましょう。
汗が出るほどホカホカ。EVAが一気にソフトに
十分に温まったらフットベッドレジスターから取り出して特殊なソックスのようなものの中に入れ、それから自分の足を入れます。このソックスは伸縮性があり、足の形にピッタリ。
(このとき僕は女性のパンプスを履いているような気持ちになり、若干照れました…)
特殊ソックスを履いた足は、次に「エアーサック」という器具のなかに入れ、足裏から膝上まで太いテープで固定しつつ、空気の圧力をかけていきます。この時間は3分程度。こうやって足の裏の形状をEVAに覚えさせるのです。
「ショップには、いつも山に使っている靴下を履いていくといいですよ」と浅野さん。分厚い靴下だと、足の形がきれいにとれない可能性があるのだとか。
3分経つのを待ちながら、効率よく製作するため、同時にアッパーを「シューズレジスター」で加熱し始めます。
C.A.S.フットウェアキットニュートロを覗き込むと、2つの数値が表示されていました。ひとつは「5.05」でもうひとつは「130」。「5.05」は加熱しているフォージの残り時間、「130」はエアーサック内部の気圧のようです。
ちなみにエアーサックは最大で150気圧になるそう。アウトドア系腕時計などの表示方法に従えば、深海1,500mくらいにいるのと同じ圧力を受けていることになるのかな。
それだけの圧力でインソールを足の形に合わせているのだから、すごいことですよね。