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「熱成型シューズ」は”登山靴難民”の救世主?テクニカの技術に密着取材(2ページ目)

フォージの熱成型は、2段階にわけて行ないます。
はじめにインソールのみ外してフィットさせ、その後にシューズ全体を合わせる、という流れです。

インソールを抜き出す
シューズから抜き取ったインソールを見せてくれる浅野さん。インソールの色は、ブランドイメージのオレンジ。

元のインソール

シューズから外したインソール。

あらかじめ立体的になっていて、とくにアーチの部分はとても盛り上がっています。

はじめはインソールを熱成型

フットベットレジスターに挟む

「フットベットレジスター」。中央に仕切りがあり、インソールをそれぞれ挟みます。

抜き取ったインソールは、マシン内に収められていた「フットベットレジスター」に挟み込みます。挟み込んだ後は重ね合わせて閉じ、スウィッチを入れると加熱開始!

熱を加えて温める
EVAコンパウンドとサーモプラスチックでできたインソールを柔らかくしていきます。レジスターは85℃まで温度が上昇し、最終的には簡単には手で持てないほど熱々になるのです。

約8分間の加熱

待ち時間の間、これからフォージ製作に使う器具をじろじろと確かめる僕。

加熱時間は8分。しばらくじっと待ちましょう。

汗が出るほどホカホカ。EVAが一気にソフトに

特殊なソックスを着用

加熱されたインソールは想像以上の温度に。ソックスなしでは火傷しそう。

十分に温まったらフットベッドレジスターから取り出して特殊なソックスのようなものの中に入れ、それから自分の足を入れます。このソックスは伸縮性があり、足の形にピッタリ。

(このとき僕は女性のパンプスを履いているような気持ちになり、若干照れました…)

エアーサックで圧力をかける

足がずれるとインソールが正しい形にならないのではないかと、なんだか緊張します。

特殊ソックスを履いた足は、次に「エアーサック」という器具のなかに入れ、足裏から膝上まで太いテープで固定しつつ、空気の圧力をかけていきます。この時間は3分程度。こうやって足の裏の形状をEVAに覚えさせるのです。

「ショップには、いつも山に使っている靴下を履いていくといいですよ」と浅野さん。分厚い靴下だと、足の形がきれいにとれない可能性があるのだとか。

シューズレジスターで加熱

右に置いてあるのが「シューズレジスター」で温められているフォージ。少し離れていても、温度が伝わってきます。

3分経つのを待ちながら、効率よく製作するため、同時にアッパーを「シューズレジスター」で加熱し始めます。

二つの数字

左の赤い表示が加熱の残り時間、中央の青い表示が気圧。こういうのを眺めていれば、3分間などあっという間です。

C.A.S.フットウェアキットニュートロを覗き込むと、2つの数値が表示されていました。ひとつは「5.05」でもうひとつは「130」。「5.05」は加熱しているフォージの残り時間、「130」はエアーサック内部の気圧のようです。

ちなみにエアーサックは最大で150気圧になるそう。アウトドア系腕時計などの表示方法に従えば、深海1,500mくらいにいるのと同じ圧力を受けていることになるのかな。
それだけの圧力でインソールを足の形に合わせているのだから、すごいことですよね。

偏平足を反映し、妙に平らなインソールが完成。

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